
LINEヤフー株式会社が提供しております事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」では、自社の多様なサービスから得られる行動ビッグデータを活用し、ファッションアイテムの浸透に関する検索データを分析したレポートを公開いたしました。レポートのタイトルは「サンダルはなぜ普段履きに?LINEヤフーのデータから『ファッションアイテムが浸透していく背景』を分析してみた」となっております。
近年、暑日が増加しているため、街中でサンダルを履いている人々を多く見かけるようになっております。サンダルはかつて海やプールなどの特定のシーンで主に使用されておりましたが、どのようにして日常のファッションに浸透していったのでしょうか。今回は「Yahoo!検索」の検索データや「Yahoo!ショッピング」の購買データを基に、その過程を分析しております。
この記事の目次
サンダルの検索数は毎年7月がピークです
「Yahoo!検索」のデータによると、「サンダル」の検索数は毎年7月に最大となる傾向が確認されております。2022年7月にはこれがピークに達し、以降は全体の検索数がやや減少しているものの、依然として検索ボリュームは大きく、季節を象徴するキーワードとして定着していることがわかります。
検索者の性別と年代の分布を見ますと、40代から50代のユーザーが多く、特に女性の検索は同年代の男性の2倍以上を占めており、中高年層を中心に幅広く浸透していることが伺えます。

サンダルの売上高と「猛暑 いつまで」の検索推移はともに2023年以降増加しています
「Yahoo!ショッピング」の「サンダル」カテゴリの購買金額を分析した結果、検索数同様に7月を中心に購買数が増加する傾向が見られます。2023年に入ってからは売上が急増し、特にレディースサンダルの伸びが目立っております。5月から8月にかけて、前年同月の全サンダル売上を女性用カテゴリだけで上回った月もあり、女性の購買が市場をけん引していることが明らかになりました。

この成長の背景には、以下の三つの要因が考えられます。
1. 気温の上昇
気象庁のデータをもとにしますと、東京都の月平均最高気温は2022年から2023年にかけて、7月+1.3℃、8月+1.7℃、9月+2.3℃の上昇が確認されており、特に猛暑日が増加しております。
また、「猛暑 いつまで」という暑さ関連の検索数も2023年以降、7月から9月にかけて高い水準を保っており、ユーザーは「暑い時期が長い」と感じていることが明らかです。このような環境変化が、涼しさや通気性を重視したサンダルの購入意欲を高めている可能性があります。

2. 新型コロナウイルスの収束後における外出需要の回復
「Yahoo!ショッピング」の購買データを分析いたしますと、2021年から2022年にかけての緊急事態宣言期間中にはサンダルの購入が一時的に低下しておりました。しかし、宣言が解除された2023年以降は、購入数が大幅に回復していることがわかります。この時期に、スニーカーの購入も同様の傾向を示しており、外出機会の増加がサンダル市場における成長の一因であると考えられます。
3. 普段着としての浸透
サンダルとともに検索されるキーワードを分析した結果、2023年以降は「リカバリーサンダル」や「疲れない」といった履き心地や機能性を重視した検索が増加しております。このことから、サンダルが長時間の着用に適した実用性や快適さを兼ね備えたアイテムとして、日常使いにまで用途が広がっていることが分かります。
このように、さまざまなビッグデータを横断的に見ていくことで、サンダルの普及には「気温上昇」「外出機会の復活」「快適さの追求」といった複数の社会的要因が交錯していることが示唆されます。
「ヤフー・データソリューション」は、今後もビッグデータの力や面白さを伝えつつ、その価値を社会に還元するための多様な取り組みを進めていく所存です。
ヤフー・データソリューションについて
「ヤフー・データソリューション」では、LINEヤフーの多様なサービスから得られるビッグデータを活用し、企業や自治体向けに事業の創出や成長支援、課題解決に役立つインサイトを提供しております。また、検索データや人流データを基に自ら分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」を提供しており、取り扱っている情報は統計化されたデータに限定され、個人を特定できる情報は含まれておりません。
出典元: LINEヤフー株式会社 プレスリリース