
廃棄直前商品を最大無料で販売するサブスクサービス「トクポチ」を運営する株式会社STRKが、世界の食品廃棄の現状に関する調査結果と、トクポチの取り組み実績について発表しました。
この記事の目次
世界で生産された食品のうち40%が廃棄されている深刻な現状

世界で栽培・生産されている全食品のうち、約40パーセントに相当する25億トン(t)もの食品が年間で廃棄されているという調査結果が明らかになっています。この調査は、WWF(世界自然保護基金)と英国の小売り大手テスコが2021年7月に発表した報告書によるものです。本来食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品は「食品ロス」と呼ばれ、環境への悪影響が懸念されるなど、世界的に深刻な問題となっています。
日本における食品ロスの実態と課題
日本においても食品ロスの量は非常に多く、農林水産省の発表によれば年間522万トンに達しています。この食品ロスの内訳は、一般家庭から発生する「家庭系」と、小売店の売れ残りや飲食店の食べ残しなどによる「事業系」が大半を占めています。
このような膨大な食品ロス量は、日本国民全員が毎日茶碗1杯分のご飯を廃棄しているのと同等の量であり、資源の無駄遣いという観点からも大きな社会問題となっています。特に近年は、環境意識の高まりや持続可能な社会への関心が増加する中で、食品ロス削減は重要な課題として認識されています。
フードロス削減に挑む「トクポチ」の取り組みと実績
トクポチの革新的なビジネスモデル

「トクポチ」は、本来であれば廃棄されてしまうはずの食品を格安価格で販売する会員制の通販サイトです。同サービスの最大の特徴は、その独自の価格設定システムにあります。全商品が定価の50%OFFから販売を開始し、1ヶ月ごとに割引率が10%ずつ上昇していく仕組みを採用しています。これにより、最終的には商品を無料で入手することも可能となっています。
この革新的なシステムによって、消費者は大幅に割引された価格で商品を購入できるメリットを得ながら、同時に食品廃棄の削減にも貢献できるという、個人的な経済的メリットと社会貢献を両立させることができます。
急成長する会員数と支持層
トクポチの会員数は現在、累計で37,465人を突破しています。特に取り扱う商品点数が徐々に増加したことも影響し、30代から50代の女性を中心に幅広い支持を集めています。これは、日常生活に役立つお得な買い物という経済的メリットと、フードロス削減という社会的貢献の両方を実現できるトクポチのサービス理念が、多くの消費者の共感を呼んでいる結果といえるでしょう。
特にコストパフォーマンスを重視しながらも環境問題に関心を持つ層からの支持が強く、持続可能な消費行動を実践したいと考える消費者にとって魅力的なプラットフォームとなっています。
具体的なフードロス削減効果
トクポチのフードロス削減実績は非常に顕著で、これまでに累計241トン(t)もの食品を廃棄から救出することに成功しています。この量は、象約40頭分に匹敵する重量であり、食品廃棄問題における具体的な成果として注目されています。
また、通常価格よりも大幅に割引された価格で提供されることで、消費者にとっての経済的なメリットも大きく、環境負荷の低減に貢献しながら家計の節約にもつながる取り組みとなっています。会員からは「安く手に入る上に、無駄を減らせる点が魅力」といった声も多く寄せられており、フードロス削減への積極的な支持が広がっていることがうかがえます。
株式会社STRK代表取締役 我時朗(がじろう)氏の挑戦
サービス開始3年でフードロス削減に成功し、サブスク大賞(テモナ賞)受賞

幼少期の極貧生活がもたらした使命感
トクポチを運営する株式会社STRK代表取締役の我時朗氏は、特異な幼少期を過ごしてきました。両親がボランティア活動を職業としていた家庭環境で育ち、収入がほとんどない極貧生活を経験してきたそうです。当時の食事には、どのおかずを食べるならどれだけのお米を食べなければならないかなど、独自のルールが設けられており、幼い頃から「食べられることのありがたみ」を深く体感する生活を送ってきたとのことです。
この幼少期の経験が、現在の我時氏のフードロス削減に対する強い情熱と使命感の原点となっています。自身が経験した食の大切さを社会全体に広めたいという思いが、トクポチの事業理念に強く反映されているようです。
2500人の会員数が20人に激減した危機
トクポチのサービス開始から現在までの約4年間、順風満帆だったわけではないようです。我時氏によれば、サービスの運営においてさまざまな苦労があったといいます。特に大きな危機として、かつては2500人いた会員数が20人にまで激減した時期があったと明かしています。
これほどまでに会員数が急減した原因の一つとして、当時「毎週値引き」を実施していたことが挙げられます。頻繁な値引きによって、お客様に疲労感を与えてしまい、トクポチが本来持つ価値や理念が十分に伝わっていなかったようです。
危機を乗り越えたV字回復の戦略
この危機を乗り越えるため、我時氏は価格戦略を見直し、「毎週値引き」から「毎月値引き」へと変更しました。この施策により、価格変動のタイミングが適切になり、顧客に与える価値がより明確に伝わるようになったことで、会員数は回復へと向かい始めたといいます。
この経験は、単なる価格競争ではなく、サービスの本質的な価値を伝えることの重要性を改めて教えてくれたものだったようです。顧客との長期的な関係構築を重視する姿勢への転換が、サービスの持続的な成長につながったと考えられます。
サブスク大賞(テモナ賞)受賞の栄誉
こうした困難を乗り越え、サービス開始から2年という早い段階で、トクポチは「日本サブスクリプションビジネス大賞」において「テモナ賞」を受賞しています。この賞は、一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会が主催する大会で、スポンサーであるテモナ株式会社が選定する特別賞です。サブスクリプション(定額制)サービスの中でも特に優れた取り組みを評価し、表彰するもので、2022年にトクポチが受賞の栄誉に輝きました。
我時氏は「今後も多くの方と共にこの取り組みを拡大し、食品廃棄を減らすだけでなく、豊かな未来へ向けた一歩を共に踏み出したい」と意気込みを語っています。
2030年に会員数1,000万人という野心的な目標
トクポチは今後の展望として、2030年までに会員数を1,000万人にまで拡大するという野心的な目標を掲げています。日本が年間に廃棄している「食べられるのに捨てられている食品」は非常に多く、トクポチの仕組みをさらに広げることで、日本国民の食品ロスに対する意識変革を促し、フードロスそのものがなくなる世界の創出を目指しているとのことです。
我時氏は、このビジョンの実現に向けて、消費者の行動変容を促進するだけでなく、食品業界全体の慣行や流通システムの見直しにも取り組むことで、より大きな社会的インパクトを生み出す計画を持っているようです。
出典元:株式会社STRK プレスリリース













