公益社団法人日本観光振興協会(以下、日本観光振興協会)が運営する「全国観光情報データベース」が国内約12万件の地域観光情報を活用し、Googleサービスとの連携を順次開始するとのことです。Google検索やGoogleビジネスプロフィールへの情報提供により、国内外への観光情報発信力を強化し、訪日外国人観光客の利便性向上と地域観光の活性化を目指す取り組みが始まりました。
「全国観光情報データベース」は、国内観光の振興を目的として、全国約12万件もの地域観光情報を整備・収集しています。このデータベースは都道府県、市区町村の協力のもとで運営されており、日本全国の観光情報が集約されています。
日本観光振興協会では、令和4・5年度に観光庁DX実証事業に採択された「日本観光振興デジタルプラットフォーム(デジプラ)」事業を推進してきたとのことです。さらに令和6年度は、観光庁「地域経済活性化に向けた事業者間におけるデータ連携等の促進に向けた実証事業」の一環として、日本国内外への観光情報発信・強化に取り組んでいます。
この取り組みの一環として、GoogleビジネスプロフィールやGoogle検索への全国観光情報データベースの情報提供を順次開始し、観光情報の発信力をさらに強化していく方針だと発表されています。
この記事の目次
背景と目的
この取り組みには、主に二つの観点から背景と目的があるとのことです。
地域の観光情報の発信強化の観点
現状では、海外からの個人旅行客(FIT)や特定の目的に絞った旅行(SIT)を計画している方々に向けた観光情報が十分に届いていないという課題があります。そのため、情報発信方法の改善が求められています。
旅行者の利便性向上と地域の観光消費の向上の観点
旅行者が観光情報を検索する際の時間と手間を削減し、利便性を向上させるためには、精度の高い最新情報の提供が重要です。観光庁の「観光DX推進のあり方に関する検討会」の最終取りまとめにおいても、旅行者の利便性向上・周遊促進策の一つとしてGoogleビジネスプロフィールの活用が言及されています。
こうした背景を踏まえ、情報連携による観光情報発信の強化を図るとともに、旅行者の利便性向上と地域への訪問機会創出、さらには周遊拡大による観光消費向上を目指しているとのことです。
世界中で利用されているGoogleサービスとつながることで、情報発信が可能に
世界で広く利用されているGoogle検索に観光地の画像を提供することで、グローバルな情報発信が可能になります。Google検索は世界中で日常的に活用されており、訪日旅行においても「旅マエ」(旅行前)や「旅ナカ」(旅行中)を問わず、情報収集ツールとして頻繁に利用されています。
地域の皆様によって更新されている観光情報が、多くのユーザーの目に触れることで、地域への訪問機会創出に貢献することが期待されています。これにより、国内外の旅行者に向けた情報発信力が大幅に強化されることになります。
何ができるようになるの?
Google検索への画像提供
今回の連携により、全国観光情報データベースに登録された観光地の画像が、Google検索結果の該当するロケーション(観光地、村、町、都市、河川、山岳、イベントなど)に表示されるようになることが想定されています。日本観光振興協会が保有する画像データは、GoogleビジネスプロフィールのAPI経由で提供されるとのことです。
目的:国内外への地域の観光情報の周知拡大
対象コンテンツ:観光施設、観光資源等の静態情報の画像、イベント、季節情報等の動態情報の画像

Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップで検索された際に表示されるビジネス情報をオーナー自身が管理したり、情報発信ができるツールです。今回の取り組みでは、日本観光振興協会が代理店として「全国観光情報データベース」の情報を活用し、ビジネスプロフィールを設定する作業を行うとのことです。
目的:国内外への地域の観光情報の周知拡大、ユーザーからの情報に対する信頼度の向上
対象コンテンツ:観光施設、観光資源等の静態情報、イベント、季節情報等の動態情報



全国観光情報データベースとは
全国観光情報データベースは、国内の観光振興を図るために約12万件にものぼる地域観光情報を整備・収集したシステムです。このデータベースは全国の都道府県や市区町村の協力のもと、公益社団法人日本観光振興協会によって運営されています。
観光地の基本情報だけでなく、イベント情報や季節情報など、多岐にわたる観光コンテンツが収録されており、これらの情報を活用することで、国内外の旅行者に向けた効果的な観光情報発信が可能となります。
観光DXの推進
日本観光振興協会では、観光庁のDX実証事業に採択された「日本観光振興デジタルプラットフォーム(デジプラ)」事業を通じて、観光分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。今回のGoogleサービスとの連携も、こうした観光DXの取り組みの一環として位置づけられているとのことです。
観光DXによって、データの収集・分析・活用が効率化され、より質の高い観光情報提供や観光客の動向把握が可能になります。これにより、地域の観光資源を最大限に活かした観光振興策を展開することが期待されています。
今後の展望
今回のGoogleサービスとの連携を皮切りに、日本観光振興協会では今後も様々なプラットフォームとの連携を模索し、観光情報の発信力強化を図っていく予定だと発表しています。また、観光DXの推進により、データに基づいた効果的な観光振興策の展開も期待されています。
国内観光の活性化はもちろん、増加する訪日外国人観光客に向けた情報発信力の強化により、地域経済の活性化や文化交流の促進にも貢献することが期待されています。全国観光情報データベースとGoogleサービスの連携により、日本の観光情報がより広く、より正確に世界へ発信されることになります。
まとめ
全国観光情報データベースとGoogleサービスの連携は、国内観光情報の発信力強化と旅行者の利便性向上を目指す重要な取り組みです。世界中で利用されているGoogle検索やGoogleビジネスプロフィールを活用することで、日本の観光情報がより多くの人々に届くことが期待されています。
特に訪日外国人観光客に向けた情報発信の強化は、インバウンド需要の回復・拡大に向けた重要な施策となります。今後も観光DXの推進により、データを活用した効果的な観光振興が展開されることでしょう。
出典元: 公益社団法人日本観光振興協会 プレスリリース