
株式会社ベンチマークジャパンは、2021年より継続して実施している「メールマガジンが日本のインターネットユーザーにどのように読まれているのか」に関する調査の2026年度版を発表しました。今回の調査では、仕事用およびプライベート用のメールアドレスにおける購読状況を調査し、新たにAIが作成したメルマガについての設問も追加されています。
この記事の目次
調査結果の主なポイント
今回の調査で明らかになった主要な結果は以下の通りです。
- 日本のインターネットユーザーの65.5%がメールマガジンを受信しています
- 全体の約7割から8割が、メールマガジン1通あたり1分未満で読んでいます
- メールマガジンを読む際のメールソフト1位はGmailです
- メールマガジンに期待するコンテンツ1位は「セール、クーポンなどお得な情報」です
- AIを使ってメールマガジンを作成する場合は「文章や内容が不自然でないこと」への配慮が必要です
- メールマガジンの配信停止理由1位は「配信数が多すぎる」です
- 情報収集チャネルはLINE・メールマガジン・Xが上位で、動画コンテンツ系が伸びています
- 女性はInstagram、男性はXが情報収集チャネル1位となっています
調査の目的と概要
この調査は、メールマガジン購読状況についての現状を把握し、メール配信の企画や実務に携わる方々に有益な情報を提供することを目的として実施されています。また、仕事用とプライベート用のメールアドレスそれぞれの購読状況、世代別、男女別の傾向などを比較するために行われました。
調査はインターネット調査として、2026年1月21日から1月28日の期間に実施されました。対象者は会社員、公務員、自営業を含めた経営者で、20代から60代までとなっています。回答者の年齢・性別分布は国勢調査の人口比率に対応しており、有効回答数は事前調査で4,000件、本調査で600件となっています。
メールマガジン受信状況について
事前調査において「仕事用とプライベート用のメールアドレスいずれかで、メールマガジンを最低1通以上受信しているか」について質問したところ、全体の65.5%がメールマガジンを受信していると回答しました。前回調査の2023年では71.3%であったため、比較すると5.8ポイント低下しています。また、年代が上がるにつれメールマガジンの購読率が上がる傾向にありますが、どの年代も約3%から8%ほど減少する結果となりました。
メールマガジン購読率の減少については、メールマガジン自体の価値が低下したというよりも、ユーザーが自分に適した情報収集メディアを選別し、使い分けるようになったことが背景にあると考えられます。近年では、YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツ、X(旧Twitter)などのSNSなど、企業と顧客の接点が大きく広がっています。情報収集の手段が増えたことで、メールマガジンに「とりあえず登録していた層」が減少した可能性があるとのことです。
一方で、こうした環境の変化がありながらも、約3分の2のユーザーが自発的にメールマガジンを受け取っているという側面もあります。今後は、メールマガジンに価値を感じ、必要としている層に向けて、適切なコンテンツを継続的に届けることがより重要になると考えられます。

年代別の詳細な結果を見ると、プライベート用のメールアドレスのみ受信している人の割合は、年代が上がるにつれて高くなっています。一方で、「仕事用のメールアドレスのみ」と回答した人は若い世代ほど多く、20代から30代はプライベートよりも、業務で必要なメールマガジンの方を多く受信する傾向にあるようです。
メールマガジンを読む時間帯について
メールマガジンを読む時間帯についての調査結果では、仕事用アドレスでは1位が「12時から15時台」で28.6%、2位が「9時台まで」で22.9%、3位が「10時から11時台」で20.0%となりました。

プライベート用アドレスでは1位が「12時から15時台」で23.6%、2位が「21時から23時台」で22.4%、3位が「19時から20時台」で17.1%となりました。仕事用アドレスの順位は前回と変わらず、昼を中心に、朝から午後にかけて読まれている人が多い結果となっています。業務の開始前や昼休みなど、仕事の合間にまとめてチェックしている人が多いと考えられます。プライベート用アドレスでは、前回は「21時から23時台」が1位でしたが、今回は「12時から15時台」が1位となりました。
利用されているメールソフトについて
「どのメールサービスを使ってメールマガジンを読んでいるか」という質問では、仕事用アドレスでは1位がGmailで59.2%(前回比マイナス2.8ポイント)、2位がOutlookで41.3%(前回比マイナス0.1ポイント)、3位がYahoo!メールで37.8%(前回比マイナス8.5ポイント)となりました。

