
株式会社オトナル(本社:東京都中央区、代表取締役 八木太亮)と株式会社朝日新聞社は、2025年2月28日、昨年12月に共同で実施したポッドキャストの利用実態調査の結果を「PODCAST REPORT IN JAPAN 第5回ポッドキャスト国内利用実態調査」として発表しました。
ポッドキャスト国内利用実態調査について
「ポッドキャスト」は、世界中で広まりつつあるインターネットラジオメディアの一つで、誰もが容易に音声コンテンツを配信できる手法として、多くの国々で利用されています。スマートフォンやPCを用いて、手軽に音声コンテンツを楽しむことができるこの手法は、ますます人気を集めています。
2023年のアメリカにおけるポッドキャスト広告市場は、前年に比べ5%減少し19.25億ドル(約2,867億円 ※)となる見込みですが、2026年には約25.62億ドル(約3,815億円)の市場規模になることが予測されており、ポッドキャストはデジタルマーケティングにおいて注目される新しい媒体となっています。
「PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査」は、日本国内のポッドキャストの利用状況を把握し、ユーザーへの理解を深めることを目的に、オトナルと朝日新聞社が毎年実施しており、今回で5回目となります。2020年にスタートし、最新の調査対象は15歳から69歳までの男女10,000人で、2024年12月6日から12月7日にかけて実施されました。
本レポートでは、ポッドキャストの利用率や利用シーン、利用方法、他メディアとの比較などのデータを示しています。
*IAB「U.S. Podcast Advertising Revenue Study(May 2024)」より
※ 換算為替レート=148.92円(2025年2月26日時点 TTM)
調査結果を利用される際は、必ず【オトナル・朝日新聞社調べ】と明記してください。
調査結果の概要
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ポッドキャストユーザーの全年代の利用率平均は17.2%です。特に10代(15〜19歳)の利用率は34.0%、20代では27.3%と、若年層の利用が際立っています。
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ポッドキャストの利用率は、全世代でTikTokに次いで高く、Facebookを上回っています。
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ポッドキャスト利用者は、非利用者に比べて選挙に参加する傾向が高いことが明らかになりました。
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全体の約半数が30分未満の番組を頻繁に聴取しています。10代では約40%が20分未満の番組を聴いていることが特徴です。
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視聴プラットフォームの利用率においてはYouTubeが1位で、2位にはSpotifyがランクインしています。
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ビデオポッドキャストの視聴経験があるユーザーは30.7%に達しています。
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ユーザーの5割以上が、ポッドキャストで聴いた商品やサービスについて検索や購入を行った経験があります。
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YouTubeやテレビを含む7つのメディアと比較すると、ポッドキャスト利用者はZ世代(15〜29歳)の比率が最も高く、特に20代の比率はTikTokを上回っています。
調査結果の詳しい内容(要点)
■ポッドキャストは若年層に特に人気。15〜19歳では約3人に1人、20代では4人に1人が利用
一般ユーザーを含む10,000人を対象にした調査の結果、ポッドキャストを月1回以上聴くアクティブユーザーの割合は17.2%という結果が得られました。
特に、15〜19歳の利用率は34.0%(前年から1.2%の増加)、20代では27.3%(前年から2.3%の増加)と、前年と比較して利用率が顕著に上昇しています。

■国内ポッドキャスト利用率は2020年からの増加傾向
調査開始時の2020年におけるポッドキャスト利用率は14.2%でしたが、2024年の調査では17.2%と着実な成長を見せています。

■ポッドキャストは全年代で高い利用率を誇り、TikTokに次ぐ勢い
多様なメディア比較の結果、ポッドキャストは全年代でTikTokに続く高い利用率が確認され、NetflixやFacebook、雑誌、ABEMAを上回る利用が見られました。
15〜29歳の世代に限った調査では、ポッドキャスト利用率は29.3%であり、全メディア中7位となっています。

■ポッドキャスト利用者は選挙参加率が高いことが判明
調査によると、ポッドキャスト利用者は非利用者に比べて選挙への参加姿勢が強いことがわかりました。具体的には、69.9%のポッドキャスト利用者が「選挙に行く」「選挙に行くことが多い」と回答し、非ユーザーを4.0ポイント上回る結果となりました。

■約5割のユーザーが30分未満の番組を好む
調査によると、ポッドキャストユーザーの約5割が「30分未満の番組」を好んで聴くと回答しており、特に15〜19歳は「20分未満の番組」の聴取が多いことが特徴です。一方で、40代以上のユーザーでは「40分以上の番組」を好む傾向があります。

■最も多く利用される聴取プラットフォームはYouTube、次いでSpotify
ポッドキャストを聴取する際のプラットフォームについて、YouTubeが39.2%と最も高く、続いてSpotifyの33.0%が占めています。その後にはradiko、Webサイト、Amazon Music、Apple Podcastと続いています。

■ビデオポッドキャストの視聴経験
ビデオポッドキャストに関する調査では、ポッドキャスト利用者の30.7%が視聴経験があると回答しました。特に20代のユーザーでは44.3%がビデオポッドキャストを見たことがあると答えています。

■ポッドキャストで得た情報に基づく検索や訪問の経験
ポッドキャストで聞いた情報に基づく行動では、65.1%のポッドキャストユーザーが何らかのサービスや商品について検索した経験があり、55.3%のユーザーが聴いた商品を購入または訪れたことがあると回答しています。

■Z世代の割合が高いポッドキャストユーザー
他のメディアと比較した場合、ポッドキャスト利用者のZ世代(15〜29歳)の比率が特に高く、特に20代の割合はTikTokを超える水準にあります。

出典元:株式会社オトナル・株式会社朝日新聞社