近年、中国人観光客の間で「日本旅行」が再び大きな注目を集めているようです。円安の影響やビザ緩和政策、そしてSNSを通じた生の旅行体験の共有により、日本は「アクセスが良く安全、体験価値の高い」旅行先として再評価されるようになってきたとのことです。
特に2024年から2025年にかけては、個人旅行（FIT）を中心とした"より深い体験を求める"旅や、日本の地方都市への訪問が増加する傾向が見られるとされています。
この記事では、中国人観光客の旅行スタイルやニーズの変化、訪日先の最新トレンドについて詳しく紹介します。中国の大型連休と関連付けながら、なぜ今、日本が選ばれる旅行先となっているのかについて解説していきます。
中華圏に特化したデジタルマーケティング事業を展開する株式会社unbotが、変化し続ける訪日インバウンド市場の最新動向について情報を提供しました。
この記事の目次
なぜ今、中国人にとって「日本」が人気なのか？
中国最大の旅行サイト「携程（Ctrip）」の分析によると、2025年の人気の海外旅行先として以下の国々が挙げられているそうです。
🇯🇵日本 / 🇹🇭タイ / 🇸🇬シンガポール / 🇲🇾マレーシア / 🇰🇷韓国
その中でも日本は常に人気トップクラスの位置を占めているとのことです。最近のSNS上のトレンドや検索データを見ると、「#日本旅行」「#亲子游日本（子連れ日本旅行）」といったキーワードが急速に注目を集めているようです。
特に注目されている理由として以下のポイントが挙げられています。
中国の大型連休と訪日旅行ピーク時期
中国には「春節（旧正月）」「労働節（5月）」「国慶節（10月）」という三大連休があり、この期間には多くの人々が帰省や海外旅行を楽しむとされています。特に春節と国慶節は約1週間の大型連休となるため、日本への旅行者数も大幅に増加する傾向にあるとのことです。
これらの主要連休に加え、学生の夏休み（7〜8月）や清明節・端午節などの短期休暇も旅行需要を生み出しているようです。旅行時期は連休に集中する傾向が強いため、日本の観光地もこれらの時期に合わせた対応が求められていると報告されています。
最新トレンド：旅行スタイル・ニーズの変化
近年、中国からの訪日旅行は、従来の団体ツアー中心のスタイルから、個人の好みや関心を反映したより自由度の高い形態へと大きく変化しているようです。
変化①：団体から「個人旅行（FIT）」へ
若い世代やファミリー層を中心に、自分たちのペースで自由に動き回れる個人旅行が主流になってきているとのことです。
変化②：テーマ型旅行の人気
・美食旅行（ラーメン、寿司、和菓子巡り）
・親子体験旅行（動物園、水族館、農業体験）
・鉄道の旅（ローカル線や新幹線を楽しむ）
変化③：SNS映えスポットの重視
・京都の町家カフェ
・富士山を背景にした宿泊施設
・東京のアニメショップ・キャラクターカフェ
2025年以降の注目ポイント・インバウンド動向
今後の訪日インバウンド市場においては、旅行先の多様化、情報発信手段の変化、政策的支援など、複数の要素が重なり合って大きな転換期を迎えようとしているとされています。
地方誘致の加速
・東北・中部・四国・九州など、地方都市への旅行需要が増加傾向
・地方空港への中国からの直行便が徐々に増加
インフルエンサーとSNSの影響力
・小紅書（RED）・抖音（Douyin）で拡散される「Vlog風」の旅行コンテンツがブームに
・"旅×ライブコマース"の形で旅先の商品や体験をリアルタイムで紹介する形態が人気
国策との連動
・観光庁の「地方誘致」「多言語案内拡充」といった政策との整合性が強化
・文化庁も2025年に向けて"和文化×体験型観光"を重点施策として推進
まとめ
ここ数年、中国人旅行者の間で「日本旅行」が再び強い注目を集めているようです。円安やビザ緩和などの外的要因に加え、「安全・清潔・近距離・高コスパ」といった日本ならではの魅力が、改めて評価されるようになってきたとされています。さらに、団体旅行から個人・家族旅行へ、都市部観光から地方探訪へといった旅行スタイルの変化も、これまで以上に多様な日本の魅力を発見する流れを後押ししているとのことです。
今後、中国人観光客の動向は、経済状況や政策変更の影響を受けながらも、日本の観光産業にとって重要なインバウンド市場であり続けることは間違いないようです。2025年以降は、より「質」を重視した体験型の旅行や、明確なテーマ性を持った観光コンテンツが成功の鍵を握るだろうと報告されています。
出典元：株式会社unbot プレスリリース
