40代以上女性のファッション・美容調査、物価高でも支出は横ばい9,343円―ハルメク調べ

販売部数No.1(※1)を誇る雑誌「ハルメク」のマーケティングやリサーチコンサルティングを手がけるハルメク 生きかた上手研究所が、40~89歳の女性1,000名を対象として「ファッション・美容に関する意識・実態調査」を実施しました。調査はWEBアンケート形式で行われ、物価高や猛暑などの影響による実態の変化についても追加項目として調べられました。

(※1)日本ABC協会発行社レポート(2025年7月~12月)

調査結果のポイント

今回の調査から明らかになったのは、ファッション・美容への月当たりの購入金額が9,343円で、物価高が続く中でも大きな変化は見られず横ばいで推移しているという点です。また、物価高や猛暑によるメイクへの影響は大きくないことも判明しました。

さらに、おしゃれに対する価値観の変化も注目されています。「きちんとして見える」ことよりも「場に合っているか」が重視されるようになり、おしゃれが自分のための、気分を上げたり自分らしさを表現したりする手段になっていることが分かりました。

調査の概要について

この調査は、ハルメク 生きかた上手研究所が2026年1月20日(火)~1月26日(月)の期間にWEBアンケート形式で実施しました。調査対象は全国の40~89歳の女性1,000名で、過去の調査(2024年1月22日~1月24日、2022年11月9日~11月10日実施)との比較も行われています。

同研究所では、シニア層のインサイトについて調査・分析を継続的に実施しており、ファッション・美容に関する調査も定期的に行っています。今回は特に物価高や猛暑などの社会的要因が消費行動に与える影響を把握するために追加項目が設けられました。

ファッション・美容の購入金額は横ばいで推移

ファッションや、メイク・シャンプーなどの美容商品にかける月当たりの購入平均金額は9,343円となりました。前回調査(2024年)・前々回調査(2022年)と比較しても大きな変化は見られず、ほぼ横ばいで推移していることが明らかになりました。

物価高によるメイクの変化については、「特に変化はない」と回答した人が最も多く56.6%を占めました。同様に、猛暑によるメイクの変化についても「特に変化はない」が62.2%と最も多い結果となっています。これらのデータから、物価高や猛暑といった外的要因が、この世代のメイクや美容習慣に大きな影響を与えていないことが読み取れます。

おしゃれの価値観に見られる変化

おしゃれをする上で大切にしていることについては、「似合っていること」が増加して1位となりました。一方、前回調査で1位だった「きちんとして見えること」は17.5ポイントダウンしています。対照的に、「場に合っていること」は12.5ポイントアップという結果になりました。

この結果は、おしゃれが他者評価を意識した「きちんと見える」ことから、より自分自身や場面に適した「自分らしさ」を表現する手段へと変化していることを示しています。

おしゃれをする目的は「自分のため」に

おしゃれをする目的について自由回答で尋ねたところ、「気分を上げる・楽しい」「気持ちの切り替え」「自己満足・自己表現として」という声が頻出しました。

気分を上げる・楽しい

  • 自分の気分を上げ、楽しくなれて、活気があふれるようにするもの(83歳)
  • ウキウキして楽しい気分になれるもの(68歳)
  • それを着ることによって、気持ちの充足感を得られるもの(54歳)
  • テンションを上げたいときにおしゃれする(42歳)

気持ちの切り替え

  • 気が引き締まるような気分になれるもの(43歳)
  • 気合を入れるためのもの(83歳)
  • 気持ちの切り替えをするためのもの(67歳)
  • 普段着とは違う気持ちになれること。姿勢が伸びる様な気持ちになるものです(71歳)

自己満足・自己表現として

  • 自分のためのもの 自己満足(55歳)
  • 個性を発揮したいとき(81歳)
  • 自分が好きな自分を表現するもの(65歳)
  • 自分らしくいられるためのもの(40歳)

おしゃれ着の定義も自分軸で評価

おしゃれ着の定義についても自由回答で尋ねたところ、自分軸での評価が目立つ結果となりました。「自分が気に入っている服」「自分の生き方を表現するもの」「着心地の良さ」といった声が多く挙がっています。

自分らしさ・好み重視

  • 自分が気に入っていて似合っているもの 自信をもって人前にでられる服(66歳)
  • 普段着は子供に合わせた服装だけど、おしゃれ着は動きやすさなどを考えずに自分が着たい服装のこと(47歳)
  • 自分の生き方を表現するもの。トレーニングした成果を、最大限魅力的に見せる道具(64歳)
  • お気に入りで、長く着たいから普段はあまり着ないようにしている服(43歳)

機能性

  • 着心地の良さ、機能的なこと(82歳)
  • 動きやすく乾きやすい(83歳)
  • 自分にあったゆったりできる服(85歳)

素材・高級感

  • 手洗いしなければいけないようなデリケートな素材でできた服(44歳)
  • 普段はあまり着ないような汚れたら困るような洋服(53歳)
  • 動きづらさや着心地の悪さがあっても見栄えがいい、デザインが良いもの(43歳)
  • 普段は着ないスカートや、やや高価な素材の服(68歳)

また、「衣」への価値観としては、「良いものを長く着続けたい」がトップとなりました。

専門家の見解について

ハルメク 生きかた上手研究所の所長である梅津順江氏は、今回の調査結果について「きちんと」より「気分」、シニアのおしゃれに起きた静かな革命」と題して見解を述べています。

梅津氏によると、値上げラッシュが止まらず生活費の圧迫が続いている中でも、40~80代女性のおしゃれ消費は縮小しておらず、ファッション・美容への月あたりの支出は9,343円とほぼ横ばいで推移しているということです。

一方で、おしゃれに対する価値観は静かに変化しており、重視されるのは「きちんとしているか」よりも「自分に合っているか」になっています。シニアのおしゃれは、「他者に合わせる正解」から「自分や場に合わせる最適解」へと軸足を移しているとのことです。

その背景には、「自分のためにおしゃれをする」という意識の広がりがあります。自由記述では「気分を上げる」「楽しい」「気持ちの切り替え」「自己満足」といった声が目立ち、おしゃれが感情を動かす役割を担っていることがうかがえます。

さらに印象的なのは、「お気に入りの服を大事に長く着たい」「汚したくないからあえて普段は着ない」といった声です。新しく買うこと以上に、手持ちの服をどう活かし、今の自分に合わせてどう着こなすかに関心が向いているということです。

こうした選び方の変化は、おしゃれの質がむしろ高まっていることを示しています。日常では抑えつつも、「旅行」「外食」「文化体験」といった特別な場では、おしゃれがきっかけとなり消費を動かします。

梅津氏は、これからは商品単体の提案だけでは不十分であり、「どこへ」「どんな気分で」着ていくのかまで含めたシーン提案が重要になると指摘しています。おしゃれは今、「他人のための身だしなみ」から「自分の気分を整えるスイッチ」へと役割を変えつつあるとまとめています。

雑誌「ハルメク」について

販売部数No.1を誇る雑誌「ハルメク」は、50代からの女性が前向きに明るく生きるための価値ある情報を届けています。健康・料理・おしゃれ・お金・著名人のインタビューなど、幅広い情報が満載となっています。

ハルメク 生きかた上手研究所は、2016年から梅津順江氏が所長を務めており、年間約900人のシニアへの取材やワークショップを通じて、誌面づくりや商品開発、広告制作に役立てています。時代や世代も捉えて、半歩先の未来を予測・創造しているとのことです。

出典元:ハルメク 生きかた上手研究所

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