
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)が、アルバイト就業中の20~50代の既婚女性を対象とした「主婦のアルバイト調査(2025年)」の結果を発表しました。この調査では、主婦のキャリア選択や家庭と仕事の両立に関する実態が明らかになっています。
調査の主なポイント
- 現在アルバイト就業中で、過去に正社員就業経験がある主婦の「結婚前は正社員」だった割合は7割に達し、結婚が女性キャリアの転機となっている実態が明らかになっています
- 夫の育休取得を望まない主婦は7割以上。未就学児を育てる主婦でも取得希望は4割弱にとどまっています
- 主婦の3人に1人以上が「経済的にも時間的にもゆとりがない」と回答。子どもの年齢が低いほどゆとりのなさが顕著になっています
- 主婦の半数以上が今後も「アルバイト・パート」での就業を希望。正社員を選ばない理由として「家庭との両立」や「柔軟な働き方」が重視されています
結婚が女性キャリアの分岐点に
アルバイト就業中の20~50代の主婦に、これまでの正社員就業経験を聞いたところ、経験があると回答した人は84.4%となり、8割を超える結果となったことがわかりました。
結婚前の雇用形態については、全体で「結婚前は正社員(59.4%)」が最も多く、次いで「結婚前もアルバイト・パート(23.0%)」、「アルバイト・パート以外の非正規社員・その他(16.1%)」という結果になっています。また、「これまでに正社員で働いた経験がある人」に限定すると、「結婚前は正社員(70.3%)」と7割にのぼり、「結婚前もアルバイト・パート(15.4%)」は1割にとどまっているようです。
この結果から、結婚を機に正社員から別のキャリアに転換した主婦が多く存在し、結婚がキャリアの分岐点の1つとなっている実態が浮き彫りになっています。

夫の育休取得に対する意識
夫の育休取得経験のない、子どもがいるアルバイト就業中の主婦に、夫の育休取得の希望を聞いたところ、「取得してほしいと思わない(思わなかった)(72.4%)」と、およそ4人に3人が夫の育休取得を望んでいないことが明らかになりました。
一方で、子どもの成長段階別にみると、夫の育休取得を望むと回答した割合は、「未就学児がいる主婦(37.4%)」が最も高く、次いで「小学生がいる主婦(30.0%)」、「中学生・高校生がいる主婦(25.6%)」となっています。子どもの年齢が低いほど、夫の育休取得希望率が高まる傾向がみられますが、それでも半数には満たない状況です。

経済的・時間的ゆとりの現状
主婦の経済的・時間的なゆとりについて聞いたところ、「経済的にも時間的にもゆとりがない(36.0%)」と回答した割合は3人に1人以上となり、最も高い結果となっています。
子どもの成長段階別でみると、「未就学児がいる(52.6%)」が突出して高く、次いで「小学生がいる(41.7%)」、「中学・高校生がいる(40.5%)」となり、子どもの年齢が低いほど、経済的・時間的ゆとりのなさが顕著に表れていることがわかります。
一方で、「子供がいない主婦」では「経済的にも時間的にもゆとりがない(25.5%)」にとどまるなど、子どもの有無や子どもの年齢によって、主婦の生活におけるゆとりの感じ方には差が生じていることが明らかになっています。

今後希望する就業形態と理由
アルバイト就業中の主婦が希望する今後の働き方としては、「アルバイト・パート(63.3%)」が最多となり、「正社員(18.4%)」を大きく上回る結果となりました。

今後も「アルバイト・パート」を希望する主婦が「正社員」で実現できないと感じることとしては、「家事・育児・介護との両立(35.0%)」が最も高く、次いで「休みやすさ(31.6%)」、「ストレスの少なさ(30.5%)」と続いています。
子どもの成長段階別で「家事・育児・介護との両立」を重視している割合をみると、「未就学児がいる(58.0%)」、「小学生がいる(48.8%)」は全体より10ポイント以上高く、家庭との両立や柔軟性のある働き方ができるか否かが、仕事の選択における大きな要因となっていることがうかがえます。

調査担当者のコメント

本調査からは、結婚を機に正社員から別のキャリアに転換した主婦が多く、結婚が女性のキャリアにおける大きな分岐点となっている実態が明らかになりました。
一方で、「柔軟な働き方」や「家庭との両立」といった点で、今後もアルバイトを希望する主婦は6割を超えています。
実際に、正社員では実現が難しいと感じる要素として「家事・育児・介護との両立」や「休みやすさ」「ストレスの少なさ」などが挙げられています。
しかし、主婦の3人に1人以上が「経済的にも時間的にもゆとりがない」と感じており、未就学児を育てる主婦ではその割合は過半数に達しています。
こうした状況を踏まえると、主婦の働き方の選択は「自由な選択」というより、「制約の中で折り合いをつけた選択」に近い側面があり、それは夫の育休取得を希望しないという意向にも表れている可能性があります。
家庭と両立できる柔軟で自由な選択の実現に加え、特に子育て期の負担が大きい世帯への支援の在り方が、今後の女性活躍の実効性を左右する重要な論点となるのではないでしょうか。
キャリアリサーチラボ 主任研究員 関根 貴広
調査概要
- 目的:主婦のアルバイトの実態と意識を明らかにすること
- 調査名:「アルバイト就業者調査(2025年)」より主婦サンプルのみ抽出し作成
- 調査地域:全国
- 調査方法:インターネット調査
- 対象者:アルバイト就業中の20~50代の既婚女性
- 回収数:本調査:1,712サンプル
- 実施期間:2025年2月17日(月)~2月25日(火)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります
出典元:株式会社マイナビ プレスリリース