Z世代が求める賃貸住宅に関する調査結果が発表

一般財団法人住宅改良開発公社(東京都千代田区、理事長:稗田昭人)は、千葉大学大学院国際学術研究院の鈴木雅之教授に調査研究を依頼し、全国41市に居住するZ世代の1,500人を対象に住生活に関する実態調査を実施し、その結果を発表しました。また、調査結果をもとに作成されたガイドブック『賃貸経営者に知ってほしいZ世代が求める賃貸住宅とは?』が無料公開されています。

調査結果の要約

1. 賃貸住宅に対する不満点のトップ5は、「冬寒い」(約3人に1人)が最大で、続いて「隣の音が聞こえる」「収納が狭い」「料理がしにくい」「家賃が高い」(約4人に1人)という結果となりました。学生と社会人の比較では、学生が「料理がしにくい」との不満が高い傾向が見られました。

2. 家電や家具、インテリアの所有状況に関する調査では、女性が男性よりも多くの家電や家具を所有し、カーペットの敷設や趣味のためのグッズを飾る傾向が強いことがわかりました。

3. 賃貸住宅での生活状況に関して、35%が「毎日料理を行う」と回答し、「料理がしにくい」という不満には23.7%が影響を受けている結果が示されました。最も多く求められるサービスは「食事サービス」で12.9%に達し、共有施設の中では「カフェ」が25.1%を占めており、住環境における「食」に対する期待が高まっています。

4. 賃貸住宅に関する意識調査では、2人に1人が「賃貸は仮の住まいで最終的には住宅を所有したい」と考え、「戸建て」を望む割合は37.5%で、希望する住面積は「30平方メートルから60平方メートル未満」が34.4%と高い割合を占めています。さらに、約4割が「10世帯未満」の小規模賃貸住宅を希望し、近い将来「一人暮らしが理想」とする人が約半数に上りました。

住宅改良開発公社が発表したガイドブック「賃貸経営者に知ってほしいZ世代が求める賃貸住宅とは?」の要約

1. Z世代の賃貸住宅に対する不満点

調査の結果、Z世代の賃貸住宅に対する最も多かった不満は「冬寒い」であり、約3人に1人がこの意見を持っています。次に「隣の音が聞こえる」「収納が狭い」「料理がしにくい」との声が続きます。「家賃が高い」という不満は「冬寒い」の不満には及ばず、賃貸住宅の冬の寒さが大きな影響を与えていることが明らかになりました。この問題に対しては断熱性能向上が求められています。

学生と社会人に分けて不満点を見てみると、「冬寒い」や「家賃が高い」を上回るのは学生の「料理がしにくい」という意見でした。

2. Z世代が所有する家電や家具、インテリア

基本的家電である「冷蔵庫」「洗濯機」「電子レンジ」は約90%が所有していることが確認されましたが、掃除機やテレビを所有していない人は4人に1人という結果も。女性は男性に比べより多くの家電や家具を所有し、カーペット敷きや趣味のアイテムを飾る傾向がより顕著です。

3. Z世代の賃貸住宅における生活状況および求めるサービス

Z世代の生活スタイルでは、「毎日料理をしている」と回答したのは34.5%、さらに「週2~3回」と答えた人を含めると約60%が料理を行っていることが明らかになりました。この点において「料理がしにくい」との不満は、料理の頻度が高いことに起因している可能性があります。「毎日湯船に浸かっている」と答えたのは18.2%、週2~3回を含めて3人に1人が湯船を利用していることも判明しました。加えて、4人に1人が「毎日ゲームをする」との報告が寄せられています。

賃貸住宅において求められるサービスは、「食事サービス」(12.9%)および「シェアサイクル」(11.6%)に対するニーズが高いことが確認され、全てのサービス項目で男性の希望割合が女性よりも高いことがわかりました。

4. Z世代の今後の住まいや暮らしについての意識

「賃貸は一時的なもので、最終的には自宅を所有したい」との問いに対し、「かなり当てはまる」と答えたのは21.1%、さらに「ある程度当てはまる」が26.4%を占め、概ね半数が持ち家を希望していることが伺えます。また、住宅戸数に関しては4割以上が「10世帯未満」の小規模賃貸住宅を望み、約半数近くが「将来的には一人暮らしが理想」と回答しています。したがって、Z世代が求める賃貸住宅の魅力創出が今後の課題となるでしょう。

出典元:一般財団法人住宅改良開発公社 プレスリリース

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