
株式会社博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は、20歳から69歳までの男女1,500名を対象として「来月の消費意欲」の点数化を含む消費の先行きに関する調査を毎月実施しています。この調査結果は「来月の消費予報」として定期的に公開されており、今回は2026年1月分の調査結果が発表されました。
なお、今回の調査は12月1日から4日にかけて実施されています。
調査の結果、2026年1月の消費意欲指数は48.1点となりました。前月との比較では-4.8ポイントと大幅に低下しており、前年同月との比較でも-1.7ポイント低下しています。
引き締め意識の影響により消費意欲は前月比で大幅に減少、ブラックフライデーの影響も
1月はクリスマスや年末が終了した時期であり、例年消費意欲指数が低下する傾向にあります。今年についても前月比較で-4.8ポイントと大幅な低下を記録し、前年比較においても-1.7ポイント低下しています。
消費意欲指数についての理由を自由回答で確認したところ、前月と比較して、消費にポジティブな回答は12月の597件から1月の448件へと大幅に減少する一方、ネガティブな回答は12月の694件から1月の819件へと大幅に増加しました。
具体的にポジティブな回答を見ると、「セールがある・安売り・福袋」に関する回答は12月の42件から1月の135件へと大幅に増加しています。しかしその一方で、「(クリスマス・年末年始など)季節的な意欲向上」は12月の313件から1月の149件へと大きく減少し、「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある」という回答も12月の79件から1月の26件へと減少しています。
ネガティブな回答においては、「今月までに多く使ったのでセーブ」が12月の46件から1月の105件へ増加し、「欲しいものがない・意欲がない」が12月の305件から1月の380件へと増加しました。
前年との比較を見ると、消費にポジティブな回答は2025年1月の438件から2026年1月の448件へ、ネガティブな回答は2025年1月の819件から2026年1月の819件へと、いずれも横ばいとなっています。具体的には、ポジティブな回答において「セールがある・安売り・福袋」が2025年1月の94件から2026年1月の135件へ増加し、「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある」が2025年1月の50件から2026年1月の26件へ減少しています。ネガティブな回答では「欲しいものがない・意欲がない」が2025年1月の351件から2026年1月の380件へ増加しています。
また、「物価高・値上げ・円安」に関する回答は、前月比較、前年比較ともに減少しており、直近1年間で最低値を記録しました(2025年1月91件→2025年12月91件→2026年1月76件)。
初売りや福袋などへの期待感はあるものの、欲しいものがないという意見が高まっている状況です。そのため、クリスマスや年末の反動に加えて、ブラックフライデーなどのセール期間が前倒しで実施されたことにより、前月と比較して控えめな消費意欲になることが予想されます。
消費意向は食品・衣料関連など多数のカテゴリーで前月比減少
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」と回答した人の割合は30.1%となり、前月比較で-7.8ポイントと大幅に低下し、前年比較でも-0.8ポイントとやや低下しました。
16カテゴリー別に消費意向を確認すると、前月比較では「食品」「外食」「ファッション」など、10カテゴリーで20件以上の減少が見られています。前年比較では「旅行」「日用品」「飲料」「化粧品」が20件以上減少しました。
年末に意向が高まった食品やファッションを中心として、例年通り、前月と比較して多くのカテゴリーで消費意向が落ち着く月になることが見込まれます。
出典元:株式会社博報堂 博報堂生活総合研究所 プレスリリース












