2024年9月10日(火)から9月11日(水)にかけて、株式会社ネオマーケティング(本社:東京都渋谷区)が「食の安全」に関するインターネットリサーチを実施しました。この調査では、全国の20歳以上の男女を対象に、消費者の意識や日々の食品選びに関する考え方が明らかにされました。
調査の背景
最近、食品への異物混入の問題が国内外で取り上げられており、特に2024年4月に改正された食品表示ガイドラインによって「無添加表示」や「食品添加物の不使用表示」に対する規制が強化されています。このため、企業と消費者の間で“食の安全”への関心が急増しています。
このような背景を踏まえた今回の調査では、消費者が普段から気にしている表示や意識している行動についての意識が調査されました。
調査概要
実施方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを使用したWEBアンケート方式
対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:1,000名
調査実施日:2024年9月10日(火)~9月11日(水)
◆「食の安全に関する意識調査」主な質問と回答
◆食品を選ぶ際に意識している表示:全体の69.0%が「原材料名」を重視
「原材料名」「機能性表示」「製造所/産地」「販売者/ブランド」の表示について、いずれも意識するとの回答を得た割合は半数を超えています。特に「原材料名」は、健康やダイエットに関する意識からも注目され、「常に意識する」「よく意識する」との回答が集まり、合計で37.3%に達しました。
※「常に意識する」「よく意識する」「たまに意識する」を合算した結果です。
◆食の安全についてどの程度気にしているか:「細菌・ウイルスによる食中毒」が65.3%で最も関心が高いと判明
食中毒に対して意識を持っている人は65.3%にのぼりますが、生産段階での「農薬」に関しては影響が見えづらく、「ほとんど意識しない」「全く意識しない」との回答も53.9%に達しました。
※「常に意識する」「よく意識する」「たまに意識する」を合算した結果です。
まず、食品選びで意識が高い表示についてお尋ねしました。
■食品を選ぶ際に意識している表示(n=1,000)

全ての表示について意識しているとの回答を得た割合は半数を超え、特に「原材料名」は高い割合を示しています。
※「常に意識する」「よく意識する」「たまに意識する」を合算した結果です。
次に、日常における食の安全に対する意識についてもお尋ねしました。
■食の安全についてどの程度気を付けているか(n=1,000)

食中毒については、65.3%が最も意識されているという結果が得られました。
自炊を行う人や夏の保存方法において注意が必要です。その一方で、「農薬」に関しては意識しないとの回答が53.9%となっています。
調査では、各項目で意識していると答えた人に購入時の不安要素を自由記入形式で尋ねました。
特に「食品添加物」に関しては「アステルパーム」や「スクラロース」、「ソルビン酸カリウム」などが挙げられ、消費者の関心の高さが見られます。
【「食品添加物」一部抜粋】
・「インスタント食品」(女性、62歳)
・「コンビニのおにぎり」(男性、28歳)
・「ハム、ソーセージ全般」(女性、44歳)
・「漬物」(男性、40歳)
・「冷凍食品」(女性、34歳)
・「アステルパーム」(女性、29歳)
・「コチニール(色素)」(女性、35歳)
・「スクラロース」(男性、32歳)
・「ソルビン酸カリウム」(男性、37歳)
【「農薬」一部抜粋】
・「キムチ」(男性、69歳)
・「レモン」(女性、28歳)
・「農家直送野菜」(男性、73歳)
・「米、野菜」(男性、47歳)
・「葉もの野菜」(女性、68歳)
【「細菌・ウイルスによる食中毒」一部抜粋】
・「お刺身」(女性、58歳)
・「キノコ」(女性、79歳)
・「牡蠣」(男性、33歳)
・「肉、魚」(女性、35歳)
【「輸入食品」一部抜粋】
・「アメリカ、カナダからの牛肉」(女性、66歳)
・「うなぎ」(男性、73歳)
・「オレンジ」(女性、35歳)
・「冷凍フルーツ」(女性、60歳)
消費者は食の安全について実践している点や不安に感じたことについて、具体的なエピソードを自由に述べました。
■食の安全に関する最近の心がけや不安(自由記述)
今年の夏の気候が影響し、食中毒に対する警戒が強まっています。また、最近の事件によりサプリメントの安全性に対する懸念の声も聞かれます。
輸入商品については「評判が聞こえるまで購入を控える」という慎重派の消費者も見受けられます。
国産品と輸入品の「安全性」についても消費者の意見がまとめられました。
■国産と外国産の「安全性」についての意見(n=1,000)

97.2%の消費者が「国産の方が安全」と認識しています。
特に最近では、海外通販サイトで扱われる商品から有害物質が発見される事例が増加しており、外部製造品への不安が高まっています。
さらに「安全度が高く高価な食品」と「安全度は低いが安価な食品」の選択についても質問しました。
■「安全度が高く高価な食品」と「安全度は低いが安価な食品」では、どちらを選ぶことが多いか(n=1,000)

安全性を重視する割合は63.0%となり、価格よりも品質を優先する傾向が見られます。
物価の上昇が続く中でも、安全性に疑念を持つ製品は選びたくないと考える消費者が多いようです。
また、食品購入時に「安全」と感じる表現について具体的に尋ねたところ、
■食品を購入する際に「安全」と感じる表現(自由記述)
「無農薬」「無添加」「無着色」といった表現を多くの消費者が挙げ、これらの“否定的な表現”は消費者にとって「安全」イメージを直感的に伝える強い文言のようです。
また、原材料の産地の明示や「生産者の声」も求められ、国産品への信頼が伺えました。
食品の安全性に関する情報源も尋ねました。
■食品の安全性について参考にしている情報源(n=1,000)

「テレビ」が35.8%と最も多く、次いで「新聞」が14.4%という結果が得られました。
SNSが情報源として注目される中でも、食品の安全性に関するトピックでは従来のメディアからの情報が重視されています。
出典元:株式会社ネオマーケティング