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RED(小紅書)とは?
RED(小紅書、以下RED)とは、中国版Instagramといわれている中国のSNSです。もともとは画像の美容コンテンツが中心でしたが、Instagramと同様、現在は動画、ライブ配信など投稿手法が広がり、ジャンルもファッション、食、ペット、旅行、ベビーなど、ライフスタイルに関わる多岐に渡るコンテンツが投稿・閲覧されています。ユーザーのタイムラインはRED内で話題のコンテンツが優先的に表示される仕様で、TikTokに似ています。
月間利用者は2億人に達しており、メインユーザーは10代後半~30代の女性ですが、近年は男性ユーザーも増加してきています。中国都市部に住んでいる方が多く、海外商品や海外旅行などに興味のあるユーザーが多いです。また、中国本土以外でも、日本、韓国、オーストラリアなど、さまざまな地域に住んでいる中華系の方に利用されているため、中国だけにとどまらず、「世界中に住んでいる中国人」への情報発信やマーケティングが可能なプラットフォームです。
では一体、REDはユーザーの間でどのように使われているのでしょうか?
REDは「商品やサービス、旅行先などの検討・検索の場」として利用されています。その検索数はなんと1日あたり3億件以上。(※1)利用者の60%がRED上で何らかの情報の検索をしています。(※2)ECやオフラインで商品を購入する、サービスを体験する、旅行の際にどこに立ち寄るかなどを決定する前にまず口コミを調べるという流れは日本も中国も同じです。その際によく使われるのが、REDなのです。このことから、RED上での評価が購買に大きく影響するといえます。
※1、2 引用:广告主KOL营销市场盘点及趋势预测
REDを活用したマーケティング施策はどんな企業におすすめ?
REDは「商品やサービス、旅行先などの検討・検索の場」として使われているため、コト・モノ、高級品・日用品など、さまざまな商品やサービスのマーケティングにおいて有効です。特に、SNSの特性として女性が多いため、女性向けの商品やサービスを提供している企業が最も効果的でしょう。ただし、医薬品・美容整形などの表現については一部制限されているため、REDのルールに応じて発信を行うことが重要です。
中国国内向け施策、中国越境EC施策、中国インバウンド施策、在日中国人向け施策など、企業様に応じて施策の目的が異なると思いますが、どんな目的に対しても「検討・検索の場」として使われているREDは有効です。
特にこれから本格回復が望まれているインバウンドに関しては、訪日観光客の多くが旅行前にREDを見て買い物リストを作ったり、立ち寄る場所やお店を決めたりしているというデータが発表されています。(※3)そのため、インバウンド対策をご検討中、実施中の企業様には、REDを活用したマーケティング施策をおすすめします。
※3 引用:旅游消费内容研究报告

REDを活用したマーケティングの3ステップとは?
中国向け施策を行う場合、まずはRED上で自社商品・サービスについての投稿や口コミがどの程度あるのかを確認しましょう。REDは検索の場として利用されるため、ここに情報がない場合、企業としてはマイナスになってしまいます。
その上で、RED上でマーケティングを行い、話題化を目指すために必要な3つの施策ステップがあります。
ステップ1:KOCを起用した投稿施策
KOCとは、「キーオピニオンカスタマー」の略称で、消費者に近く、商品・サービスに関しての理解が深い専門家のような方を意味します。RED上で自社商品・サービスについての投稿や口コミが少ない場合は、KOCに商品・サービスを体験してもらい、KOC目線で紹介をしてもらいましょう。
「話題化させるならフォロワー数の多いKOL(キーオピオニオンリーダー)を起用すべきだ」と思われるかもしれませんが、前述の通り、ユーザーのタイムラインは話題のコンテンツが優先的に表示されるため、フォロワー数が少ない方を起用しても、投稿内容の反響が良ければどんどん拡散されるケースがたくさんあります。
また、当社が独自に構築している日本最大級の在日中国人女性コミュニティ「BoJapan(ボージャパン)」のメンバーである在日中国人女性に対して、REDでどこからの情報がきっかけとなり実際に商品を購入したり店舗に行ったりなど行動を起こしたかと聞いたところ、全体の75.8%が「KOCからの情報」がきっかけとなったと回答しており、KOLよりもKOCのほうがポイントが高くなっています。

