Google(グーグル)、2025年第4四半期決算発表:Geminiを軸に検索・広告・クラウドが同時に進化

Alphabet(Googleの持株会社)は、2025年第4四半期および2025年通期決算を発表しました。通期売上高は4,028億ドル(前年同期比+15%)と、初めて4,000億ドルを突破しています。

第4四半期の売上高は1,138億ドル(同+18%)、純利益は345億ドル(同+30%)と、主要事業がそろって拡大しました。検索広告は17%増、YouTubeは広告とサブスクリプションの合計で年間600億ドルを超え、Google Cloudも前年同期比48%増と高成長を維持しています。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

検索:AI検索への移行下でも広告売上は17%増と成長を維持

検索広告を含む「Search and Other」の売上高は、前年同期比17%増となりました。検索は引き続き同社における最大の収益源であり、生成AIの導入が進む中でも広告収益は堅調に成長しています。第4四半期には検索の利用回数が過去最高を記録しており、検索需要そのものが拡大している状況が示されていました。

AI Overviews・AI Modeの展開で検索体験が変化

検索領域では、生成AI「Gemini」を活用したAI OverviewsやAI Modeといった新しい検索体験の提供が進んでいます。検索結果ページ上でAIによる要約や対話的な回答が提示されるようになり、検索体験そのものが変化しています。米国では、AI Modeを利用するユーザーにおいて、1日あたりの検索回数が導入後に増加していることが示されました。AIを介した検索体験が、検索利用の拡大につながっている点がうかがえます。

長文化・対話化する検索クエリ

AIの導入により、検索クエリの内容にも変化が見られています。AI Modeにおける検索クエリは、従来の検索と比べて文字数が約3倍に増加しており、より具体的で複雑な検索が増えているとされています。また、検索が単発で完結せず、追加の質問につながる対話的な利用が増加している点も特徴です。音声や画像を用いた検索も拡大しており、AI Modeにおける検索のうち、約6件に1件が非テキスト検索となっています。

検索体験の変化に合わせ、広告配信のAI活用も進展

検索体験の変化と並行して、広告配信におけるAI活用も進められています。Geminiを用いた検索意図の理解により、長文や複雑な検索クエリに対しても広告配信が可能に。これまで広告とのマッチングが難しかった検索にも対応できるようになり、AI検索への移行が進む中でも、検索広告の成長を支える構造が維持されていることがわかります。

YouTube:広告とサブスクリプションの両輪で年間600億ドル超へ

YouTubeは、広告とサブスクリプションの双方が成長し、2025年通期で広告・サブスクリプション合計の年間売上が600億ドルを超えました。同社において、引き続き成長ドライバーの一つとして位置付けられています。

YouTube広告は前年同期比9%増、ダイレクトレスポンス広告が牽引

YouTube広告売上は前年同期比9%増となりました。広告収益は、主にダイレクトレスポンス広告の成長によって支えられています。一方で、前年同期に実施された米国大統領選挙に関連する広告出稿の反動があり、ブランド広告の伸びには一部影響が見られました。それでも通期で見ると、YouTube広告は安定した成長を維持しており、同社の広告事業の中で重要な位置を占めています。

サブスクリプション事業が拡大、Music・Premiumが成長を牽引

YouTubeでは広告に加え、サブスクリプション事業の拡大が続いています。YouTube MusicおよびYouTube Premiumを中心に加入者数が増加し、サブスクリプション収益の成長が全体を押し上げました。また、YouTube TVについても新たな料金プランの投入が予定されており、サブスクリプション事業の裾野拡大が進められています。

リビングルーム視聴とShortsが利用拡大

視聴行動の面では、テレビを中心とした「リビングルーム」での視聴が引き続き拡大しています。YouTubeは米国において、リビングルーム向けストリーミングサービスで高い利用実績を維持しているとのことです。Shortsについても利用が拡大しており、1日あたりの視聴回数は引き続き高水準で推移しています。一部地域では、Shortsが従来のインストリーム広告と比較して、視聴時間あたりの収益性で上回るケースもあるようです。

AI活用によるクリエイター・視聴体験の進化

YouTubeでは、生成AIを活用した機能の導入も進められています。2025年12月時点で、1日あたり100万以上のチャンネルがAIを活用した制作支援ツールを利用していることが明らかにされました。また、視聴者向けにもGeminiを活用したコンテンツ理解支援機能が提供されており、クリエイターと視聴者の双方に向けた体験の拡張が進んでいます。

Google Cloud:AI需要を背景に48%増、成長が加速

Google Cloudは、生成AI関連需要の拡大を背景に、第4四半期も高い成長率を維持しました。売上高は176億ドル、前年同期比48%増と大幅な伸びを記録しています。通期でも高成長を継続しており、同社の中で存在感を強める事業となっています。

