SaaS比較サイトