オークファン、生成AI連携で700億件の商品相場データ提供する「MCPサーバー」を12月公開予定

株式会社オークファン(本社:東京都品川区、代表取締役:武永修一)が、生成AIと連携して正確な相場データを提供するための新たな取り組みを発表したことがわかりました。同社が運営する相場検索サイト「aucfan.com」のMCP(Model Context Protocol)サーバーを今年12月に公開する予定とのことです。

この新しいサービスにより、ChatGPTやClaudeなどの主要な生成AIから、オークファンが20年以上かけて蓄積してきた700億件を超える商品売買データに直接アクセスすることが可能になります。これによって生成AIによる価格査定や市場分析の精度が大幅に向上し、実データに基づいた正確な情報提供が実現されるとのことです。

MCPサーバー公開の背景

近年の生成AI技術の急速な普及に伴い、商品の価格査定やマーケットリサーチをAIに依頼するケースが増加しています。しかしながら、これまでの生成AIは学習データの制約から、推測や不完全な情報に基づいた回答を提供することが多く、出力結果の正確性や信頼性に大きな課題があったとされています。

特に価格情報のような日々変動するデータについては、生成AIだけでは最新の市場動向を反映した回答を得ることが難しい状況でした。この課題を解決するために、オークファンでは同社が保有する膨大な商品売買データをMCPサーバー経由で提供する取り組みを開始するとのことです。

MCPとは、生成AIが外部データソースに安全にアクセスするための新しいプロトコルです。このMCPサーバーを通じて、生成AIが実際の取引データに基づく回答を行える環境が構築されます。これにより、AIによる価格分析、市場調査、トレンド分析が、より現実的で信頼性の高いものへと進化することが期待されています。

主な特徴と活用シーン

1. ChatGPTやClaudeから直接アクセス可能

ユーザーが普段利用している生成AIに「iPhone13の最近の落札価格は?」といった質問を投げかけるだけで、オークファンのデータベースから最新の実売データを取得できるようになります。特別なアプリケーションやウェブサイトへの移動なしに、日常的に使用しているチャットインターフェースから直接相場情報にアクセスできる利便性が提供されるとのことです。

2. 日本語で査定・リサーチが完結

専門的な知識やシステム操作のスキルは不要です。「この商品はいくらで売れる?」「最近の人気ブランドは?」といった自然な日本語での問いかけに対して、AIが即座に関連データを分析し、最適な相場情報を回答します。これにより、誰でも簡単に専門的な市場分析が可能になるとしています。

3. 信頼性の高いデータ連携

AIが提供する出力内容はすべてオークファンのデータベースに基づいているため、生成AI単独での出力と比較して、はるかに高い精度と再現性を実現するとのことです。リアルタイムの市場データに基づく回答が可能になるため、意思決定の質が向上すると説明しています。

このようなMCPサーバーの導入により、様々なビジネスシーンでの活用が期待されています。主な活用シーンとしては以下が挙げられています。

  • EC事業者の商品仕入れ判断・価格設定に活用
  • リユース企業の査定業務・在庫回転率改善に貢献
  • 業務の自動化・効率化の推進に寄与

特に価格調査や在庫管理の効率化を図りたいEC事業者やリユース関連企業にとって、大きなメリットのある機能となっています。オークファンによれば、本機能のリリースは2025年12月を予定しているとのことです。

具体的な利用例

MCPサーバーの実用的な活用例をいくつか紹介します。

価格査定の高速化と精度向上

リユースショップのスタッフが持ち込まれた商品の買取価格を決める際、ChatGPTに「このSONYのヘッドフォンWH-1000XM4の適正買取価格は?」と質問するだけで、過去30日間の実取引データに基づいた正確な価格レンジが即座に表示されます。これにより査定プロセスが迅速化され、適正価格での取引が可能になるとしています。

市場トレンドの把握

ECショップの運営者がClaudeに「今月最も需要が増加している家電カテゴリーは?」と質問することで、直近のオークション・フリマサイトでの取引データから、人気急上昇中のカテゴリーや商品を即座に把握できます。これにより在庫戦略の最適化が可能になるとのことです。

セール戦略の立案

販売担当者が「競合他社の同等商品と比較して最適な値下げ幅は?」と質問することで、類似商品の価格帯や販売動向を分析し、最も効果的なセール価格の設定が可能になると説明しています。

今後の展開

オークファンは、生成AI時代における「データの信頼性」を重要視し、MCPを通じた安全で正確なデータ流通基盤の構築を積極的に進めていく方針を示しています。今後も、市場に登場するあらゆる生成AIサービスとシームレスに連携し、企業や個人の意思決定を支える確かなデータインフラを提供していくとしています。

また同社は、この取り組みを通じて、生成AIの出力における「幻覚」と呼ばれる事実と異なる情報の生成問題に対する解決策の一つを提示するとともに、実データに基づいた信頼性の高いAI活用の可能性を広げていきたいと述べています。

株式会社オークファン 会社概要

会社名 株式会社オークファン
代表者 代表取締役 武永 修一
設立 2007年6月
資本金 9億7,368万円 (2024年9月末現在)
従業員 186名 (2024年9月末現在 ※連結)
所在地 〒141-0001 東京都品川区北品川5-1-18 住友不動産大崎ツインビル東館7F

出典元:株式会社オークファン プレスリリース

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