株式会社シノプス、藤三の全25店舗に需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」の導入完了 - 発注業務の効率化と食品ロスの削減を実現

株式会社シノプスが、広島県呉市に本社を置く株式会社藤三の運営するスーパーマーケット全25店舗への需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」の導入が完了したことを発表しました。同サービスの導入により、発注業務の大幅な効率化と食品ロス削減の両立を実現しているとのことです。

導入の背景

株式会社藤三は、広島県内に食品スーパー「藤三」とディスカウントスーパー「ビッグハウス」の計25店舗(2025年11月末時点)を展開するスーパーマーケットです。ローコスト運営、快適な売り場設計、地元食材を活用した多彩な惣菜を軸に、長年地域に根ざした店舗運営を行ってきました。

しかし同社では、発注業務に関して複数の課題を抱えていたようです。日配部門(牛乳、乳製品、豆腐、生麺やデザート類といった賞味期限の短い食品の総称。デイリーとも呼ばれる)では経験と勘に頼った担当者による手動発注、グロサリー部門(調味料、缶詰、ペットボトル飲料・酒類、お菓子などの常温で管理保存が可能な加工食品)では基幹システムによる発注点管理方式(あらかじめ決めておいた在庫数を下回るたびに一定量を発注する仕組み)での自動発注を採用しており、担当者の属人化や天候やイベントなど急な需要変動への柔軟な対応が困難な状況だったとのことです。

その結果、賞味期限の短い日配品やパンのロス率が高く、発注作業には1店舗あたり月間約100時間もの時間が費やされていました。これらの課題を解決するため、藤三は需要予測型の自動発注システム導入を検討。「sinops-CLOUD」の1カテゴリ・1機能・1店舗から導入可能な柔軟性、初期投資を抑えられる点に加え、ロス削減や人時改善への高い効果と豊富な実績を評価され、2024年11月に採用が決定しました。一部店舗での実証実験を経て、2025年10月には全店舗での本稼働が完了しています。

導入効果

今回「sinops-CLOUD」が導入されたのは、日配、惣菜、パン、精肉、冷凍食品、日用雑貨をはじめとした17カテゴリです。導入の結果、最も顕著な効果として、発注業務の効率化による作業時間の劇的な削減が確認されたとのことです。当初の目標は1店舗あたり月間60時間の削減でしたが、実際には発注作業で約47時間、品出しなどの関連作業で約77時間、合計約124時間の人時削減を達成しています(効果数値はいずれも導入店舗の平均値)。

また、AIによる精度の高い需要予測に基づいた自動発注により、食品ロスが課題だったカテゴリにおいても、食品ロスの削減と売上向上の両立も実現しているようです。具体的には、以下の効果が確認されています。

  • パンカテゴリ:売上が3%増加、ロス率は1.3pt削減
  • 日配カテゴリ:売上が1%増加、ロス率は0.3pt削減
  • 惣菜カテゴリ:売上が6%増加、ロス率は1.3pt削減

このように、販売機会の損失を防ぎながら無駄を削減する効果が実感されています。店舗担当者からは、「発注勧告の精度が高く、端末(sinops-Pad/Got)も使いやすい」「発注勧告の根拠も確認でき、納得感がある」といった高い評価のコメントも寄せられているとのことです。

今後の展開

藤三は今後も「sinops-CLOUD」を積極的に活用し、さらなる食品ロスの削減、在庫の最適化を推進する予定とのことです。これにより、店舗オペレーションの継続的な効率化を図り、地域のお客様へのサービス向上と企業価値の向上を目指していくようです。

主な導入サービス

今回導入されたサービスには以下のようなものがあります。

  • sinops-CLOUD リアルタイム在庫:店舗ごとの在庫・売上情報をリアルタイムで把握できるサービス
  • sinops-CLOUD 客数予測:天候・イベント等を加味し、時間帯別の客数を予測するサービス
  • sinops-CLOUD 日配:日配品に特化した需要予測型自動発注サービス
  • sinops-CLOUD 惣菜:惣菜に特化した需要予測型自動発注サービス
  • sinops-CLOUD パン:パンに特化した需要予測型自動発注サービス
  • sinops-CLOUD グロサリー:グロサリーに特化した需要予測型自動発注サービス
  • sinops-CLOUD 雑貨:雑貨に特化した需要予測型自動発注サービス
  • sinops-CLOUD 品揃登録:日別の適正品揃えを本部や店舗でコントロールするためのオプションサービス
  • sinops-Pad/Got:棚割メンテナンス、発注端末アプリ

「sinops-CLOUD」について

「sinops-CLOUD」は、需要予測・自動発注を軸としたクラウドサービスを1カテゴリー・1機能・1店舗から、必要な機能を必要なときに低価格で導入できるサービスです。在庫情報をリアルタイムで収集する「リアルタイム在庫」や45日先までの客数を予測可能な「客数予測」、販売実績や天気予報などのさまざまなデータから、店舗にあわせた発注数をAIが算出する自動発注サービスのほか、惣菜の値引き率・タイミングをAIが導き出す「AI値引」などもラインナップしています。

株式会社藤三について

株式会社藤三は、呉市を中心に広島県内に25店舗(2025年11月末時点)を展開するスーパーマーケットです。藤三はひとつひとつのお店が地域の皆様に愛され、毎日安心してお買物を楽しんでいただけるお店づくりを目指しています。もっと良い品をお値頃価格で、もっと新鮮で美味しいものを皆様の食卓へお届けしたい。そして毎日ご利用いただくすべてのお客様を笑顔にしたいという思いから、笑顔の食卓づくりのお役にたてるよう、いま一番求められているおいしさやサービスの向上に努めているとのことです。

株式会社シノプスについて

株式会社シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、需要予測型自動発注サービス「sinops」(シノプス)を開発・販売しているソフトウェアメーカーです。日配食品や惣菜といった賞味期限が短く需要予測がむずかしいとされるカテゴリーのシステム化に成功し、多くの食品小売企業に採用されています。

在庫に関わる人、もの、金、時間、情報を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献していくことを目指しているとのことです。同社は東証グロース上場(証券コード:4428)企業です。

出典元:株式会社シノプス プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