朝日大学マーティング研究所、推し活調査結果を発表 頻繁に推し活を行う層の特徴と経済的影響

岐阜県瑞穂市にある朝日大学附属の研究機関、朝日大学マーティング研究所(所長:中畑千弘)が推し活に関する調査を実施しました。この調査結果から、参加者の半数以上が現在または過去に“推し”を持った経験があることが浮き彫りになりました。具体的には、男性の推しは主に「アニメ・漫画・小説」であり、女性は「日本の有名人」に焦点を当てていることが分かりました。

調査の背景

多様化する日常生活の中で、趣味や興味も様々に分化しており、推しの応援対象も広がりを見せています。また、ITの進化によって情報入手が迅速に行えるようになったため、推しを応援するアクティビティは余暇の重要な過ごし方となり、より多くの時間とお金が費やされる傾向が強まっています。これらの推し活の実情を理解するために、この調査が実施されました。

「推し活に関する調査」の主な結果

■週に1回以上の“推し活”が半数以上

調査によると、推し活を週に1回以上行う人の割合は54.4%で、性別では男性が47.2%、女性が59.1%という結果が出ています。このデータは、女性がより活発に推し活を行なっていることを示唆しています。しかし、年代別に見ると状況は異なり、30〜39歳の男性の69.3%と40〜49歳の61.9%が頻繁に推し活を行っている一方、18〜29歳と50〜59歳ではそれぞれ31.6%と29.4%と顕著な差があります。女性においては、30〜39歳で73.3%、18〜29歳で60.6%の高い数値が示されていますが、40〜49歳で52.0%、50〜59歳で45.4%と少し低下しています。男女共に30〜39歳が推し活の中心年齢層であり、推し活に対する頻度が年代によって大きく異なるため、各層に応じた適切な対応が求められています。

■18〜29歳と40〜49歳の女性は他者と一緒に推し活をすることが多い

推し活のスタイルに関しては、大多数が一人で行動する傾向にあることが分かりました。「ひとりで行動するタイプ」または「どちらかというとひとりで行動するタイプ」と回答した人は全体の83.0%を占め、特に男性は94.3%と非常に高い割合を示しています。しかし、18〜29歳と40〜49歳の女性は、比較的誰かと一緒に行動する傾向があります。このことから、女性にとって推し活が同じ趣味を持つ人とのコミュニティ形成に寄与する可能性があると言えます。

■30〜40代の男性の大半が推し活にかける費用の優先度を高く設定

30〜39歳および40〜49歳の男性は推し活の頻度が高く、それに見合った費用をかける傾向が強いですが、彼らの大半が推し活を「優先度の高い費用」と見なしています。時間と資金を推し活に投資している彼らにとって、推し活は日常生活の重要な一部分となっています。女性も、40〜49歳を除く各層で70%以上が推し活を優先度の高い支出として挙げており、女性にとっても推し活は生活の欠かせない要素とされています。女性が推し活を他者と共に行う傾向が強いことは、コミュニティ活動としての側面を強調する要因としても考えられます。彼女たちは推しに対して時間やお金を惜しまず投入する意欲を持っています。

■調査を通してわかったこと

成熟した日本の生活スタイルにおいて、推し活は多くの人々にとって重要な余暇活動となっています。推しに多くの時間と費用を費やす意欲が強いことから、関連する産業には大きな恩恵をもたらす機会が生まれています。今回の調査によると、参加者の半数以上が週に1回以上推し活を行い、行動スタイルは主に「ひとりでの行動」であることが確認されました。また、推し活に関連する費用の約70%が「優先度の高い支出項目」とされ、これは消費行動に結びつきやすいことを示しています。推し活には観戦やグッズ購入、聖地巡礼、イベント参加、ファンミーティングなど多様なアクティビティがあり、どの活動が経済的に消費につながるかは、消費者の属性や推しの特性によって異なると考えられます。推し活のマネタイズを図るには、適切なアプローチを見極めることが必要です。

出典元:朝日大学マーティング研究所 プレスリリース

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