日経BPが発表!マーケティング・消費・テクノロジーの潮流を示す「トレンドマップ2025下半期」AIエージェントが最注目キーワードに

株式会社日経BP(本社:東京都港区、社長CEO:井口哲也)は2025年12月9日、マーケティング専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「マーケティング」「消費トレンド」「テクノロジー」の潮流を見極める「トレンドマップ 2025下半期」を発表されました。この調査では注目の全95キーワードがランキング化されています。

マーケティング、消費トレンド、テクノロジーの3分野は変化が激しく、様々なバズワードが飛び交う世界です。これらの中から中長期的に注目すべき潮流を見極めるため、日経クロストレンドの活動に助言する外部アドバイザリーボード約50人と、編集部の記者など各分野の専門家の知見を集約する形で調査が実施されました。

調査結果の概要

各キーワードについては、「将来性」と現時点での「経済インパクト」について、調査結果からそれぞれのスコアが算出されています。トレンドの変化に着目するため、前回スコアからの増減幅に注目してランキング化されています。

将来性スコアの伸びについては、25年4月に実施された前回調査との比較で、分野別のトップ3が明らかになりました。

マーケティング分野では、1位「AIエージェント」、2位「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」、3位「デザイン思考」「SDGs」となっています。

消費トレンド分野では、1位「α世代」、2位「巣ごもり消費」、3位「コト(体験)消費」という結果でした。

テクノロジー分野では、1位「空飛ぶクルマ(VTOL)」、2位「人間拡張」、3位「ロボティクス」がトップ3となっています。

一方、経済インパクトの伸びについては、マーケティング分野では「リテールメディア(アプリやデジタルサイネージなど)」、消費トレンド分野では「コト(体験)消費」、テクノロジー分野では「GNSS(測位衛星システム)」が、分野別でトップの評価を得ました。

各分野でスコアを伸ばしたキーワードランキング

時流を踏まえて今回の調査から新たに追加されたキーワードは、マーケティング分野の「LLMO・GEO・AEO・AIO」です。この新キーワードは、分野別スコアランキングでは31キーワード中7位という高評価を獲得しています。

新たに追加したキーワードの将来性スコア

最新トレンドマップの全キーワードのスコアと詳細解説記事は、25年12月9日に日経クロストレンドのWebサイトで公開される予定です。今回のトレンドマップ2025下半期調査は、25年11月に実施されました。

トレンドマップ2025下半期「マーケティング分野」の例

今回の調査結果から浮かび上がる主なトピックスは、以下の通りです。

トレンドマップ2025下半期のポイント

将来性スコアの伸長で、最注目は「AIエージェント」

将来性スコアで特に注目されているのは、マーケティング分野のAIエージェントです。前回の調査では3ジャンル全体で最も高く伸びたキーワードでしたが、今回の調査ではさらに伸長しています。前回比で0.50ポイント増となり、マーケティング分野のジャンル別で伸び率が1位となっています。

AIエージェントは、ここ数年急速に技術が進化している生成AIの流れをくむ技術で、25年に入り対応サービスが登場しました。人間がしてほしい作業をAIが先読みするため、少ない指示で人間の意図を理解しながら外部サービスにもアクセスして様々な手続きを行える点が特徴となっています。

あたかもインターネット上で自分の代理人(エージェント)のように振る舞うため、従来の作業にかかっていた手間が大幅に省けるとして注目を集めています。

当初話題となったのは、「Chat(チャット)GPT」で知られる米オープンAIが、2025年1月にリリースしたAIエージェント「Operator(オペレーター)」です。25年7月には、より使い勝手や機能を高めた「ChatGPT agent」を同社がリリースしました。また、米Google(グーグル)も25年12月に、最新のAIモデル「Gemini 3」を用いて固有業務を処理するAIエージェントをコーディングなしに作成できる「Google Workspace Studio」を発表しています。これにより、日々の生活で本格利用する生活者が増え、裾野が一気に広がりました。

