
NSSスマートコンサルティング株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:安藤栄祐)は、業務において生成AIを1年以上使用している会社員を対象として、「業務での生成AI活用におけるツールの使い分けと依存度」に関する実態調査を実施しました。
昨年1月に実施された「業務でのChatGPTの活用実態と信用度」に関する調査実施から約1年が経過しました。この期間において、生成AI市場は急激な変化を遂げており、ChatGPTをはじめ、Gemini(Google)やMicrosoft Copilot、Claudeといった多様な生成AIモデルがビジネスの現場に広く普及しています。
生成AIツールの選択肢が拡大している現状において、実際に業務で利用しているユーザーはどのような基準でツールを選び、どう使い分けているのでしょうか。また、活用シーンが増加する中で、生成AIはどの程度「不可欠な存在」として認識されているのでしょうか。
そこで今回、同社は、業務で生成AIを1年以上活用している会社員を対象に、「業務での生成AI活用におけるツールの使い分けと依存度」に関する調査を実施しました。
調査概要:「業務での生成AI活用におけるツールの使い分けと依存度」に関する調査
【調査期間】2026年2月10日(火)~2026年2月12日(木)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,000人
【調査対象】調査回答時に業務で生成AIを1年以上活用している会社員と回答したモニター
【調査元】NSSスマートコンサルティング株式会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
この記事の目次
利用頻度は前年比1.5倍に増加 「週数回」から「毎日」の利用へ
まず、「生成AIを業務で活用する頻度」について質問したところ、次のような結果となりました。
『ほとんど毎日(31.6%)』
『週に3~4日程度(31.7%)』
『週に1~2日程度(24.1%)』
『月に1~2日程度(8.1%)』
『月に1日未満(4.5%)』
「ほとんど毎日」と「週に3〜4日程度」を合計すると6割以上に達しており、生成AIが日常の業務プロセスに深く組み込まれている状況が明らかとなりました。
それでは、実際に業務で生成AIを使い始めた当初、どのようなツールから利用をスタートしたのでしょうか。
「業務で生成AIの活用を始めたときに使用していたツール」について質問したところ、『ChatGPT(67.8%)』が最多となり、『Microsoft Copilot(39.0%)』『Gemini(37.3%)』が続く結果となりました。
「ChatGPT」が導入初期のツールとして圧倒的なシェアを占めていることが判明しました。また、業務環境との連携性が高い「Microsoft Copilot」や、Googleエコシステムとの統合が可能な「Gemini」も、それぞれ約4割のユーザーが利用経験を持っており、大手プラットフォーマーが提供するツールが導入初期の段階から選ばれやすい傾向が見られます。
では、現在はどのようなツールが使われているのでしょうか。

「現在、業務で活用している生成AIツール」について質問したところ、『ChatGPT(61.3%)』が最多となり、『Microsoft Copilot(40.3%)』『Gemini(35.5%)』が続きました。
依然として「ChatGPT」が高い利用率を保っているものの、導入初期と比べて「Microsoft Copilot」がわずかに数値を伸ばしている点からは、実務に適したプラットフォームの選定へと移行している動きが読み取れます。これは、Office製品との連携性やセキュリティ面を重視し、AIを「業務基盤」として組み込むユーザーが増加しているためと考えられます。
では、複数使用している生成AIツールの中でも、特に頻繁に活用しているツールはどれなのでしょうか。現在、業務で活用している生成AIを複数選択した方に質問しました。
「主に活用している生成AIツール」について質問したところ、『ChatGPT(53.5%)』が最多となり、『Gemini(24.3%)』『Microsoft Copilot(17.8%)』が続きました。
メインツールとしても「ChatGPT」が過半数の支持を集めていることが分かりました。一方で「Gemini」が「Copilot」を上回ったことから、検索エンジンの延長としての利用や、Googleワークスペースとの連携性を重視する層において、特定のツールが「日常使い」として定着しつつある状況がうかがえます。
「ChatGPTだけ」はもう過去? 複数ツールの使い分けで「業務効率・アウトプットの質が向上した」方は8割超
複数の生成AIツールをどのように使い分けているか? また使い分ける理由とは?
・文書業務用にCopilot、定型業務用にChatGPT(40代/男性/青森県)
・情報調査業務はGemini、推論はGemini、ドキュメント生成はCopilot(40代/男性/神奈川県)
・Googleメールやドキュメントなどと連携する場合にはGeniniを優先して活用しています。(50代/男性/兵庫県)
・Officeドキュメントの操作やMicrosoftSuiteの操作はCopilot、それ以外はChatGPT(50代/男性/東京都)
ユーザーは各ツールの技術的特性や、日常的に利用しているビジネスツールとの連携性に基づいて、明確な「使い分け」を実施している実態が浮き彫りとなりました。特に、ドキュメント作成やメール連携といった具体的なタスクにおいて、「Copilot」や「Gemini」を優先的に選ぶ傾向が見られました。こうした結果から、生成AIは独立したツールではなく、業務フローの一部として活用されつつあることが明らかになりました。
では、実際に複数の生成AIツールを使い分けることで、業務効率とアウトプットの質に変化は生じているのでしょうか。

活用している生成AIを複数選択した方に、「複数の生成AIツールを使い分けることで、業務効率とアウトプットの質の変化」について質問したところ、以下のような結果となりました。
■業務効率化
向上した(82.2%)
悪くなった(2.6%)
変化なし(15.2%)
■アウトプットの質
向上した(79.5%)
悪くなった(3.5%)
変化なし(17.0%)
8割以上が業務効率の向上を実感しており、アウトプットの質についても同様の傾向が確認されました。一方で『悪くなった』との回答はごくわずかであり、複数のツールを使い分けることが実務の成果に直結していることが分かります。
各ツールの強みを理解し、タスクごとに最適なAIを選択する「適材適所」の活用が、作業スピードの向上とクオリティの向上を同時に実現しており、この結果から、今後は目的や用途に応じて生成AIを使い分ける運用スキルが、ビジネスパーソンの生産性を左右する重要な要素になると考えられます。
もはや業務に必須 生成AIへの「依存度」が高まっている方は約7割にのぼる
では、業務効率やアウトプットの変化が見られる中で、生成AIが業務にどの程度必要不可欠な存在になっているのでしょうか。

「業務で生成AIを活用することに、心理的にどの程度依存していると感じるか」について質問したところ、約7割が『非常に依存している(20.0%)』『やや依存している(47.1%)』と回答しました。
業務遂行においてAIへの依存を自覚している現状が明らかになりました。これはAIの有用性が高いことの裏返しでもありますが、同時に「AIなしでは業務が回らない」という状態に陥りつつある可能性もうかがえます。AIが業務プロセスの根幹に組み込まれているからこそ、システム障害時や利用制限がかかった際のリスク管理が、これまで以上に重要になってくるといえるでしょう。
では、生成AIが業務に欠かせないものになりつつある中で、不安に感じていることはあるのでしょうか。生成AIを活用することに「依存している」と回答した方に質問しました。
「業務での生成AIへの依存度が高まることに対して、不安を感じるか」について質問したところ、約6割以上が『非常に不安を感じる(13.4%)』『やや不安を感じる(48.0%)』と回答しました。
6割以上が「不安を感じる」と回答しました。この結果から、生成AIが単なる「便利なツール」の域を超え、業務遂行に必要不可欠な基盤として定着しつつある実態がうかがえます。
便利さの裏にある不安 「スキル低下」や「情報の信頼性」を危惧する声も
では、実際に業務で生成AIの活用が進む中で問題になる点や不安なことはあるのでしょうか。

「業務で生成AIを活用して問題になっていることや不安」について質問したところ、『生成AIに頼りすぎてしまい、自分やチームのスキルが低下したと感じる(37.0%)』が最多となり、『情報の正確性がわからず、結果的に手間が増えた(28.9%)』『情報漏洩のリスクを感じるようになった(22.4%)』が続きました。
最も多くの回答を集めたのが「スキルの低下」であり、前問で見られた不安の正体が具体化されました。思考や作業のアウトソーシングが進むことで、基礎的な能力が失われることへの懸念が現場で現実のものとなりつつあるようです。また、情報の精査やセキュリティリスク、不明確な社内ルールといったガバナンスに関連する課題も上位に挙がっており、個人のリテラシーだけでは解決できない組織的な課題がうかがえます。
では、業務での生成AI活用において、企業の利用ルールやガイドラインなどのガバナンス体制はどの程度重要だと考えられているのでしょうか。
「業務での生成AI活用において、企業での利用ルールやガイドラインなどの『ガバナンス体制』の整備は重要」について質問したところ、約9割が『非常に重要だと思う(35.5%)』『ある程度重要だと思う(55.6%)』と回答しました。
大多数が、企業のガバナンス体制の強化は「重要」と回答しました。多くのビジネスパーソンが不安やリスクを抱えながらAIを活用している現状において、明確なルールやガイドラインが「安全装置」として機能することを切実に求めている実態がうかがえます。組織としての指針が整備されることは、単なる制約ではなく、むしろ社員が安心してAIを使いこなし、最大限のパフォーマンスを発揮するための必要不可欠な土台となるでしょう。
まとめ 企業に求められるのは形だけのルールではなく、実効性のあるガバナンス体制
今回の調査により、業務で生成AIを活用している方の多くが、「ChatGPT」をはじめとする複数のツールを使い分け、業務効率や質の向上を実感している実態が明らかとなりました。特定のツールに頼らず、用途に応じてAIを組み合わせる運用スキルが、ビジネスパーソンの生産性を左右する重要な要素となっているようです。
一方で、AIへの依存度が高まるにつれて、利用者の心理的な不安も増大していることが判明しました。特に「自分やチームのスキル低下」を懸念する声が最も多く、AIに業務を委ねることによる能力喪失への危機感が、現場レベルで深刻化している様子がうかがえます。また、情報の正確性や情報漏洩リスク、不明確な社内ルールといった課題も浮き彫りとなり、個人の判断だけでは対処しきれない問題に直面していることも示されました。
こうした背景からか、9割以上の会社員が企業による「ガバナンス体制」の整備を重要視しています。現場は、単に自由な利用を求めているのではなく、明確なルールと安全策に基づいた運用を望んでいるといえます。AIの進化スピードに対応できていない古い社内ルールや、黙認されているシャドーIT(許可されていないツールの利用)の存在は、企業にとって重大なセキュリティリスクとなり得ます。
今後、企業が持続的にAI活用を推進していくためには、ツールの導入だけでなく、ISO規格などの国際基準に準拠した情報セキュリティ体制の構築や、時代に即したガイドラインの策定が必要不可欠です。従業員が安心してAIを活用し、かつ個人のスキルアップとも両立できるような環境づくりが、企業の競争力を左右することになるでしょう。

今回、「業務での生成AI活用におけるツールの使い分けと依存度」に関する調査を実施したNSSスマートコンサルティング株式会社は、各種ISOの新規取得・運用サポートサイト『ISOプロ』を運営しています。
AIマネジメントシステムに関する国際規格「ISO42001」は、世界初となるAIマネジメントシステム(AIMS)に関する国際規格です。「ISO42001」は、AI開発企業だけでなくAIシステムを利用する企業も認証が受けられます。
AIの開発やサービスの提供、日常的な利用が急速に進み、誰でも簡単にAIを利用できる一方で、透明性や信頼性、継続学習などのAI特有の問題や倫理的な問題などによるさまざまな課題も取り上げられています。その結果、安全・安心なAIシステムの開発や提供、利用が求められるようになったことで、マネジメントシステムのニーズも高まりました。こうしたニーズに応えるため、ISO42001が発行される運びとなったのです。
ISOプロは、ISO審査員資格保有者やISO構築コンサルタント経験者が多く所属するISOの専門家集団です。当サイトで発信する情報を通じ、サイト利用者様がISOの構築や運用などISOに関わる業務を円滑に進め、事業の成長につながるよう信頼できる情報発信を提供しています。
■会社概要
会社名:NSSスマートコンサルティング株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー21階
代表者:安藤栄祐
事業内容:ISOコンサルティング事業、労務コンサルティング事業、オフィスサポート事業
※本記事は、NSSスマートコンサルティング株式会社のプレスリリース(PR TIMES)を基に作成しています。












