
一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会(東京都渋谷区、代表理事:佐川隼人、以下、サブスク振興会)は、2024年12月10日より、新たに不正情報を防止するプラットフォーム「SubsCield(サブスクシールド)」を開始することを発表しました。このプラットフォームは、電子商取引やサブスクリプション業界における「不正利用」問題解決を目的として共同開発されたもので、業界を代表する10社の協力を受けて提供されます。
この記事の目次
■背景
近年、盗難や転売を目的とした不正な注文、さらにはクレジットカードの不正使用が増加しており、特にサブスクリプションサービスにおいて初回特典を狙った複数の不正注文が問題視されています。一般社団法人日本クレジット協会が発表したデータによると、2023年上半期のクレジットカード不正使用によって発生した被害額は141.0億円に達し、前年同期比32.7%増加しました。このような不正利用による損失は、多くの場合事業者の負担となり、サブスクリプション事業運営において深刻な課題となっています。

■サブスクリプションサービスやEC業界での不正利用の具体例
以下に、サブスクリプションサービスおよびEC業界における不正利用の具体例を示します。
▼ 未払い
- 商品またはサービスの代金を支払わない行為。
- 支払期限後も清算が行われない状況。
▼ 盗難
- 事業者が提供したレンタル資産を無断で持ち去り、不正に占有すること。
- レンタル品の返却をせず、自身のものとして所有しようとする行為。
▼ 個人情報の不正使用
- 他者の名前や住所、電話番号、クレジットカード情報などの個人情報を無断で利用。
▼ クレジットカードの不正使用
- 他人のカード情報を無断で使用して商品やサービスを購入する行為。フィッシング詐欺やスキミングが多くのケースで原因となる。
■SubsCield(サブスクシールド)」の意義
サブスクシールドは、不正利用によって引き起こされる被害を未然に防ぐために開発されたサービスです。

このシステムは、未払い、盗難、個人情報の不正使用などの問題を持つ不正な消費者からの注文を事前に検知することにより、事業者が被る可能性のある損失を軽減することを目的としています。最大の特長は、参加企業が協力して情報を共有することで、不正利用者に関するデータベースを集約できる点です。単独の事業者では不正利用者の把握に限界がありますが、共同で情報を活用することで「被害が発生する前に」不正に対応することが可能です。
※サービス利用者のブラックリストの共有は進行中です。
<開発に賛同した企業(サービス利用企業)>
- 株式会社IDOM CaaS Technology「NOREL」
- ガレージバンク株式会社「カシャリ」
- 株式会社クラス「CLAS」
- GOOPASS株式会社「GOOPASS」
- サイクループ株式会社「NORUDE」
- 株式会社ソーシャルインテリア「Subsclife」
- 株式会社TENT「カウリル」
- ななし株式会社「カリトケ」
- ラクサス・テクノロジーズ株式会社「Laxus」
- レンティオ株式会社「Rentio」
(50音順)
■主な機能
▼ 不正利用者の検知及びデータベース共有・登録
API連携を活用し、SubsCieldを利用する企業間で不正利用者データベースを共同で構築します。この取り組みにより、不正検知の精度を向上させるとともに、不正利用者の迅速な登録と共有を実現します。

■サブスク振興会について
日本国内におけるストック型「サブスクリプションビジネス」の発展を目的とした一般社団法人で、2018年12月に設立されました。サブスクリプションモデルは、顧客数、顧客単価、契約期間の3つの要素からビジネス状況を把握でき、運営計画の策定が容易であるという特長も持っています。さらに、業績の変動が比較的穏やかであるため、事業方向の修正がしやすく、経営者にとって過度なストレスを軽減することが知られています。このような「サブスクリプションビジネス」を日本市場に浸透させるために、様々な情報やノウハウを提供しています。
出典元:一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会 プレスリリース