オンラインで購入前に商品を試せる?「har try(ハルトライ)」の導入で快適なお試し体験をECサイトへ
インタビューの概要

洋服やメイクアップアイテムなど、店頭で買い物をするときは、必ずと言って良いほど購入前に試着やタッチアップを通して商品を試すかと思います。しかし、通販ではそれができないため、試したことのない商品を購入することに抵抗を感じる人は少なくないでしょう。もし、ECサイトでお試しできる仕組みを取り入れることができれば、抵抗感を減らし、購入に至るハードルは間違いなく下がるのではないでしょうか。株式会社har(以下、har)はお試し購入機能「har try(ハルトライ)」を開発し、ECでも簡単にお試しできる仕組みを提供しています。今回は同社の代表取締役である川村北斗さんに、ECにおける試着体験について伺います。

ECで試着は難しい?返品無料との違いとは

――アパレル通販の場合、店頭でできるような試着ができれば、消費者に店頭と同じ、もしくはそれ以上の購買体験を提供できるかと思います。現状、試着サービスを導入するアパレルECは少ないようですが、その理由を教えていただけないでしょうか。

北斗さん:ECサイトで試着を謳っている企業の多くは、返品無料を取り入れることでお客様が商品を試しやすい環境を作っています。しかし、店頭で試着をするときにお金を支払うことはありません。例えば5万円の商品を試着したいと思ったときに、決済が必須となると商品を試す心理的なハードルは高くなってしまいます。店頭と同じ水準の気軽さを体感いただくには、お客様が事前に決済せずとも商品を試す環境づくりが必要になるのです。

そうなると、オペレーション体制の構築、システム改修、そしてその2つを遂行するために社内承認を取らなければなりません。返品の割合が多くなるため、オペレーションの体制は大きく変更が求められます。システム面はECサイト上に試着の仕組みを表示したり、お客様にお届けした商品の返品や決済状況を管理したりと今まで想定しなかった仕組みを整える必要が出るのです。このリスクある大掛かりな施策の売上貢献額を試算し、社内調整を進めるのは難しいことだと、事業者様から伺います。これが試着サービスを導入している事業者様が少ない理由ではないでしょうか。

試着と返品無料のフローの違い
試着と返品無料のフローの違い

お試し機能の実現に必要なシステムとオペレーション

――無料で返品対応をしてもらえても、試着のために決済が確定した状態になると抵抗感は拭えません。事業者様が自社でお試し機能を導入する場合、具体的にどういった運営体制が求められるのでしょうか?

北斗さん:まず、フロントの変更点ではお客様が誤解なく試着をできるように、商品ページに通常のカート追加ボタンとは違う試着購入専用のボタンがあると良いでしょう。商品をお送りする時点で決済が確定していない状態を作るため、商品代金分の与信のみを確保したり、0円で小計を上げる仕組みを用意したり、独自にシステムを構築しなければなりません。

別途専用の試着ボタンを用意してお客様が迷わない設計に(har try導入イメージ)
別途専用の試着ボタンを用意してお客様が迷わない設計に
(har try導入イメージ)

北斗さん:アパレルECであれば、試着対応が可能になると通常1~2%といわれている返品率は20%ほどまで上昇します。一方で、購入のハードルが下がるため、CVRは1.5~2倍になるのです。1,000件の注文に対して10~20件ほどだった事業者様の注文数が1,500~2,000件へと上昇します。返品数は300~400件あまりになるので、返ってきた商品を検品し、保管する運用を現状の体制で行うのは容易ではないのです。また、決済が完了していないお客様情報を管理し、決済確定の促進や返品の催促する必要もあるでしょう。運用の負担が増加する一方で、売上や新しいお客様と接触する機会を大きく創出する可能性がある取り組みであることがわかります。

商品到着後にお客様の決済を待つことは、昨今の不正注文により事業者様が商品だけ取られて代金を回収できないことから難しいのは明らかです。また、お試し機能が広がることによって、無料で商品を取り寄せてSNS投稿用に写真だけ撮影するなど、購入意欲がない方からの注文が入ることも予測されます。こういった自社で与信の管理や顧客対応フロー基準を0から設けることは重要でありながら、大変な作業になるのではないでしょうか。

「har try」でお試し機能の簡単実装・簡単運用

――デザインや開発の対応に加え、返品対応の著しい増加など試着の機能を導入する高いハードルを感じました。お試し購入機能を実装できる「har try」を導入すると、事業者様はどういったことができるようになるのでしょう。

