
マーケティング支援事業を展開する株式会社one(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:清水佑介)は、全国の18歳以上の既婚女性1,000人を対象に実施した「主婦のAI活用に関する調査」の結果を公表しました。調査期間は2025年12月3日から12月5日までの3日間です。
2025年は生成AIの社会実装が本格化した「AIエージェント元年」と位置づけられており、こうした技術の進化が家事や育児、家計管理といった主婦の日常生活にも浸透し始めています。今回の調査は、その実態と意識を把握することを目的として実施されました。
調査結果によると、日常生活でAIを利用している主婦の77.0%が、AIによって「生活がラクになった」と感じていることが判明しました。活用実態を見ると、AIは単純な「調べものツール」の枠を超え、家事の効率化やメンタルケアのサポート、対話相手として、主婦の家事や心理面での負担を軽減するパートナー・生活インフラとして根付きつつあることが明らかになりました。その一方で、情報の正確性や適切な付き合い方については不安を抱えており、AIに過度に依存せず使いこなそうとする慎重な態度もうかがえます。
この記事の目次
- 1 調査結果のトピックス
- 2 調査概要
- 3 調査結果の詳細
- 3.1 事前調査:AI利用頻度について
- 3.2 Q1.AIの利用状況について
- 3.3 Q2.最もよく利用するAIサービス
- 3.4 Q3.AIを利用するシーン
- 3.5 Q4.AIを使うことで「生活がラクになった」と感じるか
- 3.6 Q5.AIを使うことで「ラクになった」と感じる場面
- 3.7 Q6.生活がラクになる、おすすめのAIの使い方(自由回答)
- 3.8 Q7.AIの利用について不安に思うこと
- 3.9 Q8.AIを使って困ったこと(自由回答)
- 3.10 Q9.今後、AIをどのくらい活用したいか
- 3.11 Q10.お子様のAIの活用状況
- 3.12 Q11.お子様のAIの使い方
- 3.13 Q12.お子様のAI利用について、ご家庭で決めているルールや注意を促していること(自由回答)
調査結果のトピックス
主婦の13.7%が「1日に1回以上」AIを利用
日常生活におけるAI利用頻度については、「1日に数回」が8.4%、「1日に1回程度」が5.3%で、合計13.7%となりました。AIが"毎日使う"生活インフラとして定着しつつあることが読み取れます。
主婦のAI利用は「スマホ」でサクッと、利用サービスは「ChatGPT」が55.6%でトップ
利用デバイスは「スマホ」が87.5%で最も多い結果となりました。入力方法は「文字入力」が70.6%で主流ですが、「音声入力」を活用する層も2割弱おり、家事や育児をしながらの利用シーンが想定されます。
最もよく利用するサービスの1位は「ChatGPT」が55.6%で、2位の「Google Gemini」19.6%に大きく差をつけています。
健康・美容から料理、雑談までAIが頼れるパートナー、主婦のAI利用シーントップ3
1位は「健康・美容に関する相談」で32.2%、2位は「献立づくり・レシピ相談」で25.0%、3位は「雑談・話し相手になってもらう」で24.4%という結果になりました。
77.0%が「AIで生活がラクになった」と実感、時間短縮に加え「考える負担」軽減で余裕が生まれる
AIを使うことで「生活がラクになった」と感じている人は77.0%に達しました。「ラクになった」と感じる場面は「調べものに費やす時間が減った」が61.9%、「悩みを聞いてもらうことで気持ちがラクになった」が27.5%、「新しい家事のやり方・工夫が知れた」が22.5%、「料理や家事の『何をするか考える負担』が減った」が21.0%が上位となりました。
不安は「情報の正確性」と「適切な付き合い方」
AI利用に対する不安は「誤った情報に気づけないのではないか」が40.2%で最多でした。「自分の頭で考える力が衰えないか」が35.1%、「どこまでAIに頼ってよいのか・依存しすぎないか」が30.1%など、AIとの適切な付き合い方に不安を感じる方も多くなっています。実際に「AIが示した情報が間違っていた」「質問の仕方で回答が変わって困った」という声も寄せられました。
遊び相手・話し相手や勉強サポートに、子どももAIと一緒に成長中
小学生の63.1%、高校生の72.8%がAIを活用しています。勉強サポートから遊び・雑談まで幅広く利用されており、「答えでなくヒントを聞く」「まず自分で調べる」といったルールを設けて、上手な使い方を見守る姿勢がうかがえました。
調査概要
1.調査方法:WEBアンケート
2.調査対象:全国の18歳以上の既婚女性で、日常生活で月に数回以上AIを利用する方
3.有効回答数:1,000名
4.調査実施日:2025年12月3日から12月5日まで
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
調査結果の詳細
事前調査:AI利用頻度について