プライベート用アドレスでは1位がGmailで63.7%(前回比マイナス3.3ポイント)、2位がYahoo!メールで47.7%(前回比マイナス4.9ポイント)、3位がOutlookで25.5%(前回比マイナス0.7ポイント)となりました。仕事用・プライベート用共に、1位はGmailという結果になっています。
全体的に利用比率はやや低下していますが、これはメールサービスの利用自体が減ったというよりも、利用するサービスを1つから2つに絞る傾向が進んでいる可能性があります。実際に、1人あたりの平均選択数は前回の1.70個から1.50個に減少しました。特に若年層では、複数サービスを使い分けるよりも、メインとなる1つのサービス(特にGmail)に情報を集約する傾向が見られます。


年代別の結果では、仕事用・プライベート用ともに20代のGmail利用率が他の2サービスと比較して高い傾向にあります。また、プライベート用アドレスでは、Outlookの使用率が年代とともに上昇している点も特徴的です。
閲覧デバイスについて
スマートフォンとパソコンのどちらでメールマガジンを読んでいるかについての調査では、仕事用は「パソコンのみ」、プライベート用は「スマートフォンのみ」の回答が最も多い結果となりました。

前回と比較すると、仕事用では「パソコンのみ」と回答した人の割合が9.6ポイント増え、「両方だが、パソコンが多い」と回答した人も含めたパソコン派は9.7ポイント増えています。プライベート用は「スマートフォンのみ」と回答した人の割合が3.7ポイント増えた一方、「パソコンのみ」の回答も4.5ポイント増えました。プライベート用の閲覧デバイスは、スマートフォン中心でありつつも、パソコンで読む層も一定数存在しているようです。

年代別の結果では、どの年代においても、仕事用に比べてプライベート用の方がスマートフォンでの閲覧率が高い結果となりました。また、仕事用・プライベート用の両方で、若い世代ほどスマートフォンで読む傾向が強く、年代が上がるにつれパソコンの割合が高くなる傾向も見られました。特に20代は、プライベート用だけでなく仕事用のメールでもスマートフォンで読む比率が71.6%と高めでした。

男女別の結果では、仕事用アドレスは大きな差が見られなかった一方で、プライベート用アドレスは女性の方がスマートフォン比率が高い傾向が見られました。「スマートフォンのみ」と回答した方は、男性が23.9%であるのに対し、女性は38.1%となっています。

受信通数と閲覧通数について
1日あたり平均何通のメールマガジンを受信しているのかについては、仕事用アドレスで1位が「1から5通」、2位は「6から10通」、3位は「21通以上」となりました。プライベート用アドレスは、前回は1位が「1から5通」だった一方で、今回は「6から10通」が1位となりました。

受信しているメールマガジンのうち、「1日何通のメールマガジンを開いて読んでいるか」については、仕事用・プライベート用共に、1位は「1から5通」となり、2位は仕事用では「1通未満」、プライベート用では「6から10通」となりました。

1通あたりの閲覧時間について
「メールマガジン1通あたり、どのくらいの時間をかけて読んでいるか」については、仕事用アドレスの1位は「30秒以上1分未満」、プライベート用の1位は「10秒以上30秒未満」となりました。いずれにおいても、全体の約7割から8割は1分未満で読んでおり、メールマガジン1通あたりにかけている時間はそれほど長くなさそうです。

読者の多くはメールマガジンをじっくり読むというよりも、短時間で内容を確認し、必要な情報だけを拾っている可能性があります。そのため、配信側はファーストビューに重要情報を置く、見出しを明確にする、行動喚起を目立たせるなど、瞬時に価値が伝わる構造にしておくことが大切です。一方で、仕事用のアドレスで1分以上かけて読んでいる人の割合は、前回より5.3ポイント増えました。
開封判断の要素について
「メールマガジンを開く、開かないの判断に最も影響するところはどこですか」という質問では、1位は「件名・タイトル」で49.8%(前回比マイナス1.7ポイント)、2位は「本文プレビュー」で22.7%(前回比プラス2.0ポイント)、3位は「送信元名」で11.8%(前回比マイナス8.0ポイント)でした。

約半数が件名で開封を判断していることから、件名が最も重要な判断材料であることが分かります。件名を考える際は、端的に内容が伝わるかや、読者が自分に関係がありそうだと思えるかという視点を持てると良さそうです。
配信停止の理由について
「どんな理由でメールマガジンを配信停止することが多いか」については、「配信数が多すぎる」が38.8%、「メールマガジンの内容に興味がなくなった」が34.5%との2つが全体の7割以上を占める結果となりました。前回は「メールマガジンの内容に興味がなくなった」が1位でしたが、今回は「配信数が多すぎる」が1位となりました。

