お風呂グッズ専門店が提案する顧客視点に立った商品ページとコンテンツの作り方
インタビューの概要

『お風呂のソムリエSHOP』を運営するバスリエ株式会社(以下、「バスリエ」)は、お風呂グッズを扱っていますが、浴室内で使うものだけではなく、入浴前やお風呂上がりも含めた商品を販売しています。非常に多くの商品を扱っているにも関わらず、どの商品ページもしっかり作り込まれているのが特徴です。その背景には、オンラインであっても実店舗と同様の接客でおもてなしをしたいとの想いがあるからといいます。お客様が快適に商品を購入するためにどのような工夫をされているか、バスリエの執行役員である大角浩子さんに伺いました。

洗練された商品ページの作成手順と見直しのサイクル

――「お風呂のソムリエSHOP」では各商品ページが利用する方にとって、具体的なシーンが想像できるような内容になっている印象を受けます。どういった流れで商品ページを作成しているか教えていただけますか?

大角さん:商品ページを作成するとき、まずはキャッチコピーやテキストといった文字情報から考えます。具体的な流れとしては、販売する商品を決めたら、その特徴や強みを洗い出していきます。全ての商品となると難しいですが、少なくとも主軸商品に関しては、実際に商品を利用した上で、キャッチコピーやテキストを作成しています。

キャッチコピーは1商品あたり10~20個くらい案を出します。チームで案を揉んだ後に、良し悪しの意見交換をしてブラッシュアップできることが理想です。しかし、時間の兼ね合いで、案として出たキャッチコピーの中から商品説明を含めたテキストラフを最後まで作り、そこから揉んでいくことが多いです。テキストを作成するのは私一人ですが、意見は社内で出し合って良いと思える形に仕上げていきます。テキストラフが完成したら撮影を始めます。

ぐっすり眠りたいときの入浴剤:商品ページには効果や魅力だけでなく、入浴してから朝起きるまでのスケジュールが記されている

大角さん:一度作ったページであっても販売状況や時期に合わせて見直しを定期的に行っています。例えば、秋に向けて入浴の需要が高まってくるタイミングであったり、女性を意識して作ったページが男性からの注文が多かったりした場合などです。また、季節によってお風呂の入り方は変わるので、コピーや写真はその時期の合わせた内容でお客様に示せるようにしています。その際、自社ECサイト以外にECモールにも出店しているため、各商品のページの見せ方は各売り場にあっているのか確認・調整しながらテストしています。

商品ページは、ECモールと自社ECサイトで好まれる雰囲気が異なっているように感じます。楽天市場ですと、写真を多く掲載していることと、写真の中に文字を入れて説明しているものがお客様に好まれやすいと思います。一方、自社ECでは写真と文字は切り離して洗練された雰囲気にしている方が弊社の場合は好まれやすい傾向があります。

分析を通して商品を手に取るお客様を明確に

――テキストを作ってから、そのイメージに合うように撮影を行って、商品ページを作っているのですね。キャッチコピーや商品説明文を作成する際、どのようなことを意識されていますか?

大角さん:オリジナル商品や力を入れて販売していく商品の場合はマーケティング戦略を組み立てて考えていきます。どのような人が使うのか、ターゲットとなるペルソナを年齢や性別、どんなことが好きで、どのような生活を送っているかといったことを具体的に想定していくんです。

並行して、商品の強みを洗い出して、マトリクス分析や4P分析をしながら商品のポジショニングを明確にしていきます。先にマトリクス分析を行うと具体的なペルソナが設計しやすくなってくるはずです。

マトリクス分析イメージ:各象限に想定されるユースケースを当て込んでいる

大角さん:お伝えしたマーケティングのフレームワークを活用すると、ペルソナが定まって、商品の強みを理解し、その商品がどういった商品やサービスと競合するかが浮かび上がってきます。何が競合に当たるのか明確にすることには2時間くらいかかるため、比較的重い作業になるかもしれません。しかし、競合を明確にすることは、商品の方向性や立ち位置を決める際に必要になってくる作業なので、ある程度時間をかけてやる必要があります。

マーケティング戦略を考える際、『お風呂のソムリエSHOP』としてずらしてはいけない軸として、「お風呂で解消できる悩みなのか」ということです。最初の設計で苦戦してしまうと段々ずれてしまうことがあります。ですので、事前にしっかりと軸を決めるのは大切です。

「誰」に「どのように」使ってもらうかを撮影で具現化

――分析を行って作った土台から、具体的なキーワードを出していき、説明文を書き進めたり、利用シーンの構成を作成したりするんですね。テキストが完成した後、写真撮影に進むとのことですが、その際に意識していることとして、どういったことが挙げられますか?