事前調査で「仕事」、「普段の生活」でのAIの利用頻度が質問されました。その結果、月に数回以上AIを利用する方の割合は「仕事」で24.6%、「普段の生活」で32.6%となりました。また「普段の生活」で1日に1回以上AIを利用する方の割合は「1日に数回」8.4%と「1日に1回程度」5.3%を合わせて13.7%でした。世の中の主婦の1割以上が毎日のように家庭生活にAIを活用しており、生活インフラとして浸透しつつあることが分かりました。
日常生活で「月に数回」以上の頻度でAIを利用すると回答した方1,000人を対象として本調査が実施されました。
Q1.AIの利用状況について
AIを利用するデバイスは「スマホ」が87.5%で最多となり、続いて「パソコン」が37.3%でした。入力方法では「文字入力が多い」が70.6%で主流ですが、18.6%が「音声入力が多い」と回答しています。手が離せない調理中や子育て中の場面では「スマホ×音声入力」を便利に使う方も多いと考えられます。
Q2.最もよく利用するAIサービス
最もよく利用するAIサービスは、「ChatGPT」が55.6%で、2位の「Google Gemini」19.6%に大きな差をつけて1位となりました。一方で「どれを使っているかよくわからない」という回答も13.6%あり、特定のサービスを意識せず、検索の延長やアプリ内の機能として自然にAIを取り入れている主婦も多いことが分かります。
Q3.AIを利用するシーン
AIを利用するシーンは、1位が「健康・美容に関する相談」で32.2%、2位が「献立づくり・レシピ相談」で25.0%となりました。次いで3位は「雑談/話し相手になってもらう」で24.4%でした。AIが対話相手として利用されていることは、ともすれば家庭で孤独になりがちな主婦にとってAIが心の支えにもなっていると考えられます。
Q4.AIを使うことで「生活がラクになった」と感じるか
AIを使うことで「生活がラクになった」と感じるかを聞いたところ、「感じる」が23.5%、「まあ感じる」が53.5%で、合わせて「ラクになった」と感じる割合が77.0%に達しました。
Q5.AIを使うことで「ラクになった」と感じる場面
AIによって「ラクになった」と感じる場面の1位は「調べものに費やす時間が減った」で61.9%でした。いくつもの本やWEBサイトを見なくてもAIに質問すれば今の状況に合った回答を返してくれるため、調べものの時間短縮や得られる情報の的確さにメリットを感じている方が多いと推測されます。2位は「悩みを聞いてもらうことで気持ちがラクになった」で27.5%でした。人に言えない悩みをAIに打ち明けることで、精神的な負担がラクになっている方も多いようです。また家事に関して「新しい家事のやり方・工夫が知れた」が22.5%、「料理や家事の『何をするか考える負担』が減った」が21.0%も上位に入りました。主婦にとってAIは、調べたり考えたりすることにかかる負担を減らし、「時間と心の余裕」を生み出してくれる存在なのかもしれません。
Q6.生活がラクになる、おすすめのAIの使い方(自由回答)
生活がラクになるおすすめのAIの使い方を聞くと、家事や育児に役立つ活用法が挙げられました。以下、主な回答を紹介します。
- 毎日冷蔵庫にある食材だけで何ができるかを相談する。アレルギー対応のレシピを教えてくれるので、調べる時間が大きく減った。(46歳/福岡県)
- タスクが多いときに、やるべき事をまとめてくれるので、頭の中の整理がつきやすい。(39歳/宮城県)
- 体調が悪くても家事をやらないといけないとき、「最低限」する事を相談してスケジュールを立ててもらうと、気持ち的にラクになった。(41歳/大阪府)
- 片付けたい部屋の写真を見せて何から手をつけるべきか教えてもらう。(57歳/千葉県)
- 何となく体調がすぐれないとき、いろいろな原因を見つけてくれる。(61歳/京都府)
- 健康診断結果をもとに、食生活の見直しを相談してレシピ提案までしてもらえた。(54歳/埼玉県)
- 家族への不満をこっそり聞いてもらってガス抜きすると生活しやすくなる。(48歳/広島県)
- 不安や悩みを聞いてもらえる。「気にしなくていいですよ」くらいは人間でも言ってくれるけど、「なぜ私が気にしなくていいか」をすごく納得のいくように説明してくれる。(48歳/三重県)
- ニュースを見ているときに、そのニュースのメリット・デメリット(賛成・反対)双方の情報を聞く。自分で考えるための材料を提供してもらう。(27歳/東京都)
- 子どもの月齢に応じた発達を促す遊びの例を聞いた。(27歳/和歌山県)
- 旅行に着て行く服装に困ったときに相談する。(62歳/愛知県)
- 旅行のしおりを作ってもらう。(27歳/東京都)
- 学校向けの文章などを自分の言葉で言うとしっかりした文章にしてくれるのでラクになった。(43歳/長野県)
- 子どもが孫と帰省する際に準備するべきものの相談。今の育児がわからないし、月齢によって必要なものが変わるので助かる。(67歳/神奈川県)
特に、家事の優先順位づけや手順を考えてもらうことで、行動に移すまでのスピードや作業効率がアップするという回答が多く寄せられました。また「家族への不満を聞いてもらってガス抜き」や「不安や悩みを聞いてもらう」など、メンタルケアツールとして活用することで気持ちの面で「ラクになる」という方も多くいました。
