マーケティング調査・コンサルティングサービスを展開する株式会社ヴァリューズが、国内30のSNSアプリを対象にした「SNSユーザー数ランキング」調査(2023年8月~2025年8月)の結果を公表しました。同社が保有する約250万人の独自消費者パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」により、各SNSの月間アクティブユーザー数(MAU)やユーザー属性が分析されています。今回は、2年間で特に急成長を遂げた新興SNSの動向を中心に、調査結果の一部が発表されました。

調査・分析概要

本調査は、全国のヴァリューズモニター(20歳以上の男女)の協力により、各SNSのアクティブユーザー数を集計・比較したものです。MAUや起動数などはスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズが保有するモニター内での出現率を基に、国内ネット人口に則して20歳以上の動向を推測しています。

ThreadsとBeReal.が驚異的な成長率を記録

2023年から2025年の2年間で、最も高い成長率を記録したのは新興SNSサービスでした。Meta社が運営するThreadsは、サービス開始(2023年7月)からわずか2年でユーザー数が1,230万人に到達し、222%増という高い伸び率を示しています。

また、「映え」を気にせずありのままの自分を投稿するSNSとして知られるBeReal.は、2025年8月時点で113万人のユーザー数を達成し、937%増という極めて高い成長率を記録しました。

SNS成長率グラフ

主要SNSのユーザー数ランキングと動向

2025年8月時点のMAUランキングでは、LINE(7,080万人)、YouTube(6,540万人)、Instagram(4,230万人)が上位3位を占めています。国民的メッセージアプリとしてのLINEの地位は揺るぎなく、YouTubeも動画プラットフォームとして高い利用率を維持しています。

SNSユーザー数ランキング

そのほか、SNS黎明期からサービスを提供している「Instagram」「X」「Facebook」に加え、新興プラットフォームの「Threads」がトップ10入りを果たしています。これは比較的新しいサービスでありながら、短期間で多くのユーザーを獲得したことを示しています。

Threadsユーザー数は堅調な伸び、利用はライト層がメインか

2023年から2年間のThreadsの月間アクティブユーザー数(MAU)推移を見ると、月を追うごとに着実にユーザー数を伸ばしていることが分かります。サービス開始から継続的な成長を続け、ユーザーベースを拡大しています。

ThreadsのMAU推移

Threadsユーザーの男女比は男性約46%、女性約54%とほぼ均等で、年代分布では20代が24.8%と最も高い割合を占めています。若年層を中心に支持を集めていることが明らかになりました。

Threadsユーザーの属性

さらに、月間の平均アプリ起動日数分布を分析すると、Threadsユーザーの57%が月に1~5日程度しか起動していないことが判明しました。これは週に1回程度の利用頻度であり、ヘビーユーザーよりもライトユーザーが多いことを示しています。このデータからは、多くのユーザーが時間に余裕があるときや、Instagram経由で興味を引かれた投稿を見つけた時にのみThreadsを起動している可能性が考えられます。

Threadsの月間起動日数分布

同じくテキスト投稿がメインとなる「X」と比較すると、Xの場合は月に1~5日しか利用しないユーザーの割合が33%にとどまり、Threadsと比べて20%以上低いことが分かります。このことから、Threadsはライト層の割合がXよりも高いプラットフォームであることが示唆されています。

XとThreadsの利用頻度比較

まとめ

今回の調査から、日本国内のSNS市場は、既存の主要プラットフォームが安定した基盤を維持しながらも、新興SNSが急速に勢力を拡大し、多様化が加速していることが明らかになりました。特にThreadsが2年で1,230万ユーザーを突破し、BeReal.が937%増という驚異的な成長を遂げたことは注目に値します。これはユーザーのSNSに対するニーズの変化や、「映え」よりも「リアル」や「気軽さ」といった新しい価値観を重視する潮流が強まっていることを示唆しています。

一方で、Threadsのユーザー層にライトユーザーが多い傾向が見られることから、新興SNSはユーザー数の拡大だけでなく、いかにユーザーを定着させ、習慣的な利用を促進するかという新たな段階に入りつつあると考えられます。

今後、SNSマーケティングを展開する企業にとっては、各SNSのユーザー属性や利用動態をリアルタイムで把握し、それぞれのプラットフォームの特性に合わせたプロモーション戦略を策定することが重要になるでしょう。特にThreadsのような新興SNSや、BeReal.のように特定層に深く浸透するプラットフォームでは、ユーザーの年齢層、関心事、利用頻度の変化を常に注視し、コンテンツの方向性や投稿タイミングを柔軟に調整することが効果を最大化する鍵となります。

Dockpit(ドックピット)について

本調査で使用された競合調査・市場分析ツール「Dockpit(ドックピット)」は、ヴァリューズが保有する約250万人の国内最大級の消費者パネルのWeb行動ログデータを活用しています。

このツールは、競合サイトのユーザー数や属性、集客構造、人気コンテンツなど、インターネット上のあらゆるユーザー行動を直感的なUIで可視化する機能を持っています。これにより、市場トレンドや競合他社の動向を素早く把握し、多角的な視点から精度の高いマーケティング戦略の立案を可能にしています。

出典元: 株式会社ヴァリューズ プレスリリース

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