イプソス調査：日本人の半数以上がインフレの戻らないことを予期

2025年12月17日 2025年12月17日

コマースピック編集部　プレス配信チーム

世界最大規模の世論調査会社として名高いイプソス株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：内田俊一）が、30か国の合計23,772人を対象とした「イプソス生活費モニター」の結果を発表いたしました。調査結果によると、日本人の51%が「インフレは通常の状態には戻らない」と考えていることが確認されました。また、「今後1年間で自分の生活水準が上昇する」との見込みを持っている日本人はわずか10%であり、これは30カ国中で最も低い数値であることも浮き彫りになりました。これにより、日本人の未来に対する見通しが悲観的であることが明らかとなっています。

この記事の目次

1 調査結果
2 調査概要

調査結果

51％の日本人が「インフレは通常の状態に戻らない」と予想（グラフ1）

「自国のインフレが落ち着いて通常の状態に戻るまで、どれくらいの期間がかかると思いますか？」という質問に対し、日本人の51%が「通常の状態には戻らない」との見解を示しました。これは30カ国中で最も高い割合であり、次点のオランダよりも18ポイントも多く、30カ国の平均26%の約2倍に達する数字となっています。

生活水準が今後上昇すると考える日本人はわずか10%（グラフ2）

「今後1年間で自分の生活水準はどうなると思いますか？」という問いに対し、「かなり上昇する」または「少し上昇する」と回答した日本人は、30カ国中で最も少ない10%にとどまりました。一方で、「かなり低下する」または「少し低下する」といった否定的な見解を持つ人々は38%に上り、これはトルコやフランスに次いで3番目に多い数字でした。

「経済的なやりくりがうまくいっている」と感じる日本人は10カ月で5ポイント減少、30カ国中27位（グラフ3、4）

「最近、経済的な管理がうまくいっていると思いますか？」という質問に、日本人の20%が「快適に暮らしている」「まぁまぁうまくやっている」とポジティブな回答をしました。これは30カ国平均の37%を大きく下回っており、特に17ポイントの差が顕著です。また、2024年11月の調査と比較すると、この快適性は5ポイント低下していることも明らかになりました。

この調査結果について、イプソス株式会社の内田俊一社長は以下のようにコメントされています。「調査を通じて、日本における物価や生活水準の見通しが非常に悲観的であることが浮き彫りになりました。また、昨年11月と比較すると、その快適性が低下しているという点も注目すべきです。このような状況は、国内経済の停滞感や米国の相互関税政策への懸念など、不安要素が反映されているのかもしれません。最近、日本の政権のトップが交代しましたが、今後の政策には期待するとともに、日本人の期待感の変化にも注目していきたいと思います。」