北斗さん:カートシステムにShopifyを採用している事業者様であれば、最短1日でシステムを導入できます。コーディングや新規でページを作成する必要なく、商品ページに試着ボタンを生成できるのです。さらに試着ボタンから注文した方の返品や決済、返金処理など返品対応に関わる全ての情報は専用の管理画面で確認でき、運用の手間をかけずに実施できるでしょう。加えて、お客様の与信管理は弊社で行います。そのため、お試し機能を利用したお客様の債権回収の心配は一切不要です。

また、上位プランでは物流面のサポートをしているため、事業者様が返品や返金に対応する時間がほぼゼロになります。返品された商品は弊社で受け取り、検品いたします。状態が良ければ再販できるよう再梱包し事業者様へお戻しを。臭いや汚れにより再販できない状態になった場合でも、弊社で買取保証するため事業者様にリスクは取らせません。

「har try」でお試し機能の簡単実装・簡単運用 川村北斗さん

北斗さん:こういった一連の流れを自社で要件定義から実装までやると数百万単位で開発費用がかかりますが、「har try」は初期費用、月額固定費を無料の完全成果報酬制で提供しています。試着ボタン経由でお客様が購入した場合に売上から固定の割合で成約手数料を頂戴しています。

物流対応を行う上位プランでは返品1件ごとに手数料を頂戴するほうが良いのではないかと考えたこともありましたが、返品対応によって弊社が報酬を頂戴して、事業者様が損する形になるのでは良くないと思いました。「har try」のご利用いただくことで事業者様の売上向上に本気で寄り添っていきたい想いがあり、今の料金体系になっています。

試着だけではない!お試し機能の可能性

――事業者様がオペレーションを変えることなく、システムの導入から返品対応まで丸っとお願いできるのは非常に魅力的です。試着だけではなく、お試し機能ではさまざまな活用方法がありそうですがいかがでしょうか?

北斗さん:海外の事例にはなりますが、他のジャンルですと、化粧品で高い効果が出ているようです。小サイズのお試し品と現品をセットで梱包した商品を作成します。お客様はお試し品を利用して使用感が良ければ決済し、合わなければ返品するのです。従来は店頭でタッチアップをしながら色を合わせていたメイクアップアイテムや匂いを確かめないと購入しづらい香水など、活用シーンは多数あります。

フレグランスブランド「snif」ではお試し機能ありきの商品が作られている

北斗さん:お試し機能は新規顧客向けの施策として活用いただくことが多いですが、ロイヤリティの高いVIPのお客様向けの施策としても有効です。「VIPの方だけが新商品を試着できる」という打ち出し方はVIPのお客様の満足度を高め、より継続的にブランドを利用してくるようになります。また、VIPのほうが通常のお客様よりも返品率が低いため、事業者様の負担を少なくできることが特徴です。

最近ではECサイト内でチャットにより接客対応をしている事業者様が増えていますが、やり取りの流れで試着があることをお伝えできると、お客様に大変喜んでいただけます。お試し購入後に自然な形でコミュニケーションが取れるというのもWeb接客ツールと相性が良い点です。

――お試し機能を取り入れることで施策の幅が大きく広がりますね。最後に今後の展望について教えていただけますか。

北斗さん:私は音楽家として活動した後、お試し機能を持った楽器を販売するECサイトを運営していました。楽器は地方では買える機会が少ないですが、かと言って試さずに通販で購入できるようなものではありません。こういった地域による格差や、手に取ってみないとわからない商品を一か八か購入するしかない不都合を解消するために、このECサイトからお試し機能を切り出して今に至ります。

お試し機能を活用できれば、事業者様は店舗もなくポップアップストアを開きづらいような地方にもファンを作れるようになります。自分が気になる洋服に初めて袖を通すときってすごくワクワクしますよね。ECでの購買でそのワクワクの総数を増やすことで、もっと幸せな購買体験を当たり前にする世界を作りたい。そして、地方と都内で異なる購買体験の差分を埋めて、どこにいてもフラットにお買い物の意思決定ができる、みんながハッピーになる世界を作っていきたいです。

試着だけではない!お試し機能の可能性 川村北斗さん

インタビューを通して:ECのお試し機能が店頭以上に快適な購買体験を実現

記事中に記載された理由から、今までお試し機能を導入したくてもできない事業者は多くいたはずです。「har try」を利用することで自社のECサイトにお試し機能を導入できることで購買体験は飛躍的に向上します。

従来店頭での試着は、お店にある商品の自分が身に着けている洋服の組み合わせでしか試せませんでした。お試し機能の実装が実現することで、自宅で試着ができるため、自分が持っている洋服やファッションアイテムの中からさまざまなパターンを試せるようになります。

自社のECサイトにお試し機能を導入したくなった事業者様はまずは株式会社harにお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

■har tryサービスページ
https://lp.hartry.jp/

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