ピアラがオニオン社を子会社化、「AIと想い」を融合した総合広告グループへと進化

株式会社ピアラが、株式会社オニオンの株式を取得し子会社化したことを発表しました。このM&Aにより、オニオン社の動画制作力とクリエイティブ制作力をピアラ社のデータドリブンな広告運用力と融合させ、「AIと想いでつくる」を体現する総合広告グループの構築を目指すとのことです。

今回の子会社化によって、ブランディング領域を強化し、認知からユーザー獲得、ファン化までのフルファネルでのダイレクトマーケティング提供を実現するとしています。両社の強みを掛け合わせることで、ブランディングとダイレクトマーケティングの垣根を越えた新たな価値創造を推進していくようです。

子会社化の背景と狙い

広告・マーケティング業界は現在、AIの進化や消費者意識の変化を背景に大きな転換期を迎えています。従来のマス広告中心の手法ではROIの可視化が難しく、またAI技術による自動化の進展により、戦略とクリエイティブの本質的な価値が改めて問われる時代となっています。

株式会社ピアラは、こうした環境変化の中で「全てがWINの世界を創る」という経営理念のもと、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場を中心に、通販DX事業を軸としたマーケティング支援を展開してきました。

同社は2024年下期より業績が回復基調にあり、2025年12月期には営業黒字を見込んでいるとのことです。次なる成長フェーズとして、マーケティングファネルの上流領域(認知・喚起)の強化を戦略課題として掲げ、M&Aによる事業拡張を検討してきたといいます。

今回の子会社化により、ピアラ社はブランディング領域の強化を起点に、データドリブンマーケティングとクリエイティブを融合させた総合広告領域への展開を本格的に推進するとしています。オニオン社が持つ「動画制作力」「クリエイティブ制作力」「JOYFULL精神(楽しむ力を価値化する独自カルチャー)」と、ピアラ社の「データ分析・広告運用技術」を掛け合わせることで、ブランディングとダイレクトマーケティングの垣根を越えた新しい価値創造を実現していくことを目指しているようです。

本取り組みがもたらす3つの価値

1. フルファネル支援体制の完成

オニオン社の持つ動画制作力とクリエイティブ制作力を活かし、Upper Funnel(認知・喚起)からMid/Lower Funnel(興味醸成・比較検討)、そしてCRM(継続・愛着)まで、一気通貫でのマーケティング支援が可能になるとのことです。

従来、ピアラ社が強みとしてきたデータドリブンマーケティングと成果報酬モデルに、オニオン社のブランド文脈設計と感性価値の創出力が加わることで、クライアントのKPI可視化とブランディング投資の両立を実現することができるとしています。

2. D2C、EC支援サービスの高度化

オニオン社の制作領域をグループ内に取り込むことで、企画・制作・運用までの完全内製化を実現するとのことです。ブランドムービー、TVCM、Web CM、イベント、SNSクリエイティブなどの上流施策と、ピアラ社が担う購買促進・CRM・データ分析領域を融合させ、D2C・EC支援のクリエイティブドリブン×データドリブン体制を確立していくとしています。

オニオン社の掲げる「JOYFULL精神」-楽しむ力こそが現実を変える最強の力-は、AIが生み出す効率性だけでは届かない心が動く広告体験を生み出すと説明しています。

3. 「AI×想い」によるブランド価値創造

ピアラ社が推進するAI活用と、オニオン社が培ってきた感性・想い・創造性を融合し、「論理×感性」「データ×情熱」「戦略×芸術」を掛け合わせたブランド価値創造モデルを確立するとのことです。AIが最適解を導き出す時代だからこそ、人間の想いが持つ創造の余白がブランドを強くするという信念のもと、ピアラグループはAIと想いを共創させるマーケティングを実現していく方針だといいます。

ピアラとオニオン社の融合によるシナジー図

「AIと想いで、つくる。」という挑戦

「AIがいうから、その通りにしよう」そんな時代が訪れようとしています。けれども、イノベーションを生み出すのは、いつの時代も人の想いです。論理×感性、データ×情熱、戦略×芸術。その交差点に、新しいマーケティングの未来を描いていくというビジョンをピアラグループは掲げているとのことです。

AIと想いでつくるというコンセプト図

今後の展望

今回の取り組みを機に、ピアラ社は両社の顧客基盤とノウハウを融合させ、既存クライアントへの提供価値をさらに高めていく計画だということです。同時に、ファネル上流領域における新規クライアント開拓を積極的に推進し、認知からファン化まで一気通貫で支援できる体制を活かしていくとしています。

中長期的には、AI技術と人の感性を融合した独自のブランド価値創造メソッドを確立し、通販DXブランディング領域での売上を70〜100億円規模※へと拡大。ピアラグループ全体の売上再成長と利益率向上を実現していく方針だと発表しています。

※2025年12月期 第3四半期においては累計10億円

認知から購買、CRMまでを一気通貫で担うフルファネル提案を通じて、既存クライアントへのクロスセル・アップセル、新規市場開拓を強化。"結果×AI×クリエイティブ"による持続的成長モデルを確立し、業界変革期におけるリーダーとして、ブランド価値とビジネス成果の両立を牽引していくことを目指しているとのことです。

株式会社オニオン 会社概要

商号    : 株式会社オニオン
代表者   : 代表取締役 川田 直美
所在地   : 〒108-007 東京都港区白金2-5-12
設立    : 2002年3月12日
事業内容  :・TVCM、WEBプロモーション映像の企画及び制作
・VR、AR等の企画及び制作
・MVの企画及び制作
・GRAPHIC広告の企画及び制作
・WEB、SNSプロモーション及び運用
資本金   : 35百万円

株式会社ピアラ 会社概要

商号    : 株式会社ピアラ
代表者   : 代表取締役社長 飛鳥 貴雄
所在地   : 〒150-6013 東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー 13階
設立    : 2004年3月
事業内容  : 1.ECマーケティングテック事業 2.広告マーケティング事業
資本金   : 50百万円(2025年9月末)
証券コード : 東京証券取引所スタンダード市場(証券コード:7044)

出典元: 株式会社ピアラ プレスリリース

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