
株式会社ラクーンコマース(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和久井 岳)が運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、米ジャンルにおける仕入れ動向に関する調査レポートを発表したことがわかりました。この調査では、受注額の推移や購入店舗の分析から、2025年に入ってからの米市場の変化が明らかになっています。
特に注目すべき点は、2025年の備蓄米放出を機に非小売業種による米の仕入れが約3倍に拡大したことです。飲食業以外でも美容業や医療業など多様な業種での需要が高まり、クレーンゲーム景品やガチャガチャ、備蓄食品としての活用など、従来とは異なる用途での米の流通が急増しているとのことです。
この記事の目次
米市場の環境変化と仕入れ需要の拡大
2025年に入り、米市場は価格高騰や政府による備蓄米放出を背景に大きな注目を集めていました。特に3月以降の備蓄米放出と、6月にはコンビニ大手3社の参入、さらに農水相による相次ぐ発言があり、米の安定供給や需要の拡大は社会的な関心事となっています。
こうした市場環境の変化を受け、約47万店が登録する日本最大級の卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」においても、非小売業種による米の仕入れが大幅に拡大しています。調査結果によると、2025年3月から始まった政府の備蓄米放出、特に第3回放出(4月23日〜25日、10万トン)を契機として、これまでお米を扱わなかった業種からの注文が急増していることが明らかになっています。
購買データから見る米仕入れの変化
米ジャンルを注文した小売以外の会員数が約3倍に
スーパーデリバリーでの米ジャンル商品の仕入れは、2025年4月にピークを迎え、2024年から2025年にかけて購入店舗数は全体で2.5倍に増加したとのことです。その内訳を見ると、飲食業の購入店舗数は3.3倍と急増し、飲食業以外でも2.2倍に増加しています。これは、米の需要が従来の食品関連業種を超えて、より広い業種へと拡大していることを示しています。

仕入れ業種・用途の多様化
飲食業を除く業種で米を仕入れている店舗を調査したところ、理容・美容業(32.3%)、医療業(8.9%)、総合工事業(6.5%)と続いているそうです。これまでの米のギフト需要や、健康志向の強い美容関連サロンで玄米等を物販する動きに加えて、「景品」「サービス提供」「備蓄」といった用途の多様化が進んでいることが分かりました。

半年で110トンの米が流通
2025年1月〜7月の合計販売量は約110トンとなったとのことです。2025年の上半期には、国産ブレンド米は一部商品で注文個数が前年比8.5倍、パックご飯も約4.5倍に増加しています。仕入れ価格が2019年比で約3.4倍に上がる中、クレーンゲーム専門店、リサイクルショップ、薬局や修理業者など、従来米を扱わなかった業種にまで米の仕入れが広がっていることが報告されています。

興味深い米の販売活用事例
調査では、従来とは異なる米の活用方法を導入している企業の事例も紹介されています。
クレーンゲーム専門店:「お米がUFOキャッチャーに!?」
2025年5月末よりスーパーデリバリーを通じて米の仕入れを開始したクレーンゲーム専門店では、米高騰化を背景に、クレーンゲームの景品として米を導入しているそうです。10個パックをそのままクレーンゲーム機に設置したところ、週末のファミリー層を中心に人気を集めているとのことです。
リサイクルショップ:「ガチャガチャでパックご飯」
リサイクルショップでは、ご飯パックを1個単位に分けて、ガチャガチャの景品として提供する取り組みを行っています。2025年6月から7月にかけては数百点発注したと報告されており、ユニークな販売方法として注目を集めているようです。
薬局:「備蓄食ではなく日常食に」
薬局では、備蓄用のおすすめ商品として「アルファ化米」を店頭で販売しています。利用客は高齢者が多く、中には「災害用備蓄食としてではなく日常の食事として活用している」ケースも見られるとのことです。米高騰化やパックご飯の利便性から、備蓄だけでなく日常利用へと用途が広がりつつあることが示唆されています。
スーパーデリバリーについて
スーパーデリバリーは、メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。商品掲載数は約199万点にのぼります。メーカーにとっては、地域を超えた47万店舗への販路拡大ツールとして効果を発揮し、小売店にとっては3,200社を超える出展企業とインターネットを通して取引でき、仕入先を大幅に拡大することが可能となっています。
また、コストや手間、リスク等を解消し効率的な取引を実現するプラットフォームとして、第1回日本サービス大賞にて地方創生大臣賞を受賞しているとのことです。(数字は全て2025年7月末時点)
株式会社ラクーンコマース 会社概要
株式会社ラクーンコマース
代表者:代表取締役社長 和久井 岳
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目14番14号
設立:2018年11月
資本金:300,000千円
米価格動向に関する追加情報:
スーパーデリバリー仕入れ価格動向レポートによると、2025年1月~3月および4月~6月の期間で米の仕入れ価格の推移が確認されているとのことです。
出典元: 株式会社ラクーンコマース プレスリリース