
株式会社セプテーニ・ホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役:神埜 雄一、証券コード:4293)の連結子会社である株式会社電通ダイレクト(本社:東京都港区、代表取締役:近藤 一成)が、消費者の"行動スイッチ"を発見し、ダイレクト広告の成果最大化を目指すダイレクトマーケティング領域の分析ラボを立ち上げたことが発表されました。その第一弾の公開資料として、健康食品市場の購買動向に関する分析レポートが公開されています。
この記事の目次
調査実施の背景—逆風下の健康食品市場、シニアのインサイトを探る
ダイレクトマーケティング分野を専門とする株式会社電通ダイレクトは、消費者の"行動スイッチ"を見つけ出し、広告効果を最大化するためのダイレクトマーケティング領域における分析ラボを設立しました。このラボでは、ターゲットの深層心理とクリエイティブの成功法則を結びつけ、「なぜ心が動いたか」という問いに明確な答えを提供することを目指しています。
第一弾の取り組みとして、全国の50代以上の男女600名を対象に「シニア世代における商品・サービスの購買動向調査—第1回『健康食品篇』—」が実施されました。物価高騰や老後2,000万円問題など、シニア層を取り巻く経済環境が厳しさを増す中でも、健康食品市場の主要顧客は依然としてシニア層が中心となっています。この厳しい状況下で、シニア層の購買マインドや行動がどのように変化しているのかを明らかにするために、通販ビジネスのコンサルティングを手がける電通ダイレクトが本調査を実施したとのことです。
調査の結果、健康食品・サプリメントへの支出額に大きな変動はなく需要は安定していると考えられる一方で、購買行動はより慎重になり、「効果実感」が継続利用の最大の決め手であることが明らかになりました。
また、独自のクラスター分析により、健康食品を利用するシニア層を一律に捉えるのではなく、健康意識や消費行動が異なる6つのタイプに分類されています。特に注目すべきは、健康食品・サプリメントへの月平均支出額が全体平均の約1.8倍となる優良顧客層「健康投資型 情報収集アクティブ層」の存在です。
調査サマリー
- 物価高の影響は限定的。シニアにとって健康食品は「必需品」。全20カテゴリー中19カテゴリーにおいて、過半数が「支出額は変わらない」と回答。大半のカテゴリーで50%以上が「3年以上継続利用している」と回答しています。
- 継続の最大の鍵は「効果実感」。購入中止理由として、いずれのカテゴリーについても1位は「効果が実感できなかった」です。「物価高」を理由に離脱したカテゴリーがあると回答した人は2割未満となっています。
- 購買行動は「テレビで知り、ネットで吟味」。認知はテレビCMがトップですが、比較検討段階では公式サイトやECモール、クチコミサイトを重視しています。衝動買いではなく慎重な情報収集を行う傾向が見られます。
- 健康食品を利用するシニアを、健康意識や消費行動から6つの独自クラスターに分類。アプローチすべきターゲット像が明確になりました。
- 月平均支出額約1.8倍の優良顧客「健康投資型 情報収集アクティブ層」を発見。この層の健康食品・サプリメントへの月平均支出額は12,124円です。クチコミや専門家の推奨を重視し、自ら情報収集するアクティブな層であることがわかりました。
※カテゴリー補足:滋養強壮・肝機能改善・美容エイジングケアなど、健康食品・サプリメントの機能別全20カテゴリーを対象に利用状況を調査しています。
※図内(カテゴリー合算)とある質問については、複数カテゴリーの健康食品・サプリメント併用者の重複回答が含まれています。そのため、合計における各項目の回答者の合算が100%を超えることがあります。
調査結果
調査結果1:物価高でも支出は変わらず。健康食品はシニアの「必需品」へ
現在、健康食品・サプリメントを利用している方に、2024年と比較して、2025年の健康食品・サプリメントへの支出額に変化があったかを尋ねたところ、全20カテゴリー中19カテゴリーにおいて「支出に変化がない」と答えた方が過半数を占めました。このことから物価高による買い控えの広がりは限定的であると考えられます。
また、大半のカテゴリーで「3年以上継続利用している」と回答した方が50%以上いることにより、一度生活に定着した健康食品は家計が厳しい状況でも購入が続けられる、つまり「必需品」と考えられている可能性がうかがえます。
図2 健康食品・サプリメントの利用期間調査結果2:離脱理由の断トツ1位は「効果実感なし」。価格より価値が問われる時代に
健康食品の利用を中止した理由を尋ねたところ、「効果が実感できなかったから」が断トツのトップでした。「物価高で出費を抑えたかったから」や「物価高により購入を続けるのが難しかったから」を大きく上回り、シニア層は価格以上に「価値=効果実感」をシビアに判断していると予想されます。
図3 健康食品・サプリメントの購入および使用をやめた理由調査結果3:本調査の核心 シニアを6タイプに分類!狙うべきターゲットは誰か?
