
買取虎福とプラスト株式会社は、全国の20〜59歳の買取経験者320名を対象に「買取・査定に関する実態や満足度」についての共同調査を実施したことが発表されました。この調査では、査定を受ける際に利用した店舗数、売却したアイテムの種類、査定金額への満足度、重視ポイントなど、普段は見えづらい買取ユーザーの行動や心理が明らかになっています。
この記事の目次
「買取・査定に関する実態や満足度調査」概要
調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年11月15日~2025年11月26日
調査対象:全国の20歳~59歳の男女のうち、事前調査で「買取店舗を利用したことがある」と回答した方
有効回答数:320件
質問内容:
質問1:買取や査定を行う際、何店舗で見積もりを取りましたか?
質問2:これまでに売却・査定をしたアイテムを教えてください。(複数選択可)
質問3:買取・査定を考え始めたきっかけを教えてください。(複数選択可)
質問4:実際に買取店で受けた査定金額についてどう感じましたか?
質問5:査定金額に不満を感じた理由を、できるだけ具体的に教えてください。
※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※複数回答を含む設問では合計が100%を超える場合があります。
約7割が1店舗のみで査定。比較しない利用者が多数派に

調査によると、買取や査定を行う際に「何店舗で見積もりを取ったか」を尋ねたところ、51.3%が「1店舗のみ」と回答し、最も多い結果となったことがわかりました。
続いて「2店舗」が20.9%、「3店舗」が9.4%、「4店舗以上」が4.4%となり、複数店で比較した人は全体の34.7%にとどまっています。一方で、「覚えていない」と回答した人も14.06%おり、過去の査定経験が曖昧なまま利用しているケースも一定数存在することが明らかになったとのことです。
この結果から、「査定は1店舗で済ませる」という利用者の行動が一般的である一方、比較検討を行う人は少数派であることが浮き彫りになっています。
買取市場は、店舗によって査定基準・販路・需要が異なるため、同じ商品でも数千円〜数万円の差が出ることは珍しくないとされています。今回の結果は、「比較しないことで本来得られる価格を逃してしまう可能性がある」という課題を示唆しています。
売却アイテムは「ブランド品」「貴金属」「家電」が上位。日用品の売却も多数

調査の結果、もっとも多かった売却アイテムはブランド品(30.6%)で、続いて金・貴金属(25%)、家電(22.5%)、スマホ・タブレット・PC(19.1%)など、日常的な不用品から高価な資産まで幅広く売却されていることが報告されています。
一方で、「その他」が31.9%と最も多く、自由記述には多様なアイテムが挙げられていました。
その他のアイテム
洋服
切手
本
CD
DVD
洋服
クオカード
プラモデル
トレーディングカード
家具
コイン
車
おもちゃ
ビール券
など
これらの結果から、買取サービスは高級品だけではない幅広いニーズに支えられた市場であることが示されています。特にフリマアプリの普及により、モノを売る行為が日常化した影響もあり、使わなくなった物を気軽に手放す手段として買取店を活用する人が増えていると考えられます。
約7割が"使わなくなったタイミング"で売却。生活スペースや整理の必要性が買取需要を後押し

調査では、買取を考えたきっかけとして「使わなくなったから」(73.4%)が最も多く、不要品の整理を目的とした売却が中心であることが明らかになりました。
続いて、
「保管スペースがなくなった」(23.8%)
「資金が必要になった」(17.2%)
「新しいものに買い替えたかった」(15.9%)
など、生活に密接した現実的な理由が上位を占めています。特に「使わなくなったから」が突出して多い点については、"価値があるうちに手放す"という消費行動が一般化していることが背景にあると分析されています。
また、「保管スペースの確保」が一定数見られたことから、収納が限られた都市部の住環境や、近年のミニマリズム志向の高まりが影響している可能性も示唆されています。
さらに「資金が必要になった」「買い替えを検討した」などの回答も、消費サイクルの短縮や資産の再利用といった、現代的なライフスタイルを象徴する理由と言えるでしょう。
査定額を巡る評価は二極化。約6割が「普通以下」と回答

