
SMN株式会社は、株式会社True Dataとの戦略的協業により展開しているリテールソリューションの取り組みにおいて、大手飲料メーカーの「健康志向飲料」プロモーションを対象に広告効果の共同検証を実施しました。この検証により、テレビCMとデジタル広告を連携させた「オフライン購買計測」が、購買効果の可視化において非常に有効であることが確認されました。
SMN株式会社は本社を東京都品川区に置き、代表取締役執行役員社長の原山直樹氏が率いています。一方、株式会社True Dataは東京都港区に本社を構え、代表取締役社長の米倉裕之氏が経営しています。両社の戦略的協業は2025年7月に開始されており、広告用購買セグメントデータを活用した取り組みを進めています。
SMN株式会社では今後、本検証で得られた知見を活用し、購買データと視聴データを組み合わせたファクトベースの分析を通じて企業の「売れる仕組み」を構築・可視化することで、マーケティングROIの最大化を支援するパートナーとしてリテールメディア領域の発展を牽引していく方針です。

この記事の目次
オフライン購買効果の可視化が抱える市場課題
デジタルマーケティングが高度化する現在においても、日用消費財などのメーカー企業は大きな課題を抱えています。それは、「オンライン上での消費行動は追跡できるが、スーパーやドラッグストアなどの実店舗で消費者が実際に自社商品を購入したかどうかが見えない」という点です。
昨年8月に経済産業省が発表した調査結果によれば、消費者が商品を購入する場所は、現在でも約9割がネットではなく「実店舗(スーパーやドラッグストアなど)」となっています。そのため、多くのメーカー企業にとって、「広告を見た人が実際にお店で商品を買ってくれたか」という店舗での動きを把握することは、広告の効果を正しく判断するために極めて重要な要素となっています。
特に、大規模な予算を投じる「テレビCM」と、ターゲティングが可能な「デジタル広告」の両方が、最終的に店頭での購買にどのように結びついたのかを正確に測定することは技術的に容易ではありません。そのため、投資対効果の検証に課題を抱えている企業は少なくない状況です。
リテールデータを活用したオフライン購買分析の推進
近年、小売業が保有する膨大な購買データ(ID-POSなど)を活用した「リテールメディア」のデータへの注目が急速に高まっています。それに伴い、マーケティングの重要指標は、従来の「リーチ」や「認知」から、「実店舗での購買」という具体的な行動変容へと広がりつつあります。こうした市場環境の中、店頭の売上に対する広告の寄与をどのように証明し、次の施策に活かしていくかは、多くのブランドマーケターにとっての急務となっています。
SMN株式会社は、独自の人工知能を搭載した国産DSP「Logicad」や、国内4大テレビメーカーの視聴データを活用した「TVBridge Ads」を提供しています。これらのサービスを通じて、デジタル広告の最適化からフルファネルでの効果可視化までを支援しており、現在は実店舗などのオフライン環境における計測にも注力しています。
その取り組みの一環として、ドラッグストアやスーパーマーケットにおける約6,000万人の購買データ(POS、ID-POS)を扱う株式会社True Dataと連携し、テレビCMとデジタル広告の重複接触が購買に与える影響を分析し、可視化できるソリューションを提供しています。
デジタル広告とテレビCMを横断した購買効果の共同検証
実際に「TVBridge Ads」でテレビ視聴データを活用したターゲティング配信を実施し、大手飲料メーカーのキャンペーンにおいて、「テレビCM」と「デジタル広告」の重複接触が購買に与える影響の分析が行われました。分析の結果、デジタル広告のみならずテレビCMのオフライン購買リフト効果も明確に実証されました。
検証内容の詳細
大手飲料メーカーの「健康志向飲料」において、SMN株式会社の「TVBridge Ads」を活用し、テレビCM放送期間に合わせてTVer等の動画配信サービスへデジタル広告を配信した後、ユーザーを以下の3つのセグメントに分類しました。その後、株式会社True Dataの広告用購買データを用いて、それぞれの購買率を比較検証しています。
分析区分は以下の通りです。
- 分析区分①:テレビCM/デジタル広告に接触していないユーザー群(ベース値)
- 分析区分②:テレビCMのみ接触ユーザー群
- 分析区分③:テレビCM/デジタル広告の重複接触ユーザー群