これは単純に「頻度を減らせば良い」という話ではなく、配信頻度が高いことで起きる様々な原因が背景にあると考えられます。読者にとって価値の低いメールマガジンを頻繁に送ると、読者が離れてしまう可能性は高くなります。配信頻度の見直しも必要ではありますが、1通あたりの情報価値を上げることが最も大切だと言えます。
期待するコンテンツについて
読者はどんなコンテンツを期待してメールマガジンに登録しているのかという質問では、1位は「セール、クーポンなどお得な情報」で56.0%、2位は「最新情報、ニュース」で53.7%、3位は「ブランドやサービスが提供する商品の情報、カタログ、メニュー」で50.6%となりました。前回と比較すると、1位と2位が入れ替わっています。

また、男女別の結果を見てみると、男性は「最新情報、ニュース」が、女性は「セール、クーポンなどお得な情報」が比較的多い傾向にありました。

キャリアメールの利用について
プライベート用に使っているメールアドレスについて、携帯キャリアのメールアドレスをメールマガジン受信用に使うことはあるか尋ねたところ、メールマガジン受信用にキャリアメールを使うと回答した割合は、47.7%(前回比マイナス7.9ポイント)となりました。前回と比較すると減少傾向にあるものの、依然として約半数がキャリアメールを利用しています。


年代別の結果では、一般的に高年代層に多いイメージのあるキャリアメールですが、今回の調査では20代の利用率が約7割と最も高い結果となりました。背景として、20代は学生時代から契約しているキャリアをそのまま継続し、登録情報も含めて変更せずに利用し続けているケースが多い可能性があります。
AI活用時の注意点について
今回の調査では、「受信しているメールマガジンがAIが作成したものだと分かった場合、どの点に特に気を付けてほしいか」についても尋ねられました。1位は「文章や内容が不自然でないこと」で27.5%、2位は「情報に誤りがないこと」で23.3%、3位は「文章の長さが適切であること」で22.7%となりました。

年代別に見ると、世代ごとの意識の違いが見えてきます。20代から30代では「文章の長さが適切であること」が1位となりました。一方、40代は「文章や内容が不自然でないこと」、50代以降は「情報に誤りがないこと」が最も多い結果となりました。

若年層はタイムパフォーマンスを重視する傾向があり、AIを活用する場合は特に、簡潔で読みやすい文章であることが求められているようです。一方、50代から60代では、AIが作り出す可能性のある誤情報への不安から、特に情報の正確性を重視している傾向が見られました。
情報収集チャネルについて
メールマガジンやLINE、X(旧Twitter)などのメディアやチャネルで、会社やお店に関する情報を見ることがあるかについて尋ねたところ、「会社やお店に関する情報を見るチャネル」として最も多くの回答が集まったのは「LINE」で41.3%(前回比マイナス16.2ポイント)でした。続く2位は「メールマガジン」(前回比マイナス8.8ポイント)と「X(旧Twitter)」(前回比マイナス1.0ポイント)でした。

上位3つの回答率は前回に比べて低下していますが、Instagramはプラス0.3ポイント、YouTubeはプラス4.0ポイント、TikTokはプラス2.7ポイントと、前回より上昇したSNSチャネルもありました。この結果から、LINEやメールマガジンといったプッシュ型メディアの比率が下がる一方で、能動的に情報を探せるSNS、特に動画コンテンツ系のチャネルが伸びていることが分かります。

年代別の結果では、20代から30代はX(旧Twitter)での情報収集が最も多く、40代はLINE、50代から60代はメールマガジンが最も多い結果となりました。「特にない」と回答した方は50代から60代が比較的多く、若い世代ほど複数のメディアを情報収集チャネルとして活用している傾向が見られました。

さらに男女別に見ると、メールマガジンやLINEは大きな差が見られなかった一方で、XやYouTubeは男性が比較的多く、Instagramは女性の方が多く活用している結果となりました。
購買行動への影響について
「会社やお店に関する情報を見ることがある」と回答したメディアについて、「実際に商品やサービスを購入したり、お店や施設・イベントの予約をするきっかけとなることがあるか」について質問をしたところ、いずれのチャネルにおいても、約8割から9割が商品の購入やお店の予約のきっかけになると回答をしました。メールマガジンやLINE、SNSなどは、単なる情報収集にとどまらず、購買行動にもつながりやすい接点であることが分かります。

出典元:株式会社ベンチマークジャパン プレスリリース












