
SEOなどデジタルマーケティング領域の支援を行う株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ(東京都品川区、代表取締役:鳥居本 真徳)が、全国の10代〜60代の男女4,000名を対象とした「生成AIツールの利用実態調査」の結果を発表しました。この調査では、ChatGPTやGeminiなどの主要な生成AIツールに加え、2025年9月にGoogle検索へ正式導入された「AIモード」の認知度および利用状況を比較しています。
この記事の目次
調査背景
Google検索に生成AIが組み込まれた「AIモード」の導入により、検索結果ページ上で従来の検索とAIによる要約回答を行き来できる新しい検索体験が広がっています。
同社は、AIモードの導入から約1カ月経過し、どの程度ユーザーに浸透しているのか、またChatGPTやGeminiといった既存の生成AIツールと比較してどのような違いが見られるのかを明らかにするために本調査を実施しました。検索行動や情報取得の変化を把握し、今後の企業のマーケティングや情報発信の参考とすることを目的としています。
調査概要
生成AIツールの利用実態調査 2025
調査期間:2025年10月17日 ~ 2025年10月18日
調査対象:全国10代~60代の男女
サンプル数:4,000名
(内訳 10代=667名、20代=667名、30代=667名、40代=667名、50代=666名、60代:666名)
調査方法:インターネットアンケート調査(Freeasy)
※グラフの数字は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
調査結果
生成AIツールの利用頻度 ― 約3割が月1回以上利用
全国10代〜60代の男女を対象に、ChatGPTやGeminiなどの生成AIツールの利用頻度を調査したところ、「常に使っている(ほぼ毎日)」が10.6%、「よく使っている(週に数回程度)」が12.4%、「時々使っている(月に数回程度)」が11.0%となり、月に数回程度以上利用するユーザーは全体の3割超にのぼることがわかりました。
認知度の観点では、まだ一般的な普及段階には至っていないものの、「存在は知っているが使ったことはない」(36.1%)層を含めた認知率は8割を超えており、関心と利用は着実に広がりつつある様子がうかがえます。

年代別にみると、10代では月に数回以上利用している人の割合が合計57.7%と最も高く、生成AIの利用が日常的に定着しつつあることが判明しました。
一方で、20〜30代は約30%と平均的な利用率であり、50代・60代では6割以上が「利用経験なし」と回答するなど、世代間で明確な差が見られました。

各生成AIツールの利用・認知度 ― ChatGPT、AIモード、Geminiが3トップ
各生成AIツールおよびAI搭載ツールのAI機能について、「知っている/使ったことがある」かを尋ねたところ、主要ツールにおける「よく使う」「使ったことがある」を合算した利用経験率は、上位からChatGPT(OpenAI)が36.7%と最も高く、次いでGoogle検索のAIモード28.2%、Gemini(Google)25.9%という結果となりました。
「よく使う」割合はGemini(10.2%)がAIモード(8.9%)をわずかに上回ったものの、「使ったことがある」割合ではAIモードが19.3%と高く、導入からわずか1カ月で生成AIツールの中でも上位に位置することが明らかになりました。

ChatGPTが依然として最も高い利用率を示す一方、AIモードは「検索」という既存行動に自然に組み込まれた点が特徴で、生成AI利用経験がない層にも受け入れられやすいことが示唆されています。
AIモードの利用頻度 ― ユーザーの約4割が週数回以上利用
前問でAIモードを「よく使う」「使ったことがある」と回答した1,126名を対象に、「AIモードをどのくらいの頻度で利用していますか?」と尋ねたところ、常に使っている(ほぼ毎日)が16.0%、よく使っている(週に数回程度)が27.5%、時々使っている(月に数回程度)が24.0%となり、利用者の約4割が週数回以上の頻度でAIモードを活用していることが判明しました。
AIモードが「検索」という既存行動に組み込まれていることで、他の生成AIツールと比べて日常的な利用に定着しやすい特徴があると考えられます。

AIモードを使わない理由 ―「Google検索で十分」が3割
前問でAIモードを「知っているが使ったことはない」と回答した1,160名に、「AIモードを使わない理由」と尋ねたところ、最も多かったのは「通常のGoogle検索で十分だと感じる」(31.6%)でした。次いで、「必要性を感じない」(30.3%)、「使い方がわからない」(21.6%)が上位に挙がり、"現状の検索で事足りている"と感じているユーザーが一定数いることが明らかになりました。

年代別でみると、特に50代以上では「通常のGoogle検索で十分だと感じる」「必要性を感じない」が約4割に達しており、世代間で価値認識に差があることがうかがえます。

一方で、「興味はあるがまだ試していない」層が全年代で約2割存在しており、認知は進んでいるものの未利用層が残る現状から、今後の利用拡大余地は大きいと考えられます。
総括
本調査では、生成AIツールの利用経験者は3割程度にとどまるものの、認知率は8割を超え、関心と利用が広がり始めていることが明らかになりました。特に、Google検索の「AIモード」は、導入から約1カ月でChatGPTに次ぐ認知・利用経験率を示し、生成AI未経験層にも受け入れられやすい"AI利用の入り口"として機能し始めています。
一方で、「通常の検索で十分」「必要性を感じない」といった回答も一定数見受けられ、特に50代以上では価値認識の差が顕著でした。それでも「興味はあるが未利用」という潜在層が約2割存在し、今後の普及余地は大きいといえます。
AIモードの登場により、検索と生成AIの境界が曖昧になる新しい情報探索フェーズが始まりつつあります。こうした中で、企業にもAIに正しく理解・反映される形での情報設計や最適化が求められており、その重要性は今後さらに高まっていくと考えられます。実際に、生成AI上での自社の扱われ方をモニタリングし、情報構造の改善や最適化に取り組む企業も増えつつあります。
AIが情報の"入り口"となる時代において、企業は「検索される」だけでなく「AIにどう理解されるか」までを設計することが、信頼性とブランド価値の維持に不可欠となっていくでしょう。
監修者

株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ
デジタルソリューション事業部 部長
出田 晴之
2018年PLAN-Bに新卒入社。2023年にSEOコンサルティング事業部部長に就任し、2024年からはデジタルソリューション事業部部長に就任。大手下着メーカー、大手買取会社など、50社以上のSEOコンサルティングやメディア立ち上げを経験。事業戦略などの上位レイヤーからのSEO戦略設計を得意としています。
デジタルマーケティング情報メディア「PINTO!」でマーケティング戦略やSEOに関する専門家コラムを多数執筆。
PLAN-Bマーケティングパートナーズの「生成AIブランド認識調査サービス」
生成AIの誤ったブランド認識は、信用低下やビジネス上の機会損失を生むリスクもはらんでいます。同社が提供する「生成AIブランド認識調査サービス」は、感覚的な推測から脱却し、データに基づいてAIの認識を正しく把握することで、新たなブランド戦略構築に伴走します。
主要な生成AIにおけるブランドの認識状況を調査・分析し、生成AIが「頻繁に、目立つかたちで、肯定的に」自社ブランドをユーザーに推奨してくれる状態を目指す企業を支援しています。
出典元: 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ プレスリリース