フォロワー数の多いKOLの起用は費用的にも高いため、最初の施策としてはKOCの起用をおすすめします。また、新しい投稿やエンゲージメントが高い投稿がRED内で検索の上位に表示されやすいため、単発で施策を行うだけではなく、継続的に実施し、質の良い投稿を増やしていくことが効果的です。
ステップ2:KOLを起用した投稿施策
KOCの取り組みと合わせて、もしくはKOCの取り組み後に、KOLを起用して商品・サービスを体験してもらい、紹介をしてもらいましょう。
KOLの投稿は、RED内での話題作りやブランド・サービスに箔をつける効果があります。
KOLの投稿をきっかけとして、ブランドやサービスを検索するユーザーが増えることにより、KOC視点のさまざまな投稿が、具体的に参考にされ、商品購入や来店へと繋がります。KOLとKOCは役割や効果が違いますので、その違いを理解して施策を実施することが大事です。
ステップ3:企業公式アカウントの運営
企業公式アカウントは、日本でいうHPや問い合わせ先、企業からの公式情報の発信など、情報の受け皿としての活用をおすすめします。中国人消費者は、日本人以上にチャットでのコミュニケーションが多く、企業公式アカウントはKOL・KOCの投稿を見て興味を持ったユーザーの問い合わせ先になります。企業公式アカウントがあることによってブランドや商品に対しての信頼性も高まり、すぐに商品を購入しない方に対しても、興味層の方に企業公式アカウントをフォローしていただくことで、長期的な顧客獲得も期待することができます。
これだけは気を付けたい!効果的なポイントと注意点
REDでのマーケティング施策を行う際には、次の3つのポイントに気を付けましょう。
ポイント1:RED内で反響のあるコンテンツ・キーワードを入れて投稿を行う
どのSNSにも、反響の高いコンテンツには共通点があります。REDでは、”コツ・お得・攻略”に関してのコンテンツが見られやすい傾向があります。具体的にこのポイントをおさえたコンテンツ例としては、「日本で人気のある常備薬●選」「日本のドラックストアに行って買うべき商品●選」などです。
ポイント2:複数商品の中の一つとして紹介する
マーケティング施策の対象商品だけを紹介するのではなく、他ブランドを含めた複数のブランドを紹介し、その中の一つとして対象商品を紹介しましょう。
ポイント3:小売店とメーカーの連携を意識する
インバウンドに関しては、日本の小売店についての投稿も多いです。ドラックストアであればマツモトキヨシ、ディスカウントストアであればドン・キホーテ、雑貨店であればロフトなどです。メーカー様の場合は、販売している小売店の情報と一緒に紹介されるような取り組みを行いましょう。
また、企業公式アカウントの運営をする際、日本国内のユーザー向けに制作したInstagramのコンテンツをそのままREDに投稿しても反響がないケースがあるので注意が必要です。REDのフォーマットや流行にあわせて投稿を行わなければ反響を得にくいため、Instagramのコンテンツを流用することはおすすめしません。中国SNS向けにコンテンツを改めて制作するか、中国人ユーザーに反響がある・理解できるコンテンツをピックアップしてから流用するようにしましょう。
REDを活用している企業様の実態は?
昨年10月の訪日外国人旅行客の受け入れ再開後、REDを活用する企業が増えてきています。新しくRED企業アカウントを開設した企業の中でもフォロワー数が急速に伸びているのは、CA4LA、北村写真機店、オンワードです。このようなアカウントでは、各投稿のエンゲージメントが高いことがファン増加に繋がっています。
エンゲージメントが高い投稿の特徴としては、次の3つのポイントが挙げられます。
- 日本向けの流用ではなく、”中国向け”の動画コンテンツを制作
- 日本人スタッフが出演して商品紹介やQ&Aを行う
- REDの仕様にあわせてサムネイルを制作
このような投稿はユーザーからも好意的な反応も高く、商品や来店についての問い合わせに繋がるなどメリットが多いため、ぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。

また、インバウンドの消費という面では、商品購入だけでなくサービス体験などの需要も増加していくことが見込めます。美容サービスを提供している「KADOMORI」では、サロンの代表である角森院長がRED上で美容のテクニックを紹介するコンテンツを発信し、REDを利用する中華圏のユーザーの間で大人気となっています。
主にファンからのコメントやDMでのリクエストに応えたテーマで、気軽に見ることができて自分でもすぐ真似できるように「3ステップでできる」といった簡単なやり方を3分以内の短尺動画形式で発信しています。角森院長の説明のわかりやすさからたちまち話題となり、運用開始からわずか3か月でフォロワー数は4.6万人を突破しました。REDから「予約したい!」「お店はどこにありますか?」といった問い合わせは150件を超え、インバウンドでの来店が期待できます。人気在日KOLとのコラボ動画を企画するなど、さらなる成長に向けて積極的にアカウントを運営しています。

サービス業を行っている企業様は、このように代表者や代表的な社員をフックとしてREDを運営することにより、問い合わせの増加に繋がっていくケースもあります。
中国市場へのマーケティング施策においては、「日本在住の中国人消費」「訪日中国人の消費(インバウンド)」「越境ECにおける商品のリピート購入」を連動して取り組むことが重要です。REDを活用して効果的な中国向けマーケティングを実施していきましょう。
弊社では、REDの運用ノウハウや商材別トレンドレポートが1冊に詰まった「RED企業公式アカウント運用の教科書」を無料で配布しておりますので、ご興味のある方はぜひダウンロードください。
https://www.cnmlab.jp/whitepaper/red_textbook_2212/
<中国SNS上で話題を作り、売上向上につなげる「REDプロモーションパッケージ」>
企業公式アカウントの運営、KOLプロモーション・KOCプロモーションの実施を組み合わせて、RED上で商品・ブランドについての話題化や口コミの創出を実現し、認知・売上向上やインバウンド観光客の誘致につなげるサービスです。中国の消費者は商品を購入したり旅行先の情報を収集したりする際にSNS上の口コミを重視することから、RED上での話題化やUGCの質・量を重視したサポートを行います。
中国向けのマーケティングをご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
サービス詳細:https://www.cnmlab.jp/redpk/
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