
TOPPANグループの株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)が運営する国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」のレポーティングサービス「ビジットトラッキング(旧名称)」が、10月より「Shufoo!ビジトラ」に名称変更されたことが発表されました。さらに、チラシ配信効果を最大限に引き出し、数値に基づいた効果的な店舗運営を実現するため、「ROAS(広告費用対効果)ファネル」「再来店分析」「配信商圏分析」の3つの新しいレポート項目が追加されたとのことです。
この記事の目次
サービス提供の背景
Shufoo!は2001年8月のサービス開始以来、消費者に向けて買い物情報であるチラシを提供してきました。同時に、全国の小売業をはじめとする様々な業態の企業に対しても、販促情報の発信と共に、チラシや広告を閲覧したユーザーが実際に来店・購買したかどうかの分析を行ってきたとのことです。
チラシの閲覧数と来店計測データによって電子チラシの費用対効果が可視化できるようになった一方で、顧客企業からは「実施した施策の効果分析だけでなく、次回の施策改善につながる分析結果が欲しい」という要望が多く寄せられていたと同社は説明しています。
このような背景から、2024年10月に新たな来店可視化レポーティングサービス「ビジットトラッキング」の提供を開始されました。これまでのShufoo!ユーザー内でのチラシ閲覧者の来店計測に加え、「どのようなチラシ(広告)によって」「どのようなユーザーが」「新規・継続的に」店舗を訪れているのかを分析できるようになったとのことです。
また、今年2月には来店前のチラシ閲覧者の属性とチラシを見て実際に来店した顧客属性をそれぞれ分析できる機能の提供が開始されました。今回のアップデートでは、さらに進化を遂げ、Shufoo!を利用した販促施策におけるKPI変動の視覚化や改善項目の深掘り分析機能の拡張、来店増加が期待できるエリアを特定する機能が追加されています。これにより、販促業務の改善をより幅広く、効果的に進められるようになったと発表されています。
「Shufoo!ビジトラ」に追加された新機能について
今回追加された機能は、広告費用対効果を測定する「ROASファネル」、再来店状況や新規集客の指標となる「再来店分析」、そして集客につながるエリアを特定する「配信商圏分析」の3つです。
「ROASファネル」では、広告費用対効果「ROAS(Return On Advertising Spend)」を構成する各KPIの変動を細かく確認できるため、項目ごとに適切な改善案を導き出すことが容易になるとされています。
「再来店分析」では、Shufoo!で配信しているチラシをきっかけに継続的に来店しているユーザーの可視化が可能となったとのことです。
「配信商圏分析」においては、チラシを配信することでより多くの来店につながるエリアを特定することができ、ユーザーの来店数増加を期待できるとしています。
それぞれの機能の詳細は以下の通りです。
(1)ROASファネル
Shufoo!におけるROAS(広告費用対効果)を構成する「閲覧」「来店」「再来店」など、顧客の行動を複数の段階に分け、各KPIの変動を一覧で確認できるようになりました。Shufoo!でのチラシ掲載における認知拡大や閲覧数に加え、来店者数や来店回数を含めた指標を基にROASを算出するとのことです。
これにより、「チラシの閲覧率に伸びしろがある」「既存顧客は安定しているが、新規顧客へのアプローチが必要」といった具体的な検討や判断が可能になり、より効果の高い施策や改善余地のある施策を一目で把握できるようになりました。結果として、具体的な施策項目ごとに最適なアプローチ方法や改善策を導き出すことができると説明されています。

(2)再来店分析
Shufoo!に掲載したチラシをきっかけに継続的に来店しているユーザーを可視化し、短期的な数値変動に左右されることなく、中長期的な視点でユーザーの来店促進効果を正確に測定することが可能になったとのことです。
この機能により、販促計画を立てる際に、新規顧客への注力と既存顧客との関係強化のどちらを優先すべきかなど、重要な判断をデータに基づいて明確に行えるようになったと説明されています。ユーザーの来店パターンを詳細に分析することで、より効果的なマーケティング戦略の立案が可能とされています。

