リバースタジオとエム・データが業務提携、テレビ放送とSNS反応をリアルタイム統合分析する「Stationマルチメディアクリッピング」開発へ

情報収集・活用サービス「Station」を展開する株式会社リバースタジオは、テレビの放送内容をテキスト化したTVメタデータを提供する株式会社エム・データと業務提携し、新サービス「Station マルチメディアクリッピング」の開発を開始することを発表しました。

このサービスでは、テレビにおける露出とSNS上での反応を一つの画面で可視化するダッシュボードの提供が予定されています。これにより、従来別々に行われていた「テレビ放送→SNS反応→口コミ拡散」の流れをリアルタイムで一気通貫に把握・分析することが可能になります。企業はテレビ番組やTV-CMの露出効果を迅速に評価・分析し、次のマーケティング施策へとつなげることができるようになります。

本サービスが解決する3つの課題とソリューション

1. 業務連携で実現する 放送データ × SNS のリアルタイム統合

通常、テレビの放送内容(出演者・商材・紹介秒数など)を網羅的に漏れなく記録・収集し、膨大なSNS反応とリアルタイムで連携するには、技術面・運用面ともに莫大な負荷がかかることが課題となっています。

本サービスでは、エム・データによるテレビ放送の即時データ化技術と、リバースタジオによるSNS収集・AI分析技術を組み合わせることで、テレビデータとSNS反応のリアルタイム統合を実現する取り組みが進められています。両社の技術を融合させることで、これまで困難だった大量データの迅速な処理と分析が可能になるとのことです。

2. テレビ放送内容の文脈を踏まえた効果測定レポートの提供

既存のツールでは、テレビ露出の定量効果とSNS反応を一覧できても、「誰が(何が)」「どのシーンで」「何秒間」紹介されたかといった文脈を組み合わせた分析が難しく、具体的にどの要素が成果に結びついたのか把握しづらい状況が課題でした。

「Station マルチメディアクリッピング」では、単なる露出効果だけでなく、番組名やコーナー名、出演タレントの影響力、紹介前後のSNS動向などを詳細に分析します。このように文脈情報を含む詳細レポートを迅速に提供することで、定量データを裏付ける深い洞察を得ることが可能になるとしています。

3. データ分析からネクストアクション策定まで支援

従来のツールでは、データを収集してレポート化しても、そこから具体的な次の施策に落とし込むことが難しく、せっかくの分析結果が現場で活用されづらいという課題がありました。

新サービスでは、ダッシュボード上でのレポート提供はもちろん、リバースタジオのコンサルタントが伴走し、データ活用のアドバイスからアクションプラン策定まで、成果につながる運用をサポートする体制を構築します。これにより、データ分析から実践までのギャップを埋め、効果的なマーケティング活動の実現を支援します。

両社の強みを生かした相乗効果

株式会社エム・データは、テレビ番組やTV-CMを150年以上にわたりテキストデータとして記録し、高精度なTVメタデータを蓄積してきた実績があります。放送中から終了直後に放送映像をテキスト化できる技術体制は、テレビ露出情報を漏れなく取得し、リアルタイムでの分析を可能にする強みを持っています。

一方、株式会社リバースタジオは、X(旧:Twitter)や Instagram といったSNSやウェブ上の情報を自動で収集し、顧客ごとのニーズに応じてAIを活用したデータ分析を瞬時に提供できる体制を整えています。両社はこれらの強みを掛け合わせることで、これまでは別々に追跡・分析していたテレビ露出とウェブ上の反応をリアルタイムに連動させるマルチクリッピングサービスの実現を目指しています。

TVメタデータとは

TVメタデータは、テレビ番組やCMの放送内容をテキスト化・データベース化したもので、「いつ」「どこで」「何が」「どのように」「何秒間」放送されたかといったデータを生成しています。データ種別は主に以下の4つに分類されます。

  • 番組データ(番組放送内容)
  • CMデータ(広告出稿内容)
  • アイテムデータ(番組で紹介された商品情報)
  • スポットデータ(番組で紹介された店・宿・観光地等の情報)

これらのデータは広告マーケティングの他、流通小売業界によるリテールDX、金融業界によるオルタナティブデータ等、幅広い業界で活用されています。今回の業務提携により、これらの詳細なテレビ放送データとSNS上の反応を組み合わせた新たな分析サービスが実現することになります。

サービスの価値と今後の展望

「Station マルチメディアクリッピング」の最大の特徴は、テレビという従来型メディアとSNSという新しいコミュニケーション媒体の橋渡しを行うことにあります。企業のマーケティング担当者は、テレビCMや番組での商品露出後、SNS上でどのような反応が起きているかをリアルタイムで把握することができるようになります。

また、このサービスにより、テレビ放送における自社製品の露出について、より細かなコンテキスト情報と合わせて効果測定が可能になります。例えば、どの時間帯の、どの番組の、どのようなシーンでの紹介が最も効果的だったのか、どの出演者の発言が最も反響を呼んだのかなど、具体的なインサイトを得ることができるようになります。

さらに、得られたデータをもとに、リバースタジオのコンサルタントが次のマーケティング施策の立案をサポートする体制も整えられています。これにより、データ収集から分析、そして実際のアクションまでを一貫してサポートする包括的なサービスが提供されることになります。

業界への影響

このようなテレビとSNSの統合分析サービスは、特に広告主や広告代理店、マーケティング担当者にとって大きな価値をもたらすことが予想されます。これまで別々に行われていたテレビCMの効果測定とSNS分析を統合することで、より効率的かつ効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。

また、放送メディアとデジタルメディアの融合が進む中、このようなクロスメディア分析ツールの需要は今後さらに高まることが予想されます。特に、テレビ視聴とSNS利用を同時に行う「ながら視聴」が一般化している現代において、両メディアの連動を分析できるツールは重要性を増しています。

リバースタジオとエム・データの業務提携は、両社の専門技術を組み合わせることで、このような市場ニーズに応える革新的なサービスの開発を目指すものと言えるでしょう。

会社概要

株式会社エム・データ 会社概要

社名:株式会社エム・データ
所在地:東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング9階
設立:2006年1月23日
代表者:
代表取締役会長 関根 俊哉
代表取締役社長 薄井 司

株式会社リバースタジオ 会社概要

社名:株式会社リバースタジオ
所在地:東京都港区六本木七丁目15-7 新六本木ビル810
設立:2022年1月
代表者:
代表取締役社長 石田健

出典元:株式会社リバースタジオ プレスリリース

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