株式会社PRIZMAの調査で判明:20代の生成AI使用率72%、世代間でAI検索への信頼度に差

生成AIが検索や業務の在り方を変え始めている今、その習得については世代間で差が生まれつつあります。AIを業務効率化の中心に据える企業も増える一方で、個人レベルでは「どこまで活用すべきか」「信頼できるのか」といった判断にはばらつきがあります。AI Overviewsのような新機能も登場する中、働く世代はAIをどう使い、どの程度信頼しているのでしょうか。

このような状況を背景に、株式会社PRIZMAは、正社員として勤めている20代~50代の男女を対象に、「生成AI、AIOの活用率についての実態調査」を実施しました。

年代別の比較を通じて、AI検索時代におけるマーケティングの役割の変化や、社内における活用・連携の課題、成果を生むAI施策の構造、そして今後強化すべき領域が明確になっています。

本記事では調査内容を一部抜粋してご紹介します。

20代は生成AI使用率が72%と高い水準 ── 年代問わず、AIを2人に1人が検索ドメインでの検索の代替として活用する現状

まず、「生成AIの使用率」と「使用頻度」について年代別で比較したところ、若年層ほど使用率が高い傾向が明確に示されました。

【使用率】

20代|72%
30代|65%
40代|52%
50代|48%

【使用頻度】

2,30代では「週4〜6日」と回答した方が最も多く、毎日使用している方も1割以上となりました。4,50代では「週1〜3日」の回答が最多となり、若年層と比較すると使用率が下がる結果となりました。

年齢とともに利用頻度が低下する傾向は、AIリテラシーや業務内容の違いを反映していると考えられます。しかし、40〜50代でも半数がAIを活用しているという現状を踏まえると、中堅・ベテラン世代の間でも、実務や情報収集にAIを取り入れる動きが着実に広がっていると言えるでしょう。

日常生活の中で生成AIが広く利用されている現状が明らかになる一方で、その活用の深さには世代間で違いが見られました。「検索の延長線上で利用する(レベル1)」と回答した割合が高く、依然として基礎的な使い方にとどまっている層が多いことがうかがえます。

一方で30代では、「意図した成果物を得るために工夫して利用する(レベル2)」と回答した人が4割を超えており、より実用的かつ目的に応じた活用を行っている傾向が示されました。

さらにレベル3(ツールや機能を組み合わせて利用)レベル4(業務プロセスに組み込んで利用)といった高度な活用については、20代や30代においても一定の回答があり、積極的に生成AIの活用を行っていることがわかります。

では、実際にどのような用途で使用している方が多いのでしょうか。

「生成AIの用途」について尋ねたところ世代別で大きな差はみられず、「従来の検索の代替として(Google検索などの代わりに調べ物をする)」が最多で、「情報収集(ニュース・事例・トレンドなどをまとめて把握する)」「一次検索(調べ始めのきっかけとして概要をつかむ)」と続きました。

検索エンジンの代替だけでなく、調査や知識の整理といった情報探索全般に活用されている実態が浮かび上がりました。従来の検索エンジンを置き換える形で、より効率的かつ要約された知識を得る目的で活用する層が多いと考えられます。

一方で、「資料作成(24.3%)」「文章作成(20.7%)」といったアウトプットを生み出す用途でも一定数の活用が見られるものの、情報取得系の用途と比べると少数にとどまっています。これは、生成AIを主に「調べる」目的で使用している層が、現在の利用者の中で多数を占めていることを示しています。

AI Overviewsの活用の広がり──若年層ではAI検索で完結する方が2~3割を占める結果に

AI活用の広がりが明らかになりましたが、2025年からGoogleが導入したAI Overviews(AIによる概要表示)についても、調査が行われました。

AI Overviewsの認知・活用状況を尋ねたところ、「AIモードの活用」や「検索完結」、「参考にする」などAI Overviewsを活用する方は20代で半数以上と最多となり、50代では3割以下と最も少なくなりました。一方でどの世代でもAI Overviewsの存在自体を認知していない層が多くいるようです。

若年層を中心に新しいAI機能への関心が高い一方で、年齢が上がるほど認知が遅れていることが明らかになりました。また、注目すべき点として、従来の検索結果や上位サイトから情報を得るのではなく、AIモードやAI Overviewsのみで検索を完結する人が、若年層では2〜3割に達しているという結果も見受けられます。

つまり、AIによる情報が単なる検索の補助にとどまらず、「有益な回答」として受け入れられている傾向が、特に若年層で強まっていることがわかります。

さらに生成AIやAI Overviewsを活用して収集した情報を、実際にどう活用したのか尋ねたところ、「検索結果をきっかけに自ら調査を深める」「業務資料への活用」「顧客対応への応用」など、具体的な実践例が挙げられました。

生成AIやAI Overviewsを活用して行った情報収集後、実際にどう活用しましたか?

