SEEDER社が「AI Consumer」調査結果を発表、商品選びにAIを活用する新たな消費行動の実態

SEEDER株式会社(代表取締役:村田寛治、本社:東京都港区北青山)は、先進生活者「トライブ」の調査・分析を行う同社の独自調査「N1トライブレポート」において、「AI Consumer」と呼ばれる、AIに相談して商品を選ぶ新たな購買行動を実践する消費者に関する調査レポートを公開しました。

AI Consumerとは

社会背景:AIの進化と検索の煩雑さによる行動変容
社会背景:AIの進化と"検索"の煩雑さによる行動変容

近年、生成AIの急速な進化に伴い、私たちの日常生活のさまざまな場面でAI技術の活用が拡大しています。特に注目すべきは購買行動における変化です。従来の「検索して比較する」というプロセスに負担を感じる消費者が増える中、代わりにAIに相談することで意思決定を効率化しようとする新たな生活者層が登場しています。

これまでの消費者行動では、商品レビューやSNSを通じた情報収集が主流でしたが、情報の信頼性低下や収集にかかる手間の多さが課題となっていました。そうした背景から、「まるで店員に話しかけるようにAIに相談する」という、より直感的かつパーソナルな選択プロセスが徐々に広がりつつあります。SEEDER社ではこのような新たな購買行動を持つ消費者を「AI Consumer」と名付け、その実態調査を行ったとのことです。

調査サマリー

想定される意思決定疲れをAIに相談することで軽減する

意思決定疲れをAIに相談することで軽減する図

現代社会では選択肢の多さによる比較や検索の疲労感が高まっている一方で、消費者は自分自身で納得して決めたいという気持ちも持ち続けています。調査によると、AIには情報を整理し選択肢を絞り込む「相談者」としての役割が期待されていることが明らかになりました。つまり、最終決定権は自分に残しながらも、選択プロセスの負担をAIに委ねるという新しい消費行動が生まれていると言えます。

AIは機能・性能ベースの検討に強く、情緒的なテーマでは補完的に使われる

AIの強み・弱みに関する図

調査では、AIの活用場面における特徴的な傾向も浮かび上がっています。具体的には、スペックや機能を重視する買い物においてはAIが非常に有効だと感じる消費者が多い一方で、結婚式の準備や空間演出など、価値観や感性が重視される場面では、依然として人との対話を通じた意思決定が好まれる傾向にあります。

このことから、AI Consumerは目的やテーマによって、AIの活用範囲を意識的に使い分けていることがわかります。機能性やスペックといった客観的な比較が必要な場面ではAIを積極的に活用し、感性や価値観に関わる選択では人間との対話を重視するという、状況に応じた使い分けが行われているとのことです。

AIにはまだ「偶然の出会い」や「背伸び提案」が足りない

AIの限界に関する図

AI Consumerは、AIによる最適化された提案に安心感を抱く一方で、「もっと他にも良いものがあるのではないか」という思いも併せ持っています。調査からは、「予算より少し背伸びした選択肢」や「思いがけない出会い」など、人間らしい余白や偶発性のある提案に対するニーズも明らかになりました。

現状のAIによる提案は、ユーザーの指示や条件に基づく最適化に優れている反面、その枠を超えた意外性や発見をもたらす点では不足していると感じる消費者が少なくないようです。この点は、今後のAI活用サービスが進化すべき重要な方向性の一つと言えるでしょう。

デプスインタビュー INDEX

Mさん/31歳・男性・電機メーカー広報職

調査では、実際のAI Consumerの一人である31歳男性Mさんへのデプスインタビューも実施されたとのことです。その結果から、以下のような具体的な行動パターンや心理が明らかになっています。

  • 比較が難しい選択はAIに依頼し、その結果を夫婦間の話し合いの材料として活用している
  • 感性を重視する選択場面においては、人同士の対話をより重視している
  • AIによる最適化が時に狭すぎると感じ、選択肢の幅に関する不満も持っている

このようなAI Consumerの実際の行動パターンからは、AIが単なる「検索の代替」としてではなく、より深い「相談相手」として位置づけられていることが読み取れます。今後の購買支援サービスには、単純なスペック提示だけでなく、選択の幅や偶発性、対話性といった要素を設計に取り込むことが求められるでしょう。

SEEDER社では、このような消費行動の変化の兆しをいち早く捉え、これからの時代に求められるサービスやソリューション提案を継続的に行っていく方針だということです。

調査概要

本調査は以下の条件で実施されたとのことです。

  • 調査期間:2025年5月
  • 調査主体:SEEDER株式会社
  • 調査対象:30代男性
  • 有効回答数(サンプル数):N=1
  • 調査方法:デプスインタビュー

会社情報

SEEDER株式会社は、リサーチだけでなく、商品や事業の開発・マーケティングのフェーズにおいてクライアントの課題をヒアリングした上で、コンサルティング・総合人材マッチング支援・データ提供まで適切なソリューションを提供し、イノベーションの創出を支援しています。

同社は先進生活者「トライブ」の調査・分析や新商品・新規事業開発支援コンサルティングを行っており、今回のような生活者インサイトを探る独自調査「N1トライブレポート」を通じて、社会の新たな動向を捉える取り組みを続けているとのことです。

出典元:SEEDER株式会社 プレスリリース

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