画一的に語られがちなシニア層ですが、健康意識や情報収集行動、消費マインドは様々です。電通ダイレクトは独自のクラスター分析により、健康食品を購入するシニアを6つのタイプに分類しています。
図4 「シニアにおける健康意識別のクラスター分析」簡易版健康食品を利用するシニアの6つの購買タイプ(括弧内数字は50-89歳推計人口を100%としたときの割合):
- コスパ重視型 実感重視ヘルスケア層 (9.5%)
- 健康投資型 情報収集アクティブ層 (4.7%)
- コスト抑制型 運動重視シニア層 (8.2%)
- マイペース型 ライトケア層 (6.1%)
- 健康賢者型 健康長寿予防層 (11.8%)
- トレンドフォロー型 メディア頼り層 (8.9%)
中でも、通販事業者が特に注目すべきは、ターゲットボリュームが大きい「健康賢者型 健康長寿予防層」と、月平均支出額が全体平均の約1.8倍である「健康投資型 情報収集アクティブ層」です。このリリースでは、「健康投資型 情報収集アクティブ層」の特徴が紹介されています。
優良顧客 健康投資型 情報収集アクティブ層(推計268.8万人)
- サプリへの月平均支出額は12,124円と、全体平均(約6,472円)の約1.8倍。
- 「健康のためには時間と費用を惜しまない」と考え、医師や専門家の推奨、クチコミ・レビューを重視。自ら納得するまで情報収集するアクティブな層です。
- この層へのアプローチには、公式サイトのコンテンツ充実や、信頼性の高い第三者からの情報発信が鍵となります。
調査結果を踏まえた考察
今回の調査から、シニアの健康食品市場は、単なる価格競争ではなく『いかに信頼を勝ち取り、効果を実感していただくか』という本質的な価値競争のフェーズに入ったことが明確になりました。また、顧客像の解像度を上げ、例えば『健康投資型』のような優良顧客層に合わせたコミュニケーションを設計するなど、それぞれの顧客に対して施策を最適化することが、今後の事業成長に不可欠となっていることがわかります。
衝動買いが期待できない今、オフラインでの認知からオンラインでの深い理解、そして信頼できるクチコミの醸成まで、一貫した顧客体験のデザインが求められています。電通ダイレクトでは、こうしたデータドリブンなインサイトに基づき、クライアント企業のダイレクトマーケティングを成功に導くコンサルティングを提供していくとしています。
調査概要
調査手法:インターネット調査
調査機関:株式会社ネオマーケティング
調査時期:2025年6月2日(月)~6月3日(火)
調査対象:全国の50代以上の男女で、健康食品を自分で購入し、使用している方
サンプル数:600ss
※本調査のスクリーニング調査では2,142ssを対象としています。
株式会社電通ダイレクトについて
国内電通グループ(dentsu Japan)のダイレクトマーケティング領域を担う事業会社として、通販事業者を中心にコンサルティング、メディアプランニング、クリエイティブ制作、データ分析まで、事業成長をワンストップで支援しています。電通・セプテーニグループが持つ豊富なアセットと、長年培ってきた通販知見を掛け合わせ、クライアント企業のビジネスを成功に導いています。
会社概要
代表者名:代表取締役 近藤 一成
株主 :株式会社セプテーニ・ホールディングス(100%出資)
事業内容:事業戦略設計
メディアプランニング・運用
クリエイティブ支援
EC支援
CRM
所在地 :〒105-7001 東京都港区東新橋一丁目8番1号 電通本社ビル
会社URL:https://www.ddir.co.jp/
出典元:株式会社電通ダイレクト プレスリリース













