創業60周年を迎える株式会社土屋鞄製造所(東京都足立区、以下「土屋鞄」)が、小学1年生から6年生の子どもを持つ全国の家庭を対象にインターネットアンケートを実施し、その調査結果を発表しました。
この記事の目次
調査の背景
最近、小学生が登校時に持参する荷物の重さが注目されています。デジタル教科書の普及やタブレット端末の導入が進みつつ、教科書のサイズやページ数も増加。さらに、水筒持参などによりお子さまの負担が拡大しているという指摘も存在します。そのため、全国の小学1年生から6年生のお子さまを持つ保護者662人に「ランドセルの中身に関する調査」を実施し、現状を探りました。
調査サマリー
・特に荷物が多い日は教科書やノートだけで5冊以上、さらに最大1kg以上の重さを持ち歩いているお子さまが3割以上いることがわかりました。
・パソコンやタブレットを毎日持ち帰っている、または曜日によって持ち帰っている家庭は71.5%。学校から「置き勉」を促されていないとの回答は約16%。「推奨されている」という回答も約3割に達し、「推奨されているが家庭学習用に持ち帰る」という回答も約3割を占めています。置き勉の徹底には課題が残るようです。
・荷物が重いと感じる理由の半数近くが「教科書を多く持っているから」ということです。また、フリー回答では「タブレットが重い」「週末には持ち帰る物が増える」との意見も寄せられました。
調査概要
- 調査対象:小学生のお子様を持つ保護者 662名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年9月26日〜9月30日
- 調査機関:株式会社 土屋鞄製造所
ランドセルは軽量化が進んでいるが、小学生の荷物は増加し、重さが増しています。
小学生が持ち歩く荷物には、教科書やノート、筆箱、給食セットなどが含まれており、学校生活に欠かせないアイテムです。
「ランドセルやリュックにどのようなものを入れていますか?」との問いに対しては、GIGAスクール構想に伴うICT化により、PCやタブレットの存在が際立ちます。また、コロナ禍や熱中症対策のために水筒(37.2%)の持参も増えているとのことです。このため、ランドセル業界では、耐久性を維持しつつサイズの拡大や確実な軽量化が進行中です。
PC・タブレットの授業が一般化、端末の持ち帰り率は7割を超える結果
約9割の生徒がパソコンまたはタブレットを用いた授業を受けており、全員に対して1台ずつ端末が支給され、学校教育におけるICT化が加速しています。
「パソコンやタブレット端末を持ち帰っていますか?」との質問に対する回答では、「毎日持ち帰っている」「曜日ごとに持ち帰っている」を合算すると71.5%に達し、7割以上の生徒が1kg前後の端末を持ち帰っているという実態が伺えます。家庭学習や充電目的で持ち帰る家庭が多く、学校にそのまま置いているのは23%にすぎませんでした。特に小学5年生、6年生では「毎日持ち帰る」という回答が多く、高学年の利用率が顕著です。
置き勉を推奨されない、または家庭学習のために持ち帰る生徒は約4割。
Q. 学校は置き勉を推奨していますか?※置き勉の定義は、必要なもの以外を学校に置いておくことです。
学校の「置き勉」推奨については、約16%が「推奨していない」とのことでした。「推奨している」という回答は約34%に達しましたが、「推奨はされているが家庭学習のために本やタブレットを持ち帰っている」という回答も約27%見受けられ、多くの小学生が荷物を持ち帰る傾向が続いています。
まとめ
今回の調査により、小学生が多くの荷物を抱え学校に通学している実態が明らかになりました。置き勉が推奨されているにも関わらず、家庭での学習の必要性や持ち帰る荷物の多さにより、デジタル教科書化が進む中でも、各自治体や学校がそれぞれの状況を改善しない限り、小学生の負担は軽くなるどころか増えていくことが予期されます。
出典元:株式会社土屋鞄製造所 プレスリリース