(3)配信商圏分析
現在Shufoo!チラシを配信している地域以外で、来店増加が期待できる地域を特定できる機能です。ユーザーの来店範囲をグラフで表示することで、地図上のマッピングによる可視化に加え、数値推移を基にした配信エリアの拡大検討が可能になったと伝えられています。
この機能を活用することで、未開拓のエリアにおける潜在顧客の発掘や、効果的なチラシ配信戦略の立案が容易になるとのことです。地域ごとの来店傾向を把握し、ターゲットとなるエリアを優先的に攻略することで、マーケティング効率の向上が期待できるとしています。

今後の展開について
「Shufoo!ビジトラ」は、顧客企業のデジタルからリアルにおける店舗集客の傾向をチラシ(広告)ごとにデータ化し、マーケティングのPDCA実現を目指して、引き続き新たな分析レポートの開発を行っているとのことです。
同社では、今後は対応業種を拡大しながら、チラシ以外の広告コンテンツを配信した際の来店可視化機能を順次リリースする予定だと説明しています。また、レシート活用型ソリューション「Shufoo!レシートキャンペーン」との連携により、販促コンテンツの閲覧から購買に至るまでの一連の顧客行動を分析できる基盤の構築も計画されているようです。
これらのサービス展開を通じて、Shufoo!は従来の電子チラシを配信するメディアサービスから、データとAIを活用した「メディア×AIマーケティングサービス」としてさらなる進化を目指しているとのことです。顧客企業のマーケティング戦略をより効果的にサポートし、消費者と企業をつなぐ価値創造に取り組んでいくことが期待されます。
「ビジットトラッキング」とは
「ビジットトラッキング」は、電子チラシサービス「Shufoo!」の1,600万人のユニークユーザーの閲覧データと、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」に蓄積されている国内外8.5億IDの人流データを活用し、店舗来店傾向を可視化したレポートです。
2021年より来店計測を継続して行っているとのことです。「Beacon Bank」に蓄積している人流ビッグデータをAI解析することで、全国の各店舗の来店計測などが可能となっています。なお、人流データは特定の個人を識別することができない個人関連情報となっているとのことです。
電子チラシサービス「Shufoo!」について
Shufoo!は、月間1,600万人(2025年10月現在、提供ASP上のアクセスを含む)が利用し、全国12万店以上が参加する国内最大級の電子チラシサービスです。日本全国のスーパーやホームセンター、家電店、ドラッグストアなどのチラシを無料でチェックできるほか、お店のおすすめ商品、タイムセール、バーゲン情報、クーポンや割引デーの情報、レシピ検索など、毎日のお買物を便利でお得にする情報が満載となっています。
スマートフォンアプリのほか、PCやタブレットなど様々な端末で利用できるサービスとなっています。2001年8月よりサービス運営を開始し、2019年4月1日より株式会社ONE COMPATHが運営しています。
株式会社ONE COMPATHについて
所在地: 東京都港区芝浦 3-19-26
設立: 1997 年 1 月 20 日
資本金: 100 百万円
代表者: 代表取締役社長 CEO 早川 礼
従業員: 134 名(2025年 4 月1日時点)
主なサービスとして、地図検索サービス「Mapion」、電子チラシサービス「Shufoo!」、ウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」、店舗情報プラットフォーム「LocalONE(ローカルワン)」などを提供しています。
この「Shufoo!ビジトラ」への名称変更と3つの新機能の追加により、小売業をはじめとする企業のマーケティング活動がより効率的かつ効果的になることが期待されます。データに基づいた戦略立案と実行が可能となり、消費者のニーズにより適切に応えるサービス展開を支援していくことでしょう。
出典元:株式会社ONE COMPATH プレスリリース