
Firework Japan株式会社が、「AI Shopping Agent」の日本市場における本格展開を開始したことを発表しました。同社が提供する新ソリューションは、単なるFAQ自動応答ツールではなく、「顧客インサイトの収集×コンバージョン最適化」を同時に実現するものとなっています。
この記事の目次
開発背景:ECにおける「接客の欠如」を補うAIの登場
従来のECサイトにおける商品詳細ページ(PDP)は、情報が静的で一方向的でした。ユーザーは購入の最終判断を下す瞬間に疑問や不安を感じ、ページを離脱するケースが多く見られるようです。
Firework社が実施した調査によれば、購入前に「パーソナライズされた情報」を求める消費者が8割を超えているとのことです。特にZ世代やミレニアル世代では、「動画や会話型情報で理解したい」というニーズが顕著であり、従来のテキスト中心のPDPでは限界が生じていました。
この課題に対し、海外ではAIによる"会話型ショッピング"へのシフトが進んでいます。Amazonが開発したAIアシスタント「Rufus」は、1日あたりおよそ5億回超の会話を処理し、コンバージョン率を最大13.5%向上させたと報告されています。Fireworkはこの流れをD2Cブランドに最適化し、ブランド主導のAI接客体験を実現したとのことです。

AI Shopping Agentの特徴:D2C特化の"プレミアムPDP"
FireworkのAI Shopping Agentは、ブランドのPDPを「静的ページ」から「店舗のような接客体験を提供するページ」へと進化させる革新的なソリューションだと同社は説明しています。
ユーザーはページを離れることなく、チャット形式で質問し、動画・テキスト・レビュー・製品情報などを組み合わせたリッチな回答をリアルタイムで受け取ることができます。これにより、ユーザーは「知る → 納得する → 購入する」という意思決定プロセスをスムーズに完結できるようになるとのことです。
FireworkのAI Shopping Agentは、ブランドの持つ多様なデータソース(マニュアル、FAQ、レビュー動画、開封動画、デモ動画、公式サイト情報など)最大10種類のナレッジベースを統合し、正確で一貫性のある回答を生成します。一般的なチャットボットが抱える「浅い回答」「会話の途切れ」といった課題を克服し、ブランドの世界観に即した"接客品質"を再現するということです。
さらに、AI Shopping Agentを動画と連動させることで、Fireworkは「プレミアムPDP」という新しいECフォーマットを提唱しています。これは、ユーザーが動画で商品を理解し、AIとの会話で疑問を解消し、そのまま購入まで導く"没入型の購買体験"だと同社は説明しています。

圧倒的な導入成果:CVR最大13.5%向上
海外導入ブランドの最新データでは、AI Shopping Agentの効果が定量的に確認されているとのことです。具体的な数値は以下の通りです。
| 指標 | AI FAQなし | AI FAQあり |
| カート追加率 | 6.4% | 31.2% |
| コンバージョン率 | 2.0% | 13.5% |
| 顧客満足度 | 60 | 82 |
これらの結果は、AI Shopping Agentが単なる顧客対応ツールではなく、売上と顧客体験の双方を高める「プロフィットセンター」として機能することを示しています。
今後は、会話データを解析して顧客の興味や競合比較傾向を可視化するAIインサイト機能や、ファッション・美容業界向けのバーチャル試着機能などの新機能を順次リリース予定とのことです。
Firework Japan株式会社 会社概要
会社名:Firework Japan株式会社
所在地:東京都品川区東五反田2-5-9 CIRCLES with 島津山 7F
事業内容:動画コマースプラットフォーム「Firework」の開発・提供
設立:2021年3月
Firework Japan Country Manager 田島一樹氏のコメント
日本でも小売・サービス業を中心に導入が進んでおり、このAI Shopping Agentを日本語・英語・中国語対応で展開することで、ECサイトの"接客品質"を大きく変革していくと同社は語っています。
まとめ
このサービスは、従来の静的なECサイトの商品詳細ページを、より対話型で動的な体験に変えることを目指しています。特にZ世代やミレニアル世代のニーズに応えるもので、消費者が求めるパーソナライズされた情報提供を可能にするものです。
AIと動画を組み合わせたこのソリューションは、ECサイト運営者にとって単なる顧客対応の自動化ではなく、売上向上と顧客満足度の改善をもたらすツールとして位置づけられています。海外での導入事例によるデータでは、AIを導入したことによって大幅にコンバージョン率が向上したという結果が示されています。
Firework Japanは今後、このAI Shopping Agentをさらに進化させ、顧客の行動データをより深く分析して提供する機能や、業種特化型の拡張機能を順次提供していく予定です。これにより、ECサイトにおける顧客体験をさらに向上させ、オンラインショッピングの未来を変えていくことを目指しています。
動画とAIを融合させた次世代の顧客体験の提供は、今後のEC業界における大きなトレンドとなる可能性があり、Firework Japanはこの分野でのリーダーシップを発揮していく構えです。特に、日本・英語・中国語に対応したマルチリンガル展開により、グローバルなブランドにも対応できる体制を整えています。
出典元: Firework Japan株式会社 プレスリリース