検証結果:テレビの「広さ」とデジタルの「深さ」が購買を決定づける
大手飲料メーカーの「健康志向飲料」における施策結果は、単なる分析以上のマーケティング上の示唆を含んでいます。
結果として、テレビCMのみ接触層は非接触層比で+13%の購買リフトを記録しました。一方、テレビCM+デジタル重複接触層は非接触層比で+41%の購買リフトを達成しています。
特に注目すべきは、テレビCMに加え、TVer等の動画メディアでデジタル広告を重ねて接触させることで、購買率の増加幅がテレビ単体の約3倍に跳ね上がった点です。これは、多くの生活者がテレビで広く商品を「認知」し、デジタルのターゲティング広告で「自分ごと化」することで、最終的な「購買」に至るという勝ちパターンがデータとして実証されたことを意味しています。なお、購買率は「購入者数」による集計値となります。

考察
本事例において、テレビCMの視聴者に対してタイミングよくデジタル広告を配信することにより、高い購買リフト値が記録されました。この結果は、テレビで広く認知を獲得し、デジタルで再度接触することが、購買検討層の意欲を決定的な「実購買」へと引き上げる効果があることを示唆しています。
企業のマーケティングにおける活用可能性
本事例のような分析結果は、企業のマーケティングにおいて、以下のような活用が可能となります。
「広告がオフラインの売上にどう貢献したか」の精緻な可視化
従来のデジタル広告で追及されていた「クリック」や「リーチ」だけでなく、実際にドラッグストアや食品スーパーなどで商品が購入されたか(オフライン購買)という具体的な行動変容を可視化できます。これにより、広告投資が実際の売上拡大にどう直結したのかというROI(投資対効果)を数字で証明できることにも繋がります。
テレビCMとデジタル広告の「相乗効果」の正確な測定
これまで技術的に測定が難しかった「テレビCM」と「デジタル広告」の掛け合わせによるオフライン購買への影響を明確に分析できます。さらに各メディアの広告接触の有無を区分して購買率を比較できるため、クロスメディア戦略の有効性をデータで裏付けることが可能です。
また今回の事例のようにクロスメディアでの重複接触によって、消費者の購買率のリフトアップも実証できたことからも、広告効果の向上も期待できる点もメリットと考えられます。
実際の購買事実に基づく比較検証によるPDCAの実行
「なんとなく売れた」ではなく、どのメディアのどの広告施策が最も店頭での購買に繋がったのかを分析し、次回のプロモーションやマーケティング戦略の改善に直接活かすことができます。
特に「テレビCM」と「デジタル広告」の予算バランスについて課題を抱えているメーカー企業も多い中、このようにオフライン購買効果に基づいたレポートで意思決定ができることで、マーケティング全体の改善にも繋がるメリットが期待できます。
今後の展望:広告効果の可視化でリテール領域へさらに注力
SMN株式会社は、「テレビCMやデジタル広告の投資対効果(ROI)を実店舗の売上で証明したい」「自社でもテレデジ統合によるオフライン購買分析をやってみたい」といった、近しい課題や要望に寄り添い、購買データと視聴データを掛け合わせたファクトベースの分析により、企業の「売れる仕組み」の構築と可視化をサポートします。単なる広告配信に留まらず、企業のマーケティングROI(投資対効果)を最大化させるパートナーとして、リテールメディア領域のさらなる発展を牽引していく方針です。
株式会社True Dataについて

株式会社True Dataは、ドラッグストアや食品スーパーマーケットにおける年間レシート規模5.5兆円、年間アクティブ数6,000万人規模のPOS、ID-POSデータを軸としたビッグデータプラットフォームを運営しています。小売業、消費財メーカー、その他幅広い業種の企業へ、顧客理解から商品戦略、販促施策、広告最適化、生産・在庫管理など、DX時代に有効なデータ活用ソリューションを提供しています。
「TVBridge Ads」について

「TVBridge Ads」は、国内最大級のテレビ視聴データにオーディエンスデータを掛け合わせたターゲティング広告配信ができるDSPサービスです。国内大手テレビメーカー複数社のインターネットに接続されたテレビが取得する視聴時刻に基づいたCM視聴、番組視聴を軸としたテレビ視聴データ、ユーザーから広告用途への利用が許諾されているテレビ放送(全国の地上波、BS、CS)の視聴データを活用しています。なお、個人を特定する情報は含まれていません。
SMN株式会社について

SMN株式会社は2000年3月に設立されました。ソニーグループで培った技術力をベースに、マーケティングテクノロジー事業を展開しています。「技術力による、顧客のマーケティング課題の解決」を実現するため、ビッグデータ処理と人工知能のテクノロジーを連携し進化を続けています。現在、DSP「Logicad」、マーケティングAIプラットフォーム「VALIS-Cockpit」のほか、テレビ視聴データ活用広告配信サービス「TVBridge」を提供するなど、マーケティングに関する様々な課題解決を実現しています。
出典元:SMN株式会社













