関通、青島中創と提携し日中間の包括的物流プラットフォームをさらに拡充 - 上海・青島・尼崎の三拠点体制で在庫リスク低減を実現

2025年9月9日 2025年9月9日

コマースピック編集部　プレス配信チーム

物流とITオートメーション事業を展開する株式会社関通（本社：兵庫県尼崎市、代表取締役社長：達城久裕）は、中国・青島の保税物流事業者である青島中創保税物流有限公司と業務委託契約を締結しました。これにより、日中間における包括的物流プラットフォームのさらなる拡充を図っていくことを発表しています。

今回の提携は、先日発表された「上海・外高橋発展公司」との協業に続く施策であり、国際物流における在庫拠点の多様化と分散化を目的としています。「上海港＋青島港」という中国二大港湾における保管・出荷体制を確立することで、顧客企業の在庫リスク低減と柔軟な物流戦略をサポートする体制を整えました。

さらに、フレートマンロジックス社との連携を基盤に、青島エリアでの実務サポートを強化し、日中間物流における現場対応力と調整力をより一層高めていくとしています。

この記事の目次

1 協業の背景と狙い
2 尼崎倉庫での保税倉庫取得について
3 協業の概要：「尼崎×青島×上海」三拠点体制
4 各社の強み
5 今後の展望
6 株式会社関通について

協業の背景と狙い

近年の国際物流においては、以下のような課題が顕在化しています。

・中国側の出荷遅延や輸送遅延による在庫逼迫リスク

・中国北部・山東省地域の製造拠点からの安定的な出荷ニーズ

・上海港の混雑や港湾リスクに対応できる代替ルートの確保

・中国北部の天津港および大連港については、他の主要港に比べて配船数が少なく、選択肢が限られている

これらの課題に対し、関通は青島中創との連携により以下の効果を実現するとしています。

・中国を代表する二大輸出港で倉庫機能を備え、雑貨や繊維商品をはじめとする多様な貨物に最適な物流サービスを提供

・山東省・華北地域、東北地方に点在する製造拠点からの集荷・集積効率を飛躍的に向上

・保管・在庫機能を複数拠点化し、日本側の欠品・在庫過多リスクを軽減

尼崎倉庫での保税倉庫取得について

加えて関通は、自社が運営する尼崎倉庫において新たに保税倉庫の許可を取得したことも発表しています。これにより、日本国内でも保税貨物の取り扱いが可能となり、輸入貨物にかかる関税・消費税の納付を柔軟にコントロールできる体制が整いました。

この国内保税倉庫の取得により、以下のようなメリットを顧客企業に提供することが可能になります。

・中国側（上海・青島）と日本側（尼崎）の保税機能をシームレスに連携

・輸入品を一旦尼崎倉庫に保税状態で保管し、販売時に必要数量のみ課税・通関処理することで在庫回転率を向上

・越境ECやグローバル調達における「在庫の戦略的分散配置」と「コスト削減」を同時に実現

特に、アパレルや雑貨などシーズン変動が大きい商材、または大量輸入後の販売計画が読みにくい商品においては、国内での保税倉庫活用が在庫過多や不要な関税コストを大幅に軽減するメリットがあります。

協業の概要：「尼崎×青島×上海」三拠点体制

今回の協業により、顧客企業は以下の包括機能を一体的に利用できるようになります。

倉庫機能	関通（日本国内保税倉庫）＋青島中創（青島保税倉庫）＋外高橋発展公司（上海保税倉庫）
輸送機能	青島港発の海上輸送に対応、日本各地への輸送を効率化
在庫最適化	顧客ニーズに応じて、上海・青島両拠点を使い分け可能
将来展望	青島経由での日本エンドユーザー直送モデルにも段階的対応予定

各社の強み

・青島中創：青島保税港区を拠点に、貨物の保管・通関・配送までを一括して担える総合物流企業。地域に根差した実務力と安定した運営基盤を有しています。

・関通：日本国内における高品質・高精度の物流オペレーション・提案力とシステム開発力を持っています。

今後の展望

関通は今回の青島中創との提携により、「上海」＋「青島」＋「尼崎」という三大拠点を基盤とした日中物流の新モデルを確立しました。これにより、以下の点を同時に実現し、顧客企業の成長を物流面から力強く支援するとしています。

・在庫の柔軟な分散配置

・複数港を利用した輸送リスク回避

・越境ECやBtoB取引における物流最適化

今後の展開としては、深圳や広州といった中国南部への拠点展開、さらにはベトナム・ミャンマーなど東南アジア諸国への物流ネットワーク拡大を視野に入れ、「国境を越える日常物流」の実現を進めていく方針です。

さらに、関通は早期に「100コンテナ／月 × 1,000個＝10万個」規模の取扱いを計画しており、顧客ニーズに応じて順次、取扱量および対応地域の拡大を図っていくとしています。本サービスの対象は、越境EC事業者、BtoB取引を行う企業、日本国内の小売事業者など幅広く、業態を問わず柔軟な物流支援体制を提供していきます。

また、システム面においては、在庫の可視化およびトレーサビリティを強化する物流管理システムを導入するとともに、EDI連携や電子書類対応といった貿易業務の電子化にも段階的に対応。効率的かつ戦略的な国際サプライチェーンの構築を支援していくとしています。