大角さん:商品をわかりやすく見せることはもちろんですが、購入後のイメージをどれだけ具体的に持ってもらえるかに気を使っています。商品ページを見ながら、お客様が自分で使っているシーンを想像してもらえると嬉しく思います。

また、撮影のイメージはペルソナを意識して変えています。ペルソナの悩みに寄り添えるような写真を撮影することで、事前に考えたテキストとの親和性が高まってくるんです。

バスチェア&ウォッシュボール:濡れた様子や寸法、座った様子が掲載されている

大角さん:撮影は社内にあるスタジオで行っています。今まさに新規改装中でして、これからはお風呂があるバススタジオになる予定です。バススタジオを作るのは大変ですが、バスルーム自体は1年を通して変わる場所ではないため、一度作ってしまえば、ずっと活用できます。撮影以外にも、商品を試しに使って意見を交換することも社内でできるようになるため楽しみにしています。

猫脚バスタブのスタジオからユニットバスに変わる予定

お客様の課題をコンテンツで解決へと導く

――自社ECサイト内には「お風呂レシピ」や「バスグッズの選び方」のようなコンテンツが多く見られます。記事コンテンツを多く掲載することでの影響はいかがでしょうか?

大角さん:『お風呂のソムリエSHOP』の集客にはほとんど広告を使っていません。そのため、アクセスのほとんどは検索経由のオーガニックです。お客様におもてなしの接客をするにあたって、広告に頼った集客よりも課題に合わせて作成したコンテンツの制作に費用をかける方針を持っているからです。

お客様の悩みやシーンに合わせたカテゴリ分けがされている

大角さん:コンテンツは執筆部分のみ外部のライターさんに依頼することがありますが、企画や構成はすべて社内で行っています。お客様の課題と向き合っていたり、お客様の行動や興味などサイト内の数値を確認していたり、日々の積み重ねがあるため、企画や構成は自分たちで作った方がニーズに対して応えられる記事が作れると思っているからです。また、商品ページを作成するときと同様にはなりますが、バスグッズの選び方のように商品をおすすめするコンテンツについては、実際に使った上でおすすめをしています。

実際、コンテンツを作り続けていくと自分たちでは良いと思ったものであっても成果が伴わないこともあります。そういうときは、悩みや課題に合わせて作成した記事(対策キーワード)が、記事を実際に読んでいるお客様の目的や意図(ニーズ)とズレていないか再度見直しが必要です。ズレているとそもそも最後まで読まれませんし、コンバージョンにも至りません。

ボディタオルの選び方:素材や形状、悩みなどから具体的な商品提案まで行っている

物販だけでなく体験をも提供する『バスリエ』

――マトリクス分析やペルソナの設計など、お客様に対しての利用シーンを明確にしているからこそ、商品ページ以外のコンテンツも筋の通った軸のある内容になっているとお話を伺って感じました。最後にバスリエとしての今後の展望があれば教えていただけますか?

大角さん:『お風呂のソムリエSHOP』は最初、入浴剤の専門店から始まりました。それからお風呂グッズを取り扱うようになり、事業を運営しているうちに、お客様のお風呂の入り方をもっと良くできることに気づいたんです。そこから入浴前後に利用するお風呂グッズを揃えて今の商品展開になっています。

お風呂を入ったときの気持ち良い、心地良いと感じることは実際に入浴して体験しなければわかりません。そういった背景もあり、今バスリエとして静岡県に入浴施設を作っています。2021年の冬にオープンするので、ぜひ体験しに来てください。

インタビューを通して:徹底した課題解決と価値提供を進める専門店のこだわり

「お風呂」のソムリエとしてお客様に最高の喜びを提供することを目標にしているバスリエの大角さんからお話を伺い、特定のジャンルの商品を扱う専門店として、自社の扱う商品ジャンルでお客様の課題をどうすれば解決できるのか考え抜くこだわりを感じました。

ただ商品を販売するのではなく、自社の商品を通してお客様の生活がより良くなることを想って販売することがお客様から愛され、継続的に通い続けたくなるお店の姿といえるでしょう。ぜひ本記事を最後までご覧いただいた方は『お風呂のソムリエSHOP』で日頃の疲れを癒やすお風呂グッズを探してみてはいかがでしょうか。

『お風呂のソムリエSHOP』
https://www.bathlier.com/

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