査定金額に対する満足度について尋ねたところ、「非常に満足した(7.8%)」「まあ満足した(30.6%)」を合わせても約38%に留まり、高い満足度が得られているとは言い難い結果となったことがわかります。
一方、最も多かった回答は「普通だった」(37.5%)で、査定額に対して「特に良くも悪くもない」と感じる利用者が一定数存在することが示されています。
しかし、「普通」「少し不満」「非常に不満」を合計すると約61%に達し、満足しきれていない層が多数派であることは否めません。特に「少し不満(15%)」と「非常に不満(9.1%)」を合わせた不満層は約24%と、4人に1人が査定金額に納得していない状況が浮き彫りとなっています。
不満の背景には、消費者にとってアイテムの市場価値がわかりにくいこと、店舗ごとに査定基準が異なり価格差が生じやすいことなどが影響していると考えられています。
査定金額に不満を感じた理由は「期待との差」と「説明不足」。査定プロセスの透明性に課題
査定金額に不満を感じた人(77名)に、具体的な理由を自由記述で尋ねたところ、不満の理由は大きく4つの傾向に分類できることが判明しました。
以下は、実際の回答内容に基づく分析です。
査定金額に対する不満
最も多かったのは「思ったより安い」「期待より低い」という回答で、77件中過半数がこの内容に該当したとのことです。
【実際の回答例】
「買取額が低かった」
「予想より安かった」
「定価の半値以下だった」
「大した値にならなかった」
「売らない方がマシと思える安さ」
査定の説明に対する不満
複数の回答で、査定が「納得できない」「説明がない」といった声が見られました。
【実際の回答例】
「査定の仕方が納得できない」
「理由の説明がなく、全部まとめての金額だけ言われた」
「安いことの説明がなかった」
アイテムの特徴による不満
回答の中には、アイテムごとの理由も明確に示されています。
【実際の回答例】高額アイテム関連
「ロレックス以外は評価額が低すぎる」
「貴金属が相場より安い」
【実際の回答例】衣類・書籍など低単価アイテム
「衣類が1点数円だった」
「本を百冊以上持ち込んでも安かった」
「値段がつかないと言われた」
対応・査定プロセスへの不満
金額以外の不満も回答として存在しました。
【実際の回答例】
「査定に1時間待たされた」
「担当者によって価格が違った」
「重箱の隅をつつくように傷扱いされた」
「即決を求められた」
「査定時間が長い」
今回の回答結果は、「適正な価格」だけでなく「納得できる説明や透明性」が満足度向上の鍵になるという重要な示唆を与えるものとなりました。
買取店に求める条件は「高額査定」「スピード」「手続きの簡単さ」が上位に

買取店を選ぶ際に重視するポイントについて尋ねたところ、最も多かったのは「査定額の高さ」(58.4%)で、半数以上の利用者が「少しでも高く売れること」を最重要視していることが明らかになりました。
次いで、
・「買取完了までのスピード」(48.8%)
・「手続きの簡単さ(店頭・宅配・出張など)」(45.9%)
が続き、短時間で手軽に利用できるサービスへのニーズが強いことがうかがえます。
一方、
「スタッフの対応や説明のわかりやすさ」(26.9%)
「企業や店舗の信頼性・知名度」(18.8%)
「口コミ・評判」(15.9%)
も一定数の支持があり、"安心して任せられるかどうか"を重視する層も少なくないことがわかります。
買取店にとっては、査定額の向上だけでなく、説明の丁寧さやスピード対応、手続きのわかりやすさといった、利用者に寄り添うサービス設計が求められていると言えるでしょう。
まとめ
今回の調査から、買取サービスを利用する人々の実態や価値観が明確になりました。調査の結果、買取利用者の半数以上が1店舗のみで査定しており、比較不足による損失リスクが浮き彫りとなっています。
不要品整理が売却理由の中心で、取引されるアイテムは日用品から高額品まで幅広いことが特徴です。査定金額には約4人に1人が不満を抱えており、金額の低さ以上に「説明の不十分さ」や「根拠の不透明さ」が不満要因として多く挙がっています。利用者が求めるのは、高額査定に加えて、納得感と安心感のある取引であり、買取サービスには透明性とサービス品質の向上が求められていることがわかりました。
出典元:プラスト株式会社 プレスリリース












