
プライバシーを重視したウェブ解析の新たな選択肢として注目を集める「Ahrefs ウェブアナリティクス」が、導入サイト数5万を突破したことが発表されました。さらに、ユーザーの行動ステップを可視化する「ファネル解析」と、ページ遷移を伴わない行動を捉える「カスタムイベント測定」機能が新たに追加され、より具体的な成果を生み出すための分析ツールとして大きく進化しています。
デジタルマーケティングおよびSEOソリューションを提供するAhrefs(エイチレフス)は、2024年12月にリリースした「Ahrefs ウェブアナリティクス」の導入サイト数が5万を超えたことを発表しました。それに合わせて、サイトのコンバージョン改善を加速させる2つの新機能が搭載されたことも明らかにされています。
この記事の目次
【大型アップデート】サイト改善の精度を飛躍させる2つの新機能
今回のアップデートによって、サイト訪問者の行動をより深く、正確に理解することが可能になりました。これにより、ウェブサイト運営者は具体的な改善点を把握しやすくなります。

1. ファネル解析 (Funnels):ユーザーの離脱ポイントを特定し、体験を最適化
「ファネル解析」は、訪問者がサイト上の主要なステップをどのように移動するかを追跡する機能です。ユーザーが目標(購入、登録など)に至るまでの経路を最大6ステップで設定し、各段階での離脱率を可視化することができます。これにより、サイトが抱える潜在的な問題点を明らかにし、ユーザー体験の最適化とコンバージョン率の向上に直接貢献する具体的な施策を立てやすくなります。

<ファネル解析で、こんな疑問に答えが出せます>
- ECサイトで、商品をカートに追加した後、どれくらいのユーザーが決済手続きを開始しているか?
- ホームページを訪れたユーザーのうち、何人が料金ページまでたどり着いているか?
- ブログ記事からCTAボタンをクリックし、資料請求フォームを送信完了したのは何人か?
ページビューだけでなく、次に説明する「カスタムイベント」もステップとして組み合わせることで、より現実に即したユーザー行動の分析が可能になります。
2. カスタムイベント測定 (Custom Events):クリックやフォーム送信を正確にトラッキング
「カスタムイベント測定」は、ページの再読み込みを伴わないユーザーのインタラクション(行動)を追跡する機能です。これまで計測が難しかった「ボタンのクリック」「フォームの送信」「動画の再生開始」といった重要な行動をイベントとして設定し、計測できるようになりました。この機能によって、ページ遷移だけでは把握できなかったユーザー行動の詳細な分析が可能になります。

<カスタムイベントで、サイト分析がこう変わる>
- 「資料請求」ボタンのクリック数を正確に把握し、CTAの効果を測定できます。
- どの流入ページが、最も多く「会員登録フォームの送信」に貢献しているかを特定できます。
- サイト上の様々なインタラクションを計測することで、ユーザーエンゲージメントをより深く理解できます。
この機能はデフォルトではオフになっており、追跡したいHTML要素に特定のクラス名を追加するだけで、簡単に設定を開始することができます。技術的なハードルが低く設計されているため、専門知識がなくても導入しやすい点が特徴です。
Ahrefs 日本マーケティング統括 河原田隆徳氏のコメント
「おかげさまで、Ahrefs ウェブアナリティクスは世界で5万以上のサイトでご利用いただけるまでに成長しました。本当にありがとうございます。今回のアップデートでお届けする『ファネル解析』と『カスタムイベント測定』は、サイト運営者なら誰もが知りたい"ユーザーの具体的な行動や心理"を解き明かすための強力なツールです。『ユーザーの離脱ポイント』や『成果に貢献しているアクション』が明確になることで、もう推測に頼る必要はありません。これからも『シンプルで、プライバシーに配慮した分析』という軸はぶらさずに、皆様のサイト改善を力強くサポートしてまいります。この新しい機能が、皆様のビジネスをさらに飛躍させる一助となれば幸いです。」と河原田氏は述べています。
Ahrefs ウェブアナリティクスの主な特徴
- 【NEW】ファネル解析:ユーザーの離脱ポイントを可視化し、サイト改善点を特定することができます。
- 【NEW】カスタムイベント測定:ボタンクリックなど、ページ遷移のない行動を追跡することができます。
- シンプルな導入:数行のコードを挿入するだけで解析を開始できるため、技術的な知識が少なくても簡単に導入できます。
- プライバシー重視:クッキー不要で個人データを収集せず、GDPRなどの規制に準拠しているため、プライバシー保護の観点からも安心して利用できます。
- GSCとの統合:Google Search Consoleとの連携により、検索パフォーマンスとサイト内行動を統合して分析することができます。
- 完全無料から利用可能:無料プランを含む全てのプランで、追加料金なしで利用できます。大規模サイト向けには、より多くのデータを扱えるエンタープライズプランも用意されています。
今後の展望
Ahrefsは、今後もユーザーからのフィードバックを最優先に、継続的な機能改善を進めていく予定だとしています。特に、同社が誇る世界最大級のSEOデータとの統合をさらに強化し、ウェブサイトの成長に貢献する唯一無二のツールとして進化を続けていくとのことです。
サイト運営者にとって、ユーザーの行動を正確に把握することは、サイト改善の基本となります。今回の新機能追加により、Ahrefs ウェブアナリティクスはより一層実用的な分析ツールへと進化しました。プライバシーを重視しながらも、具体的な改善につながるデータを提供するこのサービスは、今後のウェブ解析の新たな選択肢として注目される存在となりそうです。
出典元:Ahrefs pte. ltd. プレスリリース