最近では業務特化型のAIエージェントも登場し、企業導入の動きも活発化しています。例えば、会計クラウドを手掛けるfreeeやマネーフォワードは、経費精算や年末調整、確定申告といった比較的手間のかかる定型業務のいずれかを支援するAIエージェントを開発しています。こうした盛り上がりによって、ブレークスルーをもたらす可能性が更に高まったことが、数字の上で裏付けられた形となっています。

今後の市場トレンドの行方を占う上で注目すべきは、消費トレンド分野の将来性スコアの伸びが1位(前回比で0.53ポイント増)となったα世代です。

α世代とは小中学生を含む2010年以降生まれを指すキーワードで、Z世代(1990年代半ばから2010年代前半生まれ)に次いで新たな消費の担い手になるとして、期待を寄せる声が高まっています。

α世代の特徴としては、「スマートフォンやSNSへの依存度が低い」「AIからの情報を信用する」といった点が挙げられます。スマホやSNSが物心ついたときから存在するのが当たり前なことから特別視せず、通信ゲーム機やタブレットなどの様々なデバイスをやりたいことや目的に合わせてマルチタスクで使い分けることができるのが特徴です。

Z世代とは違った価値観を持っていることから、それに寄り添う形で斬新なサービスが生まれて活況を呈する可能性が高いことに注目している専門家が多いことが今回の調査で明らかになりました。

経済インパクトは、「リテールメディア」がマーケティング分野トップに

経済インパクトについては、リテールメディアがいよいよ離陸期を脱し、普及期に突入しつつあると多くの専門家が考えています。スコアは0.70ポイント増の3.05を記録し、マーケティング分野で伸び率がトップとなりました。

リテールメディアは、小売りチェーンが顧客向けに提供する独自アプリや店内に設置したデジタルサイネージ(電子掲示板)の画面をメディア化する、新たなマーケティングトレンドです。こうした画面の一部を広告枠として売り出すことで新たな収益源が得られることから、国内外の小売りチェーンが積極的に事業化に取り組んでいます。

例えばセブン‐イレブン・ジャパンは22年に事業化をスタートさせ、広告出稿金額が3年で20倍超に成長したことを明らかにしています。事業をさらに加速できるとみて、25年9月の組織改編でリテールメディア推進部を経営直下の組織に格上げしました。大型のディスプレーを3面配置した「デジタルサイネージ広告」の設置店は25年8月時点では約500店舗でしたが、11月末までに全店舗のおよそ6分の1に当たる3500店舗まで拡大しています。

CARTA HOLDINGSの調査によると、25年の国内リテールメディア市場規模は約5982億円の見込みで、28年には約1兆845億円と大きく拡大する見通しです。その重要性から、経済インパクトがますます高まっている事実が、本調査結果から明らかになりました。

調査概要

「トレンドマップ2025下半期」の分析手法

調査は2025年11月に実施されました。編集部がマーケティング分野の34キーワード、消費トレンド分野の31キーワード、テクノロジー分野の30キーワード、計95キーワードを選定。それぞれを認知する人に、そのキーワードの「将来性」と現時点での「経済インパクト」を5段階で尋ねてスコアリングしました。質問の選択肢は下記の通りです。

[将来性(=企業の収益貢献や社会変革へのインパクト)]

1.将来性は低い/2.将来性はやや低い/3.どちらとも言えない/4.将来性はやや高い/5.将来性は高い

[経済インパクト]

1.どの企業も収益を得られていない/2.一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している/3.一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している/4.大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している/5.社会全体になくてはならない存在

日経クロストレンドについて

「日経クロストレンド」は、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供するデジタルメディアです。デジタルテクノロジーの進化などで様変わりする企業の新商品開発、マーケティング戦略、事業戦略の最前線をデータと実例を基に詳報し、「売れる商品」「サービス開発」の勘所を解き明かしています。

対象は企業の経営企画、新事業開発、商品企画・開発、システム、マーケティング、営業、顧客窓口など幅広いビジネスパーソンで、Web・スマートフォンサイト、スマホアプリを中心に情報が提供されています。

出典元:株式会社日経BP プレスリリース

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