
販売部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」などを通じて、50代以上の女性のインサイトを日々研究している「ハルメク 生きかた上手研究所」が、50歳以上の女性を対象に実施した「好きなキャラクター」に関するアンケート調査結果を発表しました。
調査は事前調査506名、本調査546名の女性を対象に実施されています。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2025年1月~6月)
調査概要
この調査は事前調査と本調査の2段階で実施されました。事前調査では「好きなキャラクター(ジャンル問わず)」について、回答者1名あたり最大3つまで自由記述形式で回答を収集。その中から回答が多かった20種類のキャラクターを選出されたとのことです。本調査では、これら20種類のキャラクターについて7段階評価による調査が行われました。
調査方法:WEBアンケート
調査対象:全国50~84歳の女性
調査実施日:事前調査 2025年9月3日(水)~9月8日(月)
本調査 2025年9月19日(金)~9月24日(水)
回答者数:事前調査 506名 本調査 546名
※本調査は50代、60代、70代以上が均等になるよう再集計されています。本文中の回答者数は再集計後の人数です。
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
集計方法
各キャラクターの評価(7段階)に応じて配点を行い、ウエート平均によりランキングが算出されました。順位は小数第二位以下の差を含めたもので、同じ数値表示でも第二位以下で差があるとのことです。
質問内容:「以下は『好きなキャラクター』として多く挙がったものです。それぞれのキャラクターについて、あなたはどの程度好きですか。」
配点:とても好き:100点、好き:85点、まあ好き:65点、どちらともいえない:50点、あまり好きではない:35点、好きではない:15点、全く好きではない:0点
なお、そのキャラクターを知らないと回答した人は集計から除外されています。
調査サマリ - 50歳以上の女性が選ぶ人気キャラクターランキング
1位 スヌーピー
「好きなキャラクター」の第1位は「スヌーピー」でした。すべての年代で1位となっています。好きな理由としては、1位「昔からあるキャラクターだから」、2位「かわいい」、3位「親しみやすい」が挙げられたとのことです。
2位 くまのプーさん
第2位は「くまのプーさん」です。50代・60代では5位、70代では4位と年代別では上位ではないものの、他のキャラクターの順位にばらつきがあったため、総合的に2位となったようです。好きな理由は1位「かわいい」、2位「親しみやすい」、3位「癒される」となっています。
3位 ミッフィー(※「うさこちゃん」含む)
第3位は「ミッフィー」です。50代で2位、60代で4位、70代以上で7位という結果でした。好きな理由としては1位「かわいい」、2位「シンプルでよい」、3位「親しみやすい」が挙げられています。





そのキャラクターを好きな理由(事前調査の自由回答抜粋)
1位 スヌーピー
- 大人が持っていても許されると思っているため(51歳)
- ヴィンテージものを収集している(56歳)
- 自由人、まるで私の配偶者みたい(63歳)
- とぼけた風で、いろいろな言葉に含みを持っている。教訓もある(69歳)
- 同い年。昔、「歳はいくつ?」と聞かれた時、「スヌーピーと同い年」と煙に巻いた(71歳)
2位 くまのプーさん
- ドッシリ、大らかで、とことん癒し系だから(63歳)
- 父に似ているから(73歳)
- 子どもの頃から好き。包容力がありそうな所(75歳)
3位 ミッフィー
- かわいらしく、イラストに品がある(59歳)
- 子どもの時から知っている。自分の子どもを育てている時も、今も、ずっと健在であること。毒がないところ。単純な線で描かれていること(66歳)
- 単純な絵なのにとてもセンスがあると思う(73歳)
その他のキャラクター(ランキング外を含む)
トトロ
- 見ているだけでほっこりする癒し系。自然や家族の温かさを感じられるキャラクター(59歳)
ピーターラビット
- イギリスの湖水地方まで行った。子どもの食器はウェッジウッドのピーターラビットだった(66歳)
ムーミン
- 若い頃からなぜか好き。あの体のフォルムとか、世界観とか。スナフキンも好き(51歳)
ミッキーマウス
- 昔、子どもの頃に見たディズニー世界のキャラクターは何年経過しても心の中に残っています(72歳)
ドラえもん
- 孫も好きで、3世代で楽しめる。LINEのアイコンにドラえもんと一緒に写っている自身の写真を使っていますが、40代の人から反応が複数あり、みんな好きなのだなーと思いました(62歳)
ハローキティ
- 以前は便箋やハガキなど、いろいろ集めていました。ご当地キティも集めました。ぬいぐるみもあります(75歳)
アンパンマン
- 朝ドラ「あんぱん」を見たり、孫がとにかく好きだったりで、私も好きになった(66歳)
リトルミイ
- 少しひねくれているところが愛おしい(61歳)
蔵馬(幽☆遊☆白書)
- 「幽☆遊☆白書」が大好きだった。蔵馬はイラストも描いていた。今も好き。なぜか最近サンリオと「幽☆遊☆白書」がコラボしていて驚いた。まだ需要があるのだとすると、好んでいるのは私だけじゃないはずで、それも嬉しい(51歳)
赤毛のアン
- 小学生のころに本を読んでから、すでに50年以上の友だち。彼女の言葉が私の人生に深く影響している(69歳)
※事前調査の自由回答において、「好きなキャラクターはない」と回答した人は506名中52名(10.3%)でした。
専門家の見解

ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年から現職。年間約900人のシニアへの取材やワークショップを通じて、誌面づくりや商品開発、広告制作に役立てています。時代や世代も捉えて、半歩先の未来を予測・創造しています。
著書に『消費の主役は60代 シニア市場最前線』(同文舘出版)など。
50代以上が心を映しながら語るキャラクター愛 世代ごとの物語
平均64.9歳の女性が選ぶ「好きなキャラクター」は、1位スヌーピー、2位くまのプーさん、3位ミッフィーという結果でした。「好きなキャラクターはいない」と回答したのはわずか10.3%で、ほぼ全員が"自分のお気に入り"を持っているといえます。好きな理由として「昔から一緒だったから」という回答が目立ちました。長い時間軸でキャラクターと関係を育んできた世代らしく、"人生に寄り添い続けてくれた存在"として捉えている様子が印象的です。
興味深い点として、多くの回答者がキャラクターの"性格"に自分や周囲を重ねていることが挙げられます。例えばスヌーピーに対しては「自由人で配偶者みたい」「同い年だから」「とぼけているけれど深い」、プーさんには「ドッシリした癒し系」「父に似ている」、ミッフィーには「毒がなく品がある」「単純な線にセンスを感じる」など、まるで身近な人物を語るようなコメントが寄せられています。キャラクターは「これまで」を温めてくれる存在であると同時に、「自分の理想像の投影」でもあるようです。若い頃は"こうなりたい私"、子育て期は"見守ってほしい存在"、今は"心地よい距離感の相棒"として、人生の段階とともにキャラクターの意味づけが変化している様子がうかがえます。
さらに、年代によって2位以下が大きく変動する"コーホート差"も注目すべきポイントです。同じうさぎのキャラクターでも、50代はミッフィー、70代はピーターラビットを支持するなど、子ども時代に触れた体験が好みに深く刻まれています。ミッフィーが50代で2位なのに対し70代以上では7位、反対にピーターラビットが70代で2位なのに50代では9位という差には、アニメの普及期やキャラクターグッズの登場期といった"時代の空気"が反映されているといえるでしょう。それぞれが自分の歴史をそっと肯定してくれる相棒を見つけているのです。
50代以上の女性にとって、好きなキャラクターは"心の中のもう一人の自分"といえます。"過去"の思い出や物語を抱きしめながら、"今"の暮らしをユーモラスに、そして穏やかに彩る存在なのです。
出典元: 株式会社ハルメクホールディングス プレスリリース