企業向けAI需要がクラウド成長を牽引

Google Cloudの成長を牽引しているのは、企業によるAI活用需要です。インフラ、プラットフォーム、アプリケーションを含むCloud全体で、生成AIを活用したサービスへの需要が引き続き強いことが示されました。特に、生成AIモデル「Gemini」を活用したプロダクト群の利用が拡大しており、第4四半期には生成AI関連プロダクトの売上が前年同期比で大きく伸長しています。

大型契約の増加と既存顧客の利用拡大

顧客動向を見ると、新規顧客の獲得に加え、既存顧客による利用拡大が進んでいる点が特徴です。2025年には、年間契約額が10億ドルを超える大型契約の件数が、過去数年分を上回ったとされています。また、既存顧客が当初の契約規模を超えて利用を拡大するケースも増えており、Cloud事業の継続的な成長を下支えしています。

Geminiを組み込んだAI基盤の利用が拡大

Google Cloudでは、インフラからAIモデル、アプリケーションまでを一体で提供するAI基盤の利用が広がっています。第4四半期時点で、多くのCloud顧客が何らかの形でAI関連サービスを利用しており、Geminiをはじめとする生成AIモデルが企業システムに組み込まれているとのことです。API経由で処理されるトークン数も増加しており、Cloud上でのAIワークロードが拡大していることが確認されています。

収益性も改善、営業利益は大幅増

成長と並行して、収益性の改善も進んでいます。第4四半期のGoogle Cloudの営業利益は53億ドルとなり、前年同期から大きく増加しました。営業利益率も前年同期を上回り、Cloud事業が売上成長と利益貢献の両面で拡大するフェーズに入っていることがわかります。

Gemini:検索・広告・クラウドを横断するAI基盤が存在感を強める

第4四半期決算では、生成AI「Gemini」が単独のプロダクトではなく、主要事業を横断する共通基盤として機能している点が明確に示されました。Geminiは、検索、広告、YouTube、Google Cloudといった複数のサービスに組み込まれ、事業全体を支える役割を担っています。

毎分100億トークン超を処理、AI利用規模が拡大

第4四半期時点で、Geminiを含む自社AIモデルは、直接API利用を通じて毎分100億トークン以上を処理しています。企業・個人の双方でAI利用が拡大しており、AIが日常的な業務やサービス利用の中に組み込まれている状況です。このトークン処理量の増加は、検索やクラウドといった既存事業へのAI組み込みが進んでいることを裏付ける指標の一つとされています。

検索・広告領域への組み込みが進展

検索分野では、GeminiがAI OverviewsやAI Modeの基盤として活用され、検索結果の生成や対話的な回答の提供を支えています。これにより、長文かつ複雑な検索クエリへの対応が進んでいる点が紹介されました。広告領域においても、Geminiは検索意図の理解や広告配信の最適化に活用されています。従来は対応が難しかった検索クエリに対しても広告配信が可能となり、検索広告の成長を支える仕組みとして機能しています。

Google Cloudを通じた企業利用が拡大

Google Cloudでは、Geminiを組み込んだAI基盤が企業向けに提供されています。第4四半期には、生成AI関連プロダクトの利用が拡大し、Cloud上で処理されるAIワークロードやトークン量が増加しました。Geminiを利用する企業が、インフラ、データ分析、アプリケーションなど複数のCloudサービスを併用する傾向があるとのこと。AI基盤を前提とした業務システムの構築が進んでいる状況がうかがえます。

コンシューマー向けでも利用が拡大

コンシューマー向けでは、Gemini Appの月間アクティブユーザー数が7億5,000万人を超えたことが明らかにされました。検索やYouTube、Android端末など、既存サービスと連動する形で利用が広がっています。

こうした点から、Geminiは単体の生成AIサービスという位置づけではなく、主要事業を横断する共通AI基盤として存在感を強めていることが確認できます。

まとめ:AIを軸に、検索・動画・クラウドの成長が同時進行

今回の決算からは、AI活用が新規事業として独立するのではなく、既存の検索・広告・動画・クラウドの収益基盤そのものに組み込まれ、構造的な変化をもたらしていることが読み取れます。

検索は対話型へと拡張し、広告は長文化・複雑化する検索意図に対応する形で高度化。YouTubeは視聴行動の変化とサブスクリプション拡大を背景に収益の多層化が進み、CloudはAI需要を背景に売上と営業利益の双方で拡大を続けています。

生成AI「Gemini」は単体のプロダクトではなく、これらを横断する共通基盤として機能しています。今回の決算は、AIが付加機能ではなく、Alphabetの主要事業の前提条件となりつつあることを示す内容でした。

AI検索の拡大は、購買行動の入口である検索体験の再設計を意味します。検索の対話化やクエリの長文化が進む中、事業者にとっては、従来のキーワード設計や広告運用に加え、AIに正確に理解される情報設計がより重要になる局面に入っていることがうかがえます。

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