
LINEヤフー株式会社が運営する「Yahoo!ショッピング」において、生成AIを活用したチャット形式の対話型商品検索機能(β版)の提供が開始されました。この新機能は、ユーザーの発話内容に応じて最適な商品を提案することで、より直感的かつスムーズな商品検索体験を実現するとのことです。
従来のキーワード入力による検索に加え、商品の「容量」「機能」「デザイン」「素材」などの条件や要望をチャット形式で伝えることで、効率的に商品を絞り込むことができるようになりました。現在はiOS版アプリの一部ユーザーのみが利用可能ですが、今後Android版でもリリースされる予定とのことです。

AIを活用した直感的なショッピング体験の進化
「Yahoo!ショッピング」では、ユーザーがより便利に、楽しくお買い物できるよう、生成AI技術を活用した機能の提供を積極的に進めているとのことです。今年7月に提供を開始した検索サポート機能は、ユーザーが簡単な質問に答えていくだけでAIが最適な商品を提案し、商品検索にかかる時間を大幅に短縮するなど、特に家電や家具インテリアカテゴリにおいて、新しいショッピング体験を実現してきました。
今回提供が開始された対話型検索機能は、その生成AIによる検索サポート機能をさらに使いやすくするためのアップデートです。ユーザーは商品を探す際に、従来のキーワード入力に加えて、どのような商品を求めているかという条件や関連内容をチャット形式で会話することで、より効率的に目的の商品を見つけることができるようになります。
自然な会話から最適な商品を提案
本機能の特徴的な点は、ユーザーが日常会話のような形で商品に関する希望を伝えられることです。例えば「強めの風量のドライヤー」といった具体的な機能面での条件だけでなく、「髪に優しいドライヤーは?」「静かに使えるほうが嬉しい」といった質問や要望にも対応します。
AIがこれらの会話内容を分析し最適な回答を導き出すことで、まるで実店舗で店員から接客を受けているようなやり取りを通じて、ユーザーに最適な商品を提示します。このプロセスにより、商品名やカテゴリに詳しくないユーザーでも、日常的なニーズやシチュエーションを会話形式で伝えるだけで、希望に合致した商品を見つけることが可能になります。
提案された商品を選択すると、ユーザーのニーズとどの程度マッチしているかを「AIマッチスコア」として表示します。さらに商品の概要、おトクに買い物できる日、レビューの要約、他商品との比較情報なども確認できるため、より確かな判断で商品を選ぶことができます。
商品検索サポート(β版)に今回追加された機能
今回のアップデートでは、以下の機能が追加されたとのことです。
- ユーザーの発話内容をもとに、自動的に適切な「絞り込み条件」に変換(例:「3人用の炊飯器」→「3合炊き」)
- 絞り込み条件の意味や違いをAIが説明(例:「観音開きとは」)
- 条件選びに迷った際は、AIが適切なフィルター候補を提案
- 条件に基づいた商品リストを即座に提示
- 検索対象商品数を拡大し、より多様な選択肢を表示可能に
これらの機能により、ユーザーはより直感的に、かつ効率的に目的の商品を見つけることができるようになりました。例えば、特定の用途や状況に合わせた商品を探したい場合でも、専門的な知識がなくても適切な条件での検索が可能になります。
利用方法
本機能は現在、「Yahoo!ショッピング」アプリ(iOS版)の一部ユーザーのみが利用できる状態です。対象となるのはiOS 18.7.0以上のバージョンを利用しているユーザーで、今後はAndroid版でもリリースされる予定です。
AIカンパニーとしての取り組み
LINEヤフーは「全サービスのAIエージェント化」を目指すAIカンパニーとして、コマース領域においても生成AIの導入を積極的に推進しているとのことです。今後も引き続き、ユーザーがこれまで以上に便利にお買い物ができるサービスの提供に努めていく方針だと発表しています。
この対話型検索機能の導入は、ECサイトにおける商品検索の課題を解決するための重要なステップと位置付けられます。従来の検索方法では、適切なキーワードを知らなければ目的の商品にたどり着くことが難しい場合がありましたが、自然言語での対話を通じて商品を探せるようになることで、より多くのユーザーが満足のいく買い物体験を得られるようになるでしょう。
特にオンラインショッピングに不慣れなユーザーや、特定のカテゴリに詳しくないユーザーにとって、この機能は大きなサポートになると考えられます。「何を買えばいいかわからない」「どの商品が自分に合っているか判断できない」といった悩みを持つユーザーが、AIとの対話を通じて最適な商品に出会えるようになることで、ECサイトの利便性がさらに向上します。
また、販売側の視点からも、ユーザーが自分のニーズにより適した商品を見つけやすくなることで、満足度の向上や返品率の低下といった効果も期待できます。AIを活用した商品推薦の精度が向上することで、ユーザーと商品のマッチング精度が高まり、結果としてより効果的な販売促進にもつながるでしょう。
今回のアップデートは、ECサイトにおけるAI活用の可能性を示す先進的な取り組みの一つと言えます。今後も技術の進化に伴い、さらに洗練された機能やパーソナライズされた提案が実現されることで、オンラインショッピングの体験はより豊かなものになっていくことでしょう。
出典元: LINEヤフー株式会社 プレスリリース