
プライシングスタジオ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:高橋嘉尋氏)がPSM(価格感度分析)やCVM(仮想的評価法)、ガボール・グレンジャー法、選択型コンジョイント分析などを活用した価格調査サービスをリリースし、本格的にプライシングリサーチ市場への参入を発表しました。同社は「アウトプット起点」の調査設計力とプライシング知見に基づいた高度なデータ要件定義、透明性のある価格設定を強みとして、大手調査会社が主導する価格調査業界に新たな選択肢を提示しています。

この記事の目次
プライシングスタジオのサービス特徴
「何のための調査か」から逆算する、実務直結の設計思想
同社のサービスでは、価格に関する「意思決定」に必要なアウトプットを先に定め、そのために必要な調査手法・設問・調査対象・必要サンプル数を逆算して設計する手法を採用しています。単なる情報収集が目的ではなく、実際のビジネスアクションにつながる調査に徹底してこだわっているのが特徴です。
より質の高いデータを適正かつ透明性のある価格で提供
一般的な価格調査サービスで採用されている「サンプル数ベースの課金」ではなく、調査に求められる精度や要件に応じたアウトプットベースの料金体系を採用しています。これにより、データの量だけを重視した低品質のアンケート回収や、過剰なサンプル数の設定による請求価格の高騰を防ぎ、より質の高いデータを適正かつ透明性のある価格で提供することをポリシーとしていることが特徴です。
相見積もり歓迎の姿勢
同社では、同様の条件(調査手法・調査対象・サンプル数)であれば、可能な限りリーズナブルな価格で提案することを表明しており、他社の見積もりを持参することも歓迎しているとのことです。
ただし「意味のある調査を、適正な価格で」をポリシーとしており、持参された調査内容が意思決定につながらないと判断される場合には、より的確な調査内容と価格で提案する場合もあるそうです。
調査手法の継続的なアップデート
昨今の値上げラッシュの影響もあり、値上げによる顧客の来店・購入頻度減少が原因となる売上の減少など、従来のプライシングリサーチ手法では解決できないシーンが増えてきました。プライシングスタジオでは、そうした従来の手法では解決できない課題に対応するための新しい手法の開発に絶えず取り組んでいます。
想定される活用シーン
- 新製品・新サービスにおける適正価格の調査
- 値上げに対する顧客受容度の検証
- 上位プランやバンドル商品のプラン設計
- 「価格変更が競合への流出を招かないか?」といったスイッチングリスクの可視化
対象となる調査手法
同社の価格調査サービスで対象となる手法は以下の通りです。
- PSM分析(Van Westendorp PSM)
- ガボール・グレンジャー法(Gabor-Granger)
- CVM分析(Contingent Valuation Method)
- 選択型コンジョイント分析(Discrete Choice Modeling)
- 上記手法のハイブリッド
調査地域については国内に限らず、海外も国によっては対応可能なケースがあるとのことです。
代表取締役CEOのコメント

代表取締役CEO 高橋 嘉尋氏
「アンケート調査は使えない」「精度が低い」と言われることがあります。でも実際には、設計や設問が適切でなかったり、回答者の選定がずれていたりと、やり方の問題であるケースがほとんどです。私たちは、プライシングの実務に携わってきた専門家の視点から、「価格をどう決めるか」の意思決定に本当に役立つ調査を設計することにこだわります。また、料金体系についても見直し、業界の構造的な課題にも一石を投じたいと考えています。」と語っています。
各調査手法の概要
プライシングスタジオが提供する各調査手法は、それぞれ異なる特性と用途を持っています。
PSM分析(Van Westendorp PSM)
PSM分析は、「高すぎる」「安すぎる」といった価格に対する消費者の心理的な価格感度を測定する手法です。この分析により、最適価格帯や受容可能な価格範囲を特定することができます。新商品の価格設定や既存商品の価格改定時に特に有効です。
ガボール・グレンジャー法(Gabor-Granger)
この手法は、様々な価格帯での購入意向を測定し、価格と需要の関係を分析します。特定の価格ポイントでの需要変化や価格弾力性を把握することができ、収益最大化のための価格設定に役立ちます。
CVM分析(Contingent Valuation Method)
CVM分析は、直接的に消費者の支払意思額を測定する手法です。特に市場価格が確立されていない新しい商品やサービス、公共財などの価値評価に適しています。
選択型コンジョイント分析(Discrete Choice Modeling)
この分析手法は、商品やサービスの複数の属性(価格、機能、ブランドなど)を総合的に評価し、それらが消費者の選択にどのように影響するかを測定します。価格だけでなく、他の属性との相対的な重要性を理解することができます。
プライシングリサーチ市場の課題と同社の挑戦
現在のプライシングリサーチ市場は大手調査会社が主導していますが、プライシングスタジオはその構造に新たな風を吹き込もうとしています。従来の「データ量」を重視する調査から、「データの質」と「意思決定への活用」を重視する調査へのシフトを提案しています。
特に昨今の経済環境では、企業の価格戦略はますます重要性を増しています。値上げの必要性と顧客離れのリスクのバランスを取ることが求められる中、科学的かつ実務的なプライシングリサーチの需要は高まっています。プライシングスタジオは、そのような市場ニーズに応える専門性の高いサービスを提供することで、市場での存在感を高めていくことが期待されます。
会社概要
プライシングスタジオ株式会社
会社名 :プライシングスタジオ株式会社
代表者 :代表取締役CEO 高橋嘉尋氏
事業内容 :プライシングにおけるコンサルティング・研修事業
所在地 :東京都港区芝公園一丁目8番20号 H1O芝公園 8F
WEBサイト:https://pricing.co.jp
出典元:プライシングスタジオ株式会社 プレスリリース