
株式会社DearOne(本社:東京都港区、代表取締役:河野 恭久)は、小売店舗(スーパー・コンビニ・ドラッグストアなど)の公式アプリを週1回以上利用するユーザー483名を対象とした調査結果をまとめた「リテールメディア動向レポート〜ARUTANA Lab Vol.2〜」を公開したことが発表されました。
同レポートでは、公式アプリが単なる「会員証・決済ツール」の枠を超え、顧客の購買行動そのものを変える「リテールメディア」として機能し始めている実態について詳しく解説されています。
この記事の目次
調査結果サマリー
- 店内でアプリを開くユーザーの約71%が、購買の意思決定が行われる「レジ前の店内」でもアプリを活用しているとのことです。
- 買い物は「自宅での計画」と「店内での実行」に分かれており、情報を受け取りたいタイミングは「自宅」が約44%で最も多くなっています。
- 約64%のユーザーが「自分に関係ない情報」を迷惑だと感じているそうです。広告への不快感は「フォーマット(出し方)」よりも「コンテンツ(中身)」のミスマッチが主な原因となっています。
- 過半数のユーザー(約53%)がアプリの情報をきっかけに「ブランドスイッチ」を経験しているとのことです。クーポンだけでなく「商品の魅力紹介」などの情報も新規購入を後押ししています。
- 約64%のユーザーが購買履歴などのデータ活用に肯定的であることが分かりました。ただし、メリットと引き換えの「価値交換」が前提となっています。
本レポートの主なトピックス
このレポートでは、上記サマリーの詳細データに加え、顧客の意識や実態を明らかにしながら、これからのリテールメディアが成功するために不可欠な「3つの条件」を提言しています。
1.「アプリはレジで使うもの」は思い込み?7割が回答した本当の利用シーン
「アプリは、レジで会員証やクーポンを出す時にしか開かれない。」そのように考えている担当者も少なくないと思われますが、実際には、約72%のユーザーがレジでアプリを開く一方で、店内でアプリを開くユーザーの約71%が、レジに並ぶ前の「棚の前」などでもアプリを活用していることが明らかになっています。

これは、アプリが単なる決済・割引ツールではなく、「どちらの商品を買うか」「何を買うか」という購買の意思決定そのものに深く関与していることを示しています。
2. 購買行動は「分断」されている。44%が望む「自宅」でのアプローチ
多くの企業が店内の販促に注力する一方で、ユーザーが情報の受け取りを希望する場所のトップは「自宅(44%)」という結果が出ています。しかし、多くのリテールメディア施策は「店に来てから」の販促に偏りがちだとのことです。顧客の購買行動は、「自宅での計画(認知・興味)」と「店内での実行(購買)」に分断されており、この分断をつなぎ合わせることが、大きな機会損失を防ぐ鍵となっています。

3. アプリは顧客維持の手段にとどまらない。53%が「ブランドスイッチ」を経験
「アプリは既存顧客を囲い込むための守りのツール(CRM)だ」と定義している企業もあるかもしれませんが、調査によればアプリは新規顧客を獲得する「攻め」のメディアとしても高い効果が期待できることが分かっています。
本調査では、半数以上(52.6%)のユーザーが、アプリの情報をきっかけに「いつもと違うブランドや商品」を試すブランドスイッチを経験していることが明らかになりました。

そのきっかけはクーポンだけでなく、「商品の魅力紹介」といった情報コンテンツにもあるとのことです。しかし、常にブランドスイッチを促せばよいというわけではなく、文脈を無視した提案は、かえって顧客の信頼を損なう可能性が高く、慎重な運用が求められると指摘されています。
同レポートでは、これらの顧客の意識や実態を明らかにしながら、これからのリテールメディアが成功するために不可欠な「3つの条件」を提言しています。
調査概要
調査設計:全国4,000名の20歳以上の男女にスクリーニング調査を実施し、以下の条件を満たすユーザーを本調査の対象として抽出したとのことです。
調査対象者:小売店舗(スーパー・ドラッグストア・コンビニなど)公式アプリを週1回以上利用するユーザー
有効回答数:483名
調査時期:2025年9月8日~9月10日
調査方法:インターネットリサーチ
調査企画・実施:株式会社DearOne
※データは小数点第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
「リテールメディア動向レポート」公開の背景
国内のリテールメディア広告市場は2024年に4,692億円規模に達すると予想されています。特に店舗を持つ小売事業者に限定したリテールメディア広告市場は、2024年の予測値で約550億円規模に達したとされ、これまでEC中心だった市場においてリアル店舗を軸にした取り組みが本格化していることが分かります。
この流れを受け、多くの小売企業がリテールメディア専任部門の立ち上げやメディア運営組織の内製化を進める一方で、そのポテンシャルを最大限に引き出すための具体的な戦略設計に課題を抱えているようです。
また顧客との接点においては、これまでの「個別アプリ」から、顧客接点を集約し、体験価値を最大化する「統合アプリ」への移行も進んでおり、リテールメディアを考える上でアプリの役割も重要になっているとのことです。
このような状況を踏まえ、株式会社DearOneが提供するリテールの公式アプリ群に横断的に広告配信が可能なリテールメディアプラットフォーム「ARUTANA(アルタナ)」の運用知見を基に本レポートが作成されました。
*、*¹出典 - 株式会社CARTA HOLDINGS、リテールメディア広告市場調査を実施
「ARUTANA(アルタナ)」について
「ARUTANA」は、リテール企業公式アプリをアドネットワーク化し、横断的に広告配信が可能なリテール公式アプリアドネットワークです。
広告主は「ARUTANA」へ広告出稿するだけで、複数のリテール公式アプリに一斉に広告配信が可能となります。ユーザーが能動的に立ち上げるリテール公式アプリは、75%が店舗内で起動されるため、購買意欲の高い消費者に対して直接訴求でき、高いコンバージョン率と投資対効果が見込めるとのことです。
リテール事業者は、自社の公式アプリに「ARUTANA」の仕組みを導入するだけで、開発コストをかけることなく、新たな広告収益を確保できます。管理画面からの簡単な操作で広告掲載を管理でき、アプリの収益化をスムーズに実現できるようです。
現在、株式会社ツルハ様、株式会社大創産業様、株式会社ロイヤリティマーケティング様、株式会社エディオン様をはじめ、多くのリテール企業の皆様に参画いただいており、配信先アプリのMAU(Monthly Active Users)は4,750万人にのぼります(2025年11月時点)。
リテールメディアプラットフォーム「ARUTANA(アルタナ)」
株式会社DearOneについて
株式会社DearOneは、豊富なアプリ機能の中から、必要とする機能を組み込むだけで公式アプリを開発できる「ModuleApps2.0」をはじめ、リテールの公式アプリ群に横断で広告配信可能なリテールメディアプラットフォーム「ARUTANA」も提供しています。
さらにユーザー行動分析ツールである「Amplitude」をはじめとして、CDP、アナリティクス、カスタマーエンゲージメントの各種マーテックツールを取扱い、アプリやECサイトなどのデジタルプロダクトのグロースを支援しているとのことです。
代表者:代表取締役社長 河野 恭久
本社:東京都港区虎ノ門 3-8-8 NTT虎ノ門ビル 4階
出典元:株式会社DearOne プレスリリース











