
くふう生活者総合研究所(以下、くふう総研)は、全国の生活者10,062名を対象に「随意契約による政府備蓄米の購入」についての調査を実施しています。この調査では、2025年5月末より開始した随意契約による政府備蓄米の販売に関する購入状況や購入者の満足度などが明らかにされています。
※本記事内の「政府備蓄米」とは、すべて2025年5月末より販売開始した随意契約による政府備蓄米を指します。
この記事の目次
調査結果サマリ
・政府備蓄米の購入意向は64.3%。そのうち5.5%が「購入した」と回答
・政府備蓄米を「購入した」「購入したい」理由は7割以上が「安いから」、「購入しない」人は4割以上が「味や品質が気になる」
・実際に政府備蓄米を購入した548人に聞いた結果
- 購入場所はスーパーマーケット、ECサイトが大半
- 令和4年(2022年)産「古古米」を購入した人が6割以上
- 味や品質について約8割が「満足している」
・政府備蓄米について最も知りたいことは「販売場所・在庫状況」
・米は「5kgあたり2000円~2500円未満」が妥当と回答した人が最多
調査概要
調査テーマ:「政府備蓄米の購入」について
調査エリア:全国
調査対象者:家計簿サービス「Zaim」ユーザー、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」ユーザー計10,062名
調査期間:2025年6月9日(月)〜11日(水)
調査方法:インターネットによる調査
政府備蓄米の購入意向は64.3%。そのうち5.5%が「購入した」と回答

2025年5月末からの随意契約による政府備蓄米の販売について、調査が実施された6月9日~11日時点で「購入した」と回答した人は全体の5.5%にとどまっています。
「購入した」「購入したい」を合わせた購入意向がある人は64.3%に達し、一方で35.7%が「購入しない・興味がない」と回答しています。
注目すべき点として、「購入したいが手に入らない」(27.3%)と「購入したいが買いに行けていない」(31.5%)を合わせると、58.8%の人が「購入意向はあるがまだ手に入れていない」状況であることが明らかになっています。
政府備蓄米を「購入した」「購入したい」理由は7割以上が「安いから」

政府備蓄米を「購入した」「購入したい」と回答した人からは、「安いから」という理由が74.4%と圧倒的に多く挙げられています。

一方、「購入しない・興味がない」と回答した人の理由としては、「味や品質が気になる」が44.1%で最も多く、続いて「他に米の確保手段がある」(28.1%)、「様子を見たい」(22.9%)、「充分な米を確保している」(22.7%)など、米に困っていないという理由が上位を占めています。
実際に政府備蓄米を購入した548人に聞きました
購入場所はスーパーマーケット、ECサイトが大半

政府備蓄米の購入場所としては、「スーパーマーケット」が50.9%と最も多く、次いでECサイトが36.7%となっており、この2つの購入チャネルで大半を占めていることがわかります。
令和4年(2022年)産「古古米」を購入した人が6割以上

購入した政府備蓄米の収穫年度については、「令和4年(2022年)産」のいわゆる「古古米」が65.0%と大半を占める結果となっています。
味や品質について約8割が「満足している」

購入した政府備蓄米については「まだ食べていない」と回答した人が42.0%いましたが、すでに食べた人を対象に味や品質について尋ねたところ、「非常に満足」(23.0%)と「まあ満足」(58.2%)を合わせて約8割の人が満足していることが明らかになっています。
政府備蓄米について最も知りたいことは「販売場所・在庫状況」

政府備蓄米について知りたい情報を尋ねたところ、「販売場所・在庫状況」を挙げる人が56.8%と最も多く、次いで「味・食感」(30.5%)、「価格の妥当性」(30.3%)が続いています。
品質に関する情報を求める声が挙がる一方で、「おいしく食べられる調理方法」(24.2%)や「保存のコツ」(19.0%)など、購入した備蓄米をより美味しく食べるための情報も求められていることがわかります。
米は「5kgあたり2000円~2500円未満」が妥当と回答した人が最多

政府備蓄米に限らず、米の妥当な価格について尋ねたところ、最も多かった価格帯は「2000円~2500円未満」(24.3%)で、僅差で「2500円~3000円未満」(23.9%)、「1500円~2000円未満」(23.6%)が続いています。農林水産省が発表した5月26日週のスーパーでの米の小売価格は5kg当たり4223円であり、消費者は現在の市場価格の約半額程度の価格を望んでいることが明らかになっています。
ただし、単に安い価格を求める意見だけではなく、「農家のメリットを長い目で考えた価格設定にしてほしい。汗水たらしてお米を作っても安すぎるのは困る」(30代女性)、「米農家の収入が増える価格設定であって欲しい」(50代男性)、「農家は頑張っているし、足りなければ米の価格が上がるのは仕方ない」(50代女性)など、生産者の立場を考慮した意見も多く寄せられています。
今回の調査結果からは、長引く米の価格高騰を背景に、政府備蓄米への関心が高まっている生活者の意識が浮き彫りになっています。多くの人が購入意向を示す一方で、品質への懸念から様子見の姿勢を取る人も少なくないことがわかります。また、実際に購入した人の満足度は高く、販売場所や在庫状況などの情報がより広く提供されることで、さらなる普及が期待できそうです。
出典元:株式会社くふうカンパニーホールディングス プレスリリース