EC物流代行サービスを提供するディーエムソリューションズ株式会社(本社:東京都武蔵野市、代表取締役社長:花矢卓司、以下『運営会社』)は、全国の20代から70代の男女1,000名を対象に「越境EC事業化にあたっての意識・実態調査」を実施しました。

本調査では、EC事業者1,000名を対象に越境ECビジネスにおける期待される商材カテゴリーや進出国、初期投資予算、活動の継続や方針を決定するためのマイルストーン、運用体制および実際の課題などが探られました。今回はその中でも特に課題や予算に関する実態を中心にお伝えします。

■ 越境ECに取り組む事業者の割合

EC事業者1,000名に「現在の越境ECの状況について教えてください」と尋ねたところ、「すでに複数の国で実施している」という回答が25.1%、「1カ国で実施中」という回答が23.6%、「直近での実施に向けた準備中」という回答が17.4%で、約7割のEC事業者が越境ECに積極的に取り組んでいることが明らかになりました。

越境EC市場は世界中の顧客に商品を販売できる大きなチャンスを秘めていますが、言語や物流、法規制、マーケティングなど、国内ECとは異なる課題も存在します。

未参入の事業者は、これらの課題克服のために情報収集や越境EC支援サービス・ツールの活用を真剣に考える必要があります。

■ 越境ECにおける課題

次に「越境ECを事業化する上で考えられる課題」を複数回答で質問したところ、「進出先国の言語対応(42.4%)」、「海外発送用の物流体制の構築(38.0%)」、「進出先国の法令対応(37.5%)」という課題が挙げられました。

これらの結果から、越境ECを拡大しようとするEC事業者は、言語、物流、法規制という大きな課題に直面していることがわかります。特に言語に関する問題は、顧客対応やマーケティング、ウェブサイトの翻訳などさまざまな場面で影響を及ぼすため、事業者にとって大きな負担となる恐れがあります。

さらに、物流は顧客満足度に直結する重要な要因であり、海外発送においては、国内とは異なる多くの課題に直面する可能性があり、これもまた事業者にとって大きな負担となるでしょう。

■ 越境ECにおける物流の特異性

物流に関する課題として「越境ECの物流における課題を教えてください」と尋ねたところ、「通関手続きなどの書類発行業務(47.3%)」、「海外配送コストの削減(43.2%)」が主な課題として挙がりました。

特に、海外配送コストの削減よりも、通関手続きの複雑さがより大きな課題とされている点が興味深い結果です。これは、EC事業者が越境ECにおいて配達コストに比べ、複雑な手続きや業務に対する課題をより多く抱えていることを示唆しています。

■ 越境EC事業における初期年間予算の傾向

続いて「越境EC事業化を前提とした初期の年間予算について教えてください」とお伺いしたところ、

101〜200万円が16.5%

201〜300万円が17.2%

301〜500万円が14.9%

このことから、初期年間予算は100〜500万円の範囲がボリュームゾーンであり、多くの企業が越境ECの開始に際して試行錯誤していることが伺えます。

一方で、年間2,000万円を超える予算を持つ企業も存在し、越境EC事業への投資規模は企業によって大きく異なることが明らかになりました。初期予算が小さい企業は、小規模な投資から越境ECを開始し、段階的に事業を拡大していく戦略を取ることが考えられます。また、一方で予算が高い企業は、初めから大規模な投資を行い、早期に市場シェアを確保しようとする可能性があるでしょう。

■ 越境EC事業の撤退・継続の判断タイミング

最後に「越境EC事業を開始した場合、撤退または継続を判断するマイルストーンとしてどのくらいの期間を設定していますか?」と質問したところ、

開始から半年経過時点が12.2%

開始から1年経過時点が23.5%

開始から1年半経過時点が23.2%

開始から2年経過時点が17.8%

全体の76.7%が事業開始から2年以内に越境ECの継続か撤退かを決定しており、比較的早い段階で判断が行われる傾向が見受けられます。さらに、約半数が1年から1年半の間に判断を下していることから、越境EC事業は短期間で成果を求められる事業であるといえるでしょう。

■ 調査概要

調査対象: 20~70代の男女 1,000名

調査条件: EC事業を運営している担当者・責任者

調査対象エリア: 全国

調査方法: インターネット調査

調査期間: 2024年11月25日〜11月28日

本調査の結果は、越境ECを事業化するための参考として、多くの企業や事業者に活用されることが期待されています。

出典元:ディーエムソリューションズ株式会社

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