
株式会社キーワードマーケティング(本社:東京都港区、代表取締役会長:滝井 秀典、以下「キーワードマーケティング」)が運営するメディア「キーマケLab(キーマケラボ)」では、広告運用歴が1年以上の事業会社および支援会社の広告運用担当者300名を対象にアドフラウドに関する認知度や被害実態について調査を行いました。
調査概要
- 調査内容:アドフラウドの認知と被害実態に関する調査結果
- 調査期間:2025年3月14日〜2025年3月15日
- 調査対象:300名(1年以上の広告運用経歴を持つ事業会社や支援会社の担当者)
- 調査方法:インターネットを使用した調査
- 調査機関:株式会社IDEATECH
サンプルの性別や年代は以下の通りです。

調査結果のまとめ
- 75%の回答者が「アドフラウド」という言葉を知っていると回答
- 58%がアドフラウドの被害を実際に経験したと回答
- アドフラウドの被害を経験した174名のうち、
- 「明確に被害を把握している」としたのは83名(47.7%)
- 「被害を受けた可能性があるが、確信はない」としたのは91名(52.3%)被害を受けたと答えた人の半数以上が、その認識を持っているものの確信が無いという結果が示されています。
調査結果の詳細
■Q1. 「アドフラウド」という言葉を知っていますか?
75%が「アドフラウド」という用語を知っていると回答しました。

■Q2. 【「アドフラウド」の用語を知っている方のみ質問】あなたは「アドフラウド」をどの程度理解していますか?
「アドフラウド」を知っていると回答した225名を対象に質問した結果、最も多かったのは「詳しく理解している」で44%でした。
次いで「やや理解している」が36%、そして「聞いたことがあるだけ」が20%という結果です。

■Q3. アドフラウドの被害を経験したことはありますか?
58%がアドフラウドによる被害を経験したと答えました。

■Q4.【アドフラウドで被害を受けたことが「ある」と回答した方のみの質問】あなたはアドフラウドによって明確に被害を受けたと認識していますか?
アドフラウドで被害を受けたと回答した174名に質問したところ、47.7%は「明確に被害を把握している」と回答しました。
また、残りの52.3%は「被害を受けた可能性があるが、その確信はない」と回答しています。

■Q5.【アドフラウドで被害を受けたことが「ある」と回答した方のみの質問】過去に遭遇したアドフラウドによる主な被害内容を教えてください(複数回答)
アドフラウドの被害を受けた174名に対する質問では、最も多かったのが「無価値な広告表示(見えない場所への配置など)」で47.1%でした。
次点は「ボットによる偽のエンゲージメント」で46.6%、さらに「不正クリックによる広告費の無駄遣い」で36.8%という結果に。

■Q6.【アドフラウドの被害を受けたことが「ある」または「ない」と回答した方のみの質問】現在、アドフラウド対策として実施していることはありますか(複数回答)
アドフラウドの被害を受けたことが「ある」または「ない」とした280名に質問したところ、最も多かったのは「アドベリフィケーションツールの導入」で34.6%でした。
次に「広告配信先の精査(ブラックリスト管理やホワイトリストを用いた広告配信・除外設定)」で28.2%、さらに「広告ネットワークの削減と信頼できる媒体への広告投下」および「複合的なパフォーマンス指標の分析」で26.4%という結果です。

調査結果に寄せられた専門家の見解
■プロフィール

株式会社JADE Director/CCO 小西一星
販促物制作会社や広告代理店を経て、2009年にリスティング広告運用代行業者として独立。2012年には日本で3人目のAdWordsトップレベルユーザーに認定される。
2019年に株式会社JADEに参画し、Web広告だけでなく顧客企業に対し進むべき方向性を定めて導くWebマーケティングのコンサルティングチームを牽引しています。
■コメント
アドフラウドによる被害を受けたと回答した方の中で、半数以上が「確信がない」と答えたことが非常に興味深いです。また、被害に遭ったと答えた人のうち、具体的な被害内容を明示できなかった人はわずか0.6%であることも注目すべき点です。これにより、被害があったことには認識しつつも確信が持てないという状況の人が多いと読み取れます。
アドフラウドは長年来、多くの広告主に被害をもたらしてきたWeb広告の重要な問題の一つです。小西氏自身も、配信除外のレベルで防げる小さな問題から、明らかに大きな問題まで経験してきたと語ります。時には月間広告費の60%にも相当する金額が広告掲載サイトの関係者によって手動で消費されていることが明らかになることもあったが、そうした現象を防ぐ方法が見つからないケースも存在したと述べています。
確実に起こっている問題ではあるが、時にはアドフラウドと呼ぶほどの悪質さがない事象も多々あり、誤って決めつけられることが頻繁にある。相談を受けたり、アドフラウド対策ツールが検出した際も、詐欺レベルではないものの質の低い広告配信であると感じることが少なくない。また、生ログで調べてみても、疑念は持ちつつもその場で断言できない結果が出ることがある。そうした事例に対し、明らかに不自然な結果だと広告プラットフォーム企業に訴えかけても「不自然ではない」という返答が返ってくることもあると語ります。
こうした曖昧さと解決の難しさは問題の複雑さを際立たせる要因となっており、「確信はないが被害があった」という調査結果につながったのではないかと考えられます。
アドフラウドだけでなく、他の類似問題についても広告プラットフォームへの信頼性は抵抗を受け、少しの疑念が生じた際には、おそらく何か不正が行われていると疑われることが多いでしょう。広告主は不正と疑わしい状況に素早く気付けるよう、モニタリング体制を整え、問題を把握した際には対策を講じることが重要です。
本来、広告プラットフォーム側が対策を果たさなければなりません。
しかし、2010年以前に見られたような、簡単に検出できるはずのスパムに類似する事象が2025年になっても依然として存在しています。その状況が続いている大手広告プラットフォームの動きから推測するに、今後も広告主が警戒し続けなければならない事態は残念ながら続くでしょう。
広告業者としては、広告プラットフォームや広告メディア関係者に対して情報提供と交渉を、社会に対しては適切な注意喚起が求められます。
出典元: 株式会社キーワードマーケティング プレスリリース