
株式会社ジェネラルトレーディングが、ショート動画プラットフォーム「TikTok」を運営するByteDance社より、中国国内におけるライブコマースの越境EC代理店として正式な認可を取得したことを発表しました。この認定は世界でわずか50社ほどに限られており、同社の中国パートナー企業である上海映悦会展策划有限公司との協力により実現したものです。
この認可により、株式会社ジェネラルトレーディングはTikTok公認の越境ECライブ配信を自社主催で実施できるようになるほか、公式アカウント運用やByteDance社からのサポート、日本への直接送金などが可能になるとのことです。同社は独自ブランド「LiveTokⓇ」を強化し、日本国内でのライブコマース市場の形成を目指していくと発表しています。
この記事の目次
TikTokとは?
TikTokは、全世界で数十億人のユーザーを抱えるショート動画プラットフォームです。近年では、ライブ配信機能を活用した「ライブコマース」が特に注目を集めており、中国をはじめとするアジア市場において爆発的な成長を遂げています。

ライブコマースとは?
ライブコマースは、ライブ配信を通じて商品を紹介・販売する新しいECの形態です。リアルタイムで視聴者とのコミュニケーションを取りながら商品を紹介することで、高い訴求力と購買率を実現することができます。
認可により可能となる取り組み
- TikTok公認の越境ECライブを自社主催で実施可能になります
- TikTokプラットフォーム内での公式アカウント運用ができるようになります
- ByteDance社からのライブコマース運営サポートを受けることができます
- 販売代金の日本への直接送金が可能となります
今後の展開:独自ブランド「LiveTokⓇ」の強化へ
株式会社ジェネラルトレーディングは、日本国内でのライブコマースの認知拡大と市場形成を目指し、以下の取り組みを進めていくことを発表しています。
自社プラットフォーム「LiveTokⓇ」の展開
コスメ・サプリメントメーカーを中心に導入を進行中とのことです。同社の独自プラットフォームを通じて、日本企業の商品を中国市場へ効果的に届ける取り組みを強化しているようです。
OEM型ライブコマース支援
広告代理店、SNS代行業、出版業などとの協業により、企業独自仕様のライブ配信の実現を目指していると発表されています。各企業のニーズに合わせたカスタマイズ対応が可能となり、ブランドイメージを損なわない形でのライブコマース展開をサポートしていく予定です。
第一弾コラボ:大手コスメ雑誌と連携
メーカー向けにオリジナルのTikTokライブコンテンツを共同制作する予定だと伝えられています。美容業界に特化したコンテンツ制作により、専門性の高いライブコマースの実現を目指しているとのことです。
低価格トライアルプログラム開始予定
上場企業との連携により、ライブコマースの初期導入を低コストで実現できるプログラムを提供する計画があります。ライブコマースへの参入障壁を下げることで、より多くの日本企業の中国市場進出を支援していくとしています。

目標と展望
株式会社ジェネラルトレーディングの代表取締役である上田祐之氏は次のようにコメントしています:
「現在提携中の10数社を30社に拡大し、1年以内に総流通額10億円を目指します。
3年以内には50億円のマーケットを形成し、日本発のライブコマース文化を確立します。」
この野心的な目標は、日本企業の中国市場進出を支援するとともに、日本国内でのライブコマース市場の活性化にも貢献することが期待されています。

TikTokライブコマースの市場背景
ライブコマースは中国では既に一般的な購買方法として定着しており、膨大な市場規模を形成しています。特に若年層を中心に、エンターテイメント性の高い購買体験として人気を博しており、数兆円規模の市場に成長しています。
日本国内でもInstagramやTikTokなどのSNSプラットフォームを活用したライブコマースの取り組みが始まっていますが、まだ市場形成の初期段階にあります。株式会社ジェネラルトレーディングのTikTok公式認定により、日本企業の中国ライブコマース市場への参入がよりスムーズになることが期待されています。
中国市場における日本製品の可能性
中国市場では、日本製品、特に化粧品やサプリメント、食品などは「品質が高い」「安全・安心」というイメージが定着しており、高い人気を誇っています。ライブコマースを通じて、これらの商品の特徴や使用方法を視覚的かつ対話的に伝えることで、より効果的なマーケティングが可能になります。
株式会社ジェネラルトレーディングは、TikTok公式の越境EC代理店として認定されたことで、日本企業が中国市場へアクセスする際の重要なパートナーとなることが期待されます。特に中小企業にとっては、独自に中国市場に参入するためのハードルが高いため、このようなプラットフォームの存在は貴重なビジネスチャンスとなるでしょう。
越境ECとライブコマースの組み合わせがもたらす可能性
越境ECとライブコマースを組み合わせることで、以下のようなメリットが生まれます:
- リアルタイムでの顧客とのコミュニケーションにより信頼関係を構築できます
- 商品の特徴や使用方法を視覚的に伝えることで理解度が向上します
- 即時の質問対応が可能となり、購買障壁を取り除くことができます
- ライブ配信中の特別オファーにより購買意欲を促進できます
- インフルエンサーや専門家を起用することで信頼性が向上します
これらの要素により、従来の越境ECよりも高い購買率と顧客満足度を実現することが可能になります。特に言語や文化の壁がある越境ECにおいては、ライブコマースの視覚的・対話的な特性が効果を発揮すると考えられています。
「LiveTokⓇ」ブランドの展望
株式会社ジェネラルトレーディングが展開する「LiveTokⓇ」は、単なるライブコマースのプラットフォームではなく、日本企業の中国進出を総合的にサポートするブランドとしての展開を目指しているとのことです。今後は、以下のような展開が予定されています:
- ライブコマースのノウハウ提供と成功事例の蓄積
- 日本企業と中国インフルエンサーのマッチング
- 中国市場に適した商品開発のコンサルティング
- 効果測定とマーケティング戦略の立案支援
これらの取り組みにより、日本企業が中国市場でのライブコマースを効果的に活用できる基盤づくりを進めていくとしています。また、日本国内向けのライブコマースプラットフォームとしての展開も視野に入れており、国内外の両市場でのビジネス展開を目指していることが発表されています。
ライブコマース市場の今後の展望
ライブコマース市場は、特にアジア圏で急速に拡大しており、日本でも今後の成長が期待されています。株式会社ジェネラルトレーディングの取り組みは、日本におけるライブコマースの普及と市場形成において先駆的な役割を果たすものと考えられます。
コロナ禍をきっかけにEC市場全体が拡大する中、さらに没入感や対話性を高めたライブコマースは、次世代の購買体験として注目を集めています。今後は、AR/VRなどの先端技術との融合も期待されており、より魅力的な購買体験を提供する可能性を秘めています。
株式会社ジェネラルトレーディングは、TikTokとの公式パートナーシップを活かし、この成長市場において主要なプレイヤーとなることを目指していると伝えられています。
会社概要
会社名 | 株式会社ジェネラルトレーディング |
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所在地 | 〒650-0011 兵庫県神戸市中央区下山手通2丁目13-3 建創ビル8F-33 |
代表者 | 上田 祐之 |
設立 | 1996年9月20日(31期目) |
事業内容 | TikTokライブコマースのプラットフォーム運営 |
出典元:株式会社ジェネラルトレーディング プレスリリース