Q7.AIの利用について不安に思うこと
便利にAIを活用する一方、AI利用について感じる不安を聞いたところ、最も多い回答は「誤った情報に気づけないのではないか」で40.2%となりました。AIが出す情報の正確性や、誤情報を正しいと思って利用してしまうことを懸念する方が多いようです。2位は「自分の頭で考える力が衰えないか」で35.1%、3位は「どこまでAIに頼ってよいのか・依存しすぎないか」で30.1%となり、AIに頼りすぎることのリスクを認識し、主体的に使いこなそうとする主婦の冷静な姿勢がうかがえます。
Q8.AIを使って困ったこと(自由回答)
AIを使って困ったことを聞くと、以下のようなリアルな困りごとが挙がりました。
- 本当に正しい情報か見極めるのが難しい。(37歳/栃木県)
- なんでも肯定してくれるから、間違った解釈をしないか判断が難しい。(38歳/大阪府)
- AIへの質問の仕方によって回答が変わることがあり、何が真実かわからなくて困ったことがある。(41歳/青森県)
- 病気の症状で重く言われて不安になる。(44歳/岐阜県)
- AIが示した情報が古く、行こうと思っていたお店が別のお店に変わっていた。(25歳/新潟県)
- 旅行の時刻表や店舗情報は違っていることが多く信用できない。AIに聞いてからGoogleやYahoo!で調べ直すようにしている。(63歳/福岡県)
- 子どもたちにAIを教えたら、親に質問する機会や回数が激減した。(45歳/大阪府)
「質問の仕方で回答が変わる」、「AIが示した情報が古い・間違っている」など、リアルな困りごとが挙がりました。主婦は自身の経験から、AIを鵜呑みにせずに自分で確認することの重要性も学んでいることが分かります。
Q9.今後、AIをどのくらい活用したいか
今後AIをどのくらい活用したいと思うか聞いたところ、「今よりさらに活用していきたい」が28.8%と3割近くが今よりもAI活用を増やしていきたいと考えていることが分かりました。「今と同じくらい活用していきたい」が62.2%で、合わせると9割以上が今後のAI活用に高い利用意向を示しています。AI活用により「生活がラクになる」実感を得た主婦にとって、AIはなくてはならない存在となり、今後も家庭生活により深く根付いていくものと考えられます。
Q10.お子様のAIの活用状況
※4歳から高校生までのお子様がいる方が回答
4歳から高校生までのお子様がいる方に、お子様のAI活用状況が聞かれました。その結果、子どもがAIを「使っている」の割合は「未就学(4歳から6歳程度)」で51.3%、「小学生」で63.1%、「中学生」で73.0%、「高校生」で72.8%となりました。親が日常的にAIを活用しているため家庭にAI利用環境がある・AI利用への抵抗感が少ないなどの要因はありますが、高い利用率と言えるのではないでしょうか。
Q11.お子様のAIの使い方
※4歳から高校生のお子様がAIを使っている方が回答


子どものAIの使い方は、すべての年齢で「日常生活のちょっとした疑問や調べもの」・「勉強で分からないことを質問する」が上位となりました。回答割合のランキングから、子どもが成長するにつれ、「話し相手」「遊び相手」から「学習サポート」へ役割が変わっていく様子が見てとれます。
Q12.お子様のAI利用について、ご家庭で決めているルールや注意を促していること(自由回答)
※お子様がいる方が回答
子どものAI利用に関して、家庭では以下のようなルールや注意が設けられています。
- 学校の宿題には利用しないこと。例えば「ペットに◯◯を食べさせても大丈夫?」のような日常生活の中のちょっとした疑問など簡単な利用に限定している。(41歳/青森県)
- 答えでなくヒントを教えてもらうようにしている。(44歳/埼玉県)
- 問題の解き方を何通りも教えてもらう。(38歳/東京都)
- 教科書や辞書を見て、わからなかったらAIを使うように注意を促している。(48歳/静岡県)
- まず自分で、辞書などで調べること。AIの回答が事実か確認すること。(37歳/大阪府)
- AIもときどき間違ったり情報が古かったりするから、情報ソースは複数確認したいね、と話しています。(48歳/広島県)
- 文章を書くことがあっても、AIの丸写しはしないこと。(42歳/群馬県)
- 学校の課題をやるときに「AIを使ってOK」という指示がない限りは使わないように伝えている。(44歳/埼玉県)
- 学校の提出物は出典等に気をつけて出すように言っている。(44歳/大阪府)
- 個人情報に関する事や、ネット上の誹謗中傷などに関する書き込みや相談をしないこと。(29歳/山梨県)
子どものAI利用に関して、家庭では「問題の答えを聞かない」、「まず自分で考える」といったルールが設けられており、安易に回答に飛びつかせない工夫をしていることが分かります。子どものAI活用においては、自ら考える力を守り育み、上手なAIとの付き合い方を身につけてほしいと願っていることの表れなのではないでしょうか。
出典元:株式会社one












