
株式会社Nint(本社:東京都新宿区、代表取締役:吉野順子)は、国内3大ECモール(楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング)のデータを収集・分析するクラウドサービス「Nint ECommerce」において、生成AIを活用したデータ分析を容易にする新機能「AI用PDF生成機能」を搭載したことを発表しました。
この新機能により、Nint ECommerceの分析画面データを、生成AIが読み取りやすい構造で整理した「AI用PDF」としてワンクリックで出力することが可能になります。画面のスクリーンショットだけでなく、表示元データ(CSV形式)やページ構造情報(JSON形式)を同一PDF内に自動収録することで、これまで手間のかかっていたデータの抽出・加工・整理といった前処理を大幅に削減できるようになったとのことです。同社によれば、この機能は追加料金なしで利用でき、すぐにAI分析を開始できるとしています。
この記事の目次
生成AIで、データ分析をもっと身近に
企業における生成AI活用は不可欠となりつつある現在ですが、従来のデータ分析では、AIに渡すためのデータ加工や形式調整が必要となり、現場での活用が進みにくい状況がありました。また、生成AIへの指示(プロンプト)の難しさやスキル差により、分析結果の品質・再現性がぶれやすいという課題も存在していました。
株式会社Nintは、こうした「AI分析の準備負荷」と「成果の再現性」という二つの課題に対し、分析画面をそのままAI分析に橋渡しする「AI用PDF生成機能」を提供することで、EC事業者のデータドリブンな運用をより迅速に推進する狙いがあるとしています。
新機能:AI用PDF生成機能について
AI用PDF生成機能は、Nint ECommerceの分析画面を、生成AIでそのまま分析できる形式で一括出力する機能です。AIが誤読しやすいデータ構造を補助情報とともに整理して渡すことで、AIの読み取り精度向上と分析準備の効率化を実現します。なお、同社によると生成AIの回答品質は各AIサービスに依存するとのことです。主な特徴は以下の通り。
見たまま+裏側データもPDF化(スクショ+CSV+JSON)
画面のスクリーンショット(1ページ目)に加え、その画面に表示されている元データ(CSV形式)やページ構造情報(JSON形式)を、AIが読みやすいテキスト形式で2ページ目以降に自動で収録します。
AIが読み取りやすい形式でのデータ出力を標準化
スクリーン表示だけでは捉えきれないデータの背景・構造を補足情報として整理して渡せるため、AIが内容を正確に理解しやすくなります。
用途別の分析の進め方/プロンプト例も用意(必要に応じて参照可能)
目的に応じた分析の進め方やプロンプト例も別途用意されており、生成AIとの対話をよりスムーズに開始できるようになっています。詳細は同社のヘルプセンター/ガイドで確認できるとのことです。


期待できる効果
同社によれば、本機能の提供によりEC事業者の分析業務において以下の効果が期待できるとしています。
- 分析準備の大幅削減
画面データの抽出・加工・整理をAI用PDFが代替し、AIに渡す前処理の負担が軽減されます。 - AI分析品質の向上
PDF内にCSVとJSONが収録されることで、AIが誤解しやすい構造情報を補い、読み取り精度の底上げが可能になります。 - 再現性向上/属人化の抑制
同じデータ形式・同じ進め方でAI分析を行えるため、担当者のスキル差を吸収し、チーム内での分析品質の平準化につながります。
活用シーン例
- セール後の売上変動要因の特定と報告レポート作成
- 競合・カテゴリの伸長要因から次回の注力商品を抽出
- 価格改定の影響を予測し、具体的な対策案を立案
同社は、AI用PDFを生成AIに取り込むことで、日々の分析から次の打ち手の仮説検討までのスピードを高めることができるとしています。
ご利用方法
本機能は、Nint ECommerceをご契約中のユーザーであれば追加料金なく、すぐに利用できるとのことです。利用方法は以下の通りです。
- Nint ECommerceにログインする
- 分析画面右上の紫色のPDFアイコンを選択
- AI用PDFをダウンロード
- 生成AIにPDFを読み込ませ、必要に応じてガイドを参照しながら分析を開始
今後の展望
同社は今後も、EC市場の変化を「素早く・深く・わかりやすく」捉えられる機能開発を通じて、企業の意思決定と事業成長をサポートしていくとしています。生成AIとECデータの連携をさらに強化し、データドリブンな運用の進化に貢献していく方針です。
Nint ECommerceについて
Nint ECommerceは、AIやクローリングなどの技術により日本国内の3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)で販売される商品の売上金額・販売数量を高精度に推計したデータに、ECモール内でのプロモーションデータ等も加えた総合的なECデータ分析ツールです。同社では無料トライアルも提供されているとのことです。
株式会社Nint 会社概要
代表者:吉野順子
所在地:東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー37F
設立:2019年2月
事業内容:ECデータ分析サービスの提供
Nintグループは「データで世界を自由にする」というミッションのもと、急拡⼤するEC市場において、誰もが最適なマーケティング施策を可能とするECデータ分析プラットフォームの実現を目指しています。中国・⽇本のEC市場で10年以上にわたり、EC市場動向に関する推計データを独⾃に蓄積・提供し、⽇本で約2,100社のサービス導⼊実績があるとのことです。
出典元:株式会社Nint プレスリリース