・提案されたサービスを検索した。(20代/女性/神奈川県)
・確認のために参照先のWebサイトを自分で閲覧した(20代/男性/東京都)
・検索結果をもとに企画、提案を行った(30代/女性/熊本県)
・プレゼン資料に使用(30代/男性/大阪府)
・検索結果を参考に顧客対応を行った(40代/女性/千葉県)

このように、生成AIは単なる情報収集ツールにとどまらず、実際の業務アクションやアウトプットに直結する活用が進んでいることがうかがえます。

さらに、生成AIやAI Overviewsが推薦する商品やサービスに対して、信頼性や魅力を感じやすいかどうか尋ねたところ、「とても感じやすい」「感じやすい」が20代~30代では半数以上、40代は約4割、50代では約3割となりました。

若年層はAI情報を「信頼できる新しいソース」として受け入れやすい傾向があります。対して、年代が上がるほど慎重になり、AI情報に出典や根拠を求める傾向が強いと考えられます。

AI検索の信頼度、2,30代は「AIの方が信頼できる」がわずかに上回る

これまでの調査結果により、情報収集においてのAI活用率はどの年代でも高い結果となりましたが、AI推奨のサービスに対する信頼度などは二極化しています。

そこで従来の検索とAIによる検索のどちらをより信頼しているかについて尋ねたところ、2,30代では従来の検索よりAI検索のほうが信頼していると回答した方がわずかに上回る結果となりました。

さらに注目すべきは、「どちらも大きな差はない」とする回答を含めると、20代では約8割(79.9%)、30代では約7割(72.4%)が、AI検索に対して少なくとも従来検索と同程度の信頼を寄せているという点です。

そしてこの傾向は、40代(67.3%)や50代(67.1%)においても同様であり、どの年代でもAI検索を一定程度信頼できる手段とみなしている層が既に多数派となっています。

まとめ:「AIで調べる」が当たり前に──生成AI時代の情報戦略とは

今回の調査から、生成AIは若年層を中心に高い使用率を誇る一方で、40代・50代といった中堅〜ベテラン層にも着実に浸透し始めていることが明らかになりました。利用頻度や活用レベルには年代差が見られるものの、いずれの世代でも2人に1人以上が日常的にAIを活用しており、「検索方法の1つ」として位置付けるだけでなく、情報収集のスタイルそのものが変化している様子がうかがえます。

特に注目すべきは、従来の検索エンジンとAI検索を比較した際、「どちらも大きな差はない」とする回答が全世代で最多となっている点です。AIによる検索がすでに一定の信頼を獲得し、年齢に関係なく受け入れられつつある段階にあることを示しています。若年層ではAIの回答をそのまま「有益な情報」として活用する傾向も強く、実際に問い合わせや資料への活用したといった声も寄せられました。

今後、AI検索や生成AIの精度・信頼性が向上することで、「AIから情報を得ること」が日常の行動として定着していく未来が見えてきています。こうした流れを踏まえると、単にAIの情報精度を高めることに加えて、ユーザーがAIを介してどのように情報にたどり着くのかという「経路」や「行動パターン」に目を向ける必要があります。AI検索の信頼度がさらに上がれば、企業のコンテンツやサービスがAIにどのように取り上げられ、紹介されるかが、ユーザーとの接点において重要な要素となるのではないでしょうか。

検索エンジン対策(SEO)からAI検索対策(LLMO)への視点転換が求められる中で、企業やメディアがAIに正確かつ有用な情報として認識されるようにコンテンツを設計していくことが企業にも求められていると考えられます。

調査概要

【調査テーマ】「生成AI、AIOの活用率についての実態調査」
【調査期間】2025年10月7日(火)~2025年10月8日(水)
【調査方法】PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
【調査人数】1,022人
【調査対象】調査回答時に正社員として勤めている20代~50代の男女と回答したモニター
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

調査設問

Q1.生成AIを使用する頻度として最も近いものを週単位で回答してください
Q2.あなたの生成AI活用レベルに最も近いものを選択してください
Q3.どういう用途で生成AIを活用していますか?活用したことがあるものをすべて選択してください
Q4.特にどの用途でAI活用によるメリットを実感しましたか?
Q5.AI Overviews(AIによる概要)を活用していますか?
Q6.AI Overviews(AIによる概要)に対し、活用していない最も大きな理由はなんですか?
Q7.生成AIやAI Overviewsを活用して行った情報収集の内容をどのくらい参考にしていますか?
Q8.生成AIやAI Overviewsを活用して行った情報収集後、実際にどう活用しましたか?
Q9.あなたは、生成AIやAI Overviewsが推薦する商品やサービスに対して、信頼性や魅力を感じやすいですか?
Q10.情報収集において、従来の検索とAIによる検索のどちらをより信頼していますか?

株式会社PRIZMAについて

株式会社PRIZMAはリサーチから、プランニング、PRまですべての機能を兼ね備えた、一気通貫型のPRサービスを網羅的に提供しています。

リサーチ&企画力、コンテンツ力、メディアリレーション。3つの要素を組み合わせることで、PRの新たな地平を生み出す、全く新しい形のPRエージェンシーとして活動しています。

本社所在地:東京都渋谷区渋谷2-6-14 今井ビル4F
代表取締役:杉本 昂輝
設立:2024年8月

出典元: 株式会社PRIZMA プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