電通デジタルとMeta、AI領域で提携開始 - Instagram動画制作効率化ワークショップなど複数のAIソリューションを展開
株式会社電通デジタル（本社：東京都港区、代表取締役社長執行役員：瀧本 恒）がMeta日本法人であるFacebook Japan合同会社とAI領域における提携を開始したことが発表されました。両社はワークショップやAIエージェントの開発・接続に共同で取り組み、提携第一弾として、Instagramの縦型動画制作プロセスを効率化する「IG AI Creative Studio」を本日より提供開始します。
また、Metaの「広告ライブラリ」掲載広告を対話形式で検索できる「広告ライブラリエージェント」も開発し、電通デジタル内での運用をスタートさせたとのことです。両社はAIを活用したマーケティング活動の高度化支援をさらに推進していくとしています。
■「IG AI Creative Studio」について
縦型動画の制作プロセスには、データ解析やターゲットユーザーのインサイト・ペルソナ設計、クリエイティブ企画立案・制作など多くの工程が必要です。これらの作業は属人化しやすく、施策立案から公開までに時間がかかるという課題がありました。
電通デジタルとMetaが共同開発した「IG AI Creative Studio」は、こうした課題を解決するワークショップです。企業担当者が監督として関わりながら、電通デジタルのクリエイティブ担当者と共に、主要な作業全てにおいて同社のマーケティングソリューションブランド「∞AI🄬（ムゲンエーアイ）」をはじめとしたAIを活用し、縦型動画を生成します。これにより、全工程の時間を大幅に短縮し、最短半日での縦型動画生成を実現するとのことです。
【「IG AI Creative Studio」による縦型動画生成の流れ】
①Instagram上のアクティブユーザーの特性や興味関心を基に区分した"トライブ"という集団で捉えて分析する「Tribe Driven Marketing for Instagram」を活用し、ターゲットとなるユーザーを詳細に分析します。
②分析されたデータをMetaのAI（Llama）に入力し、具体的なペルソナを生成。そのペルソナに最適な縦型動画クリエイティブの企画を生成AIを用いて立案します。
③生成AIを活用して、②で立案した企画内容を絵コンテとして視覚化します。
④生成AIにより、③で作成した絵コンテを動画化。最終調整を担当者が行い、完成度の高い動画コンテンツに仕上げます。
⑤②で生成したAIペルソナを活用し、事前にクリエイティブの効果を予測・評価することができます。
■「広告ライブラリエージェント」について
電通デジタルは、Metaで現在掲載されている全ての広告が閲覧できる「広告ライブラリ」において、AIとの対話形式で広告の検索が可能になる「広告ライブラリエージェント」を開発しました。このエージェントを活用することで、スピーディーに広告の検索を行うことができるようになり、AIから最適なクリエイティブバリエーションの提案を受け取ることが可能になったとのことです。
なお、この「広告ライブラリエージェント」は、企業の広告配信における支援サービスの一環として、電通デジタル内部での活用を目的としているとしています。
さらに、電通デジタルはMetaと共同で、企業のマーケティング活動のさらなる支援に向けて、以下のようなAIエージェントの開発・接続にも取り組んでいることが発表されています。
■「Meta Advanced Analytics Agent」の開発
電通デジタルと株式会社電通が共同開発した、複数のデータクリーンルーム環境での分析・運用を一元管理するシステム基盤「TOBIRAS（トビラス）」の関連AIサービスとして、Metaが提供するデータ統合基盤「Meta Advanced Analytics」のAIエージェントの開発PoCを実施しているとのことです。
このエージェントにより、FacebookおよびInstagramにおける広告接触・動画視聴・バナークリックの有無などの「Meta Advanced Analytics」内のデータを、AIとの対話を通じて分析できる環境を構築します。これにより、担当者がデータの深掘りやインサイト抽出を対話形式で行い、施策の仮説検証や改善案の検討・提案をよりスピーディーに行うことを目指しているとしています。
■「統合マーケティングAIエージェント」とMetaソリューションの接続に着手
電通デジタルを含む国内電通グループ4社（電通デジタル、電通、電通総研、イグニション・ポイント）が開発する「統合マーケティングAIエージェント」へ、Metaが保有するさまざまなソリューションの接続を予定していることが明らかになりました。Metaが保有するデータやソリューションと、国内電通グループが保有するデータやソリューション・アプリケーションをセキュアな環境下で接続することで、マーケティングプロセスの各工程における精度向上や高速化の実現を目指すとしています。
例えば、Meta広告の最適化の度合を可視化し、キャンペーン効果を高める事項を推奨する「最適化スコア」の機能を最大化する「メディア運用サポートAI」との接続のPoCを実施しているとのことです。Meta独自のスコアを活用したAIによる迅速な課題抽出や運用最適化アドバイスを基に、より精度の高いメディア運用の実現を目指しています。
■AI戦略「AI For Growth」について
AIの進化が加速する中、電通デジタルでは、国内電通グループが掲げる独自のAI戦略「AI For Growth」のもと、人間とAIの理想的な協業を目指しているとのことです。「∞AI」を中心としたAI活用によるマーケティング活動の高度化支援を推進するとともに、Metaとの連携を深め、AIソリューションを日本およびグローバル市場に展開していく方針だと発表されています。
国内電通グループは、"人間の知（=Intelligence）"と"AIの知"の掛け合わせによって、顧客や社会の成長に貢献していく独自のAI戦略「AI For Growth」を推進しています。この戦略は、AIの力を最大限に活用しながらも、人間の創造性や判断力との最適な融合を目指す取り組みです。
■補足情報
・「∞AI🄬」について：電通デジタルが展開するマーケティングソリューションブランドで、AIを活用したマーケティング活動の効率化と高度化を支援します。
・「Tribe Driven Marketing for Instagram」について：Instagram上のアクティブユーザーを"トライブ"（共通の特性や興味を持つユーザー集団）基点で分析するマーケティング手法です。2024年10月16日に国内初のサービスとして提供開始されました。
・「広告ライブラリ」について：Metaが提供するサービスで、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkで現在掲載されている全ての広告を閲覧できるプラットフォームです。
・「TOBIRAS（トビラス）」について：電通デジタルと電通が2022年8月に開発した、複数のデータクリーンルーム環境での分析・運用を一元管理するシステム基盤です。
・「最適化スコア」について：Meta広告の最適化の度合を可視化し、キャンペーン効果を高める事項を推奨する機能です。
■電通デジタルについて
電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファームです。「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに掲げ、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することであらゆるトランスフォーメーションを実現しています。
クライアント企業の事業成長パートナーとして、共に新たな価値を創造することで、経済そして社会の「変革と成長」を目指しているとのことです。AIの急速な進化に対応し、最先端のテクノロジーとクリエイティブの力を融合させた革新的なソリューションを提供することで、企業のデジタルトランスフォーメーションを総合的に支援しています。
今回のMetaとの提携は、両社の強みを活かしたAIソリューションの開発と提供により、企業のマーケティング活動の高度化と効率化を推進する重要な取り組みとなります。電通デジタルは今後も最新のAI技術を活用したソリューションの開発に積極的に取り組み、顧客企業の成長と社会の発展に貢献していくとしています。
出典元：電通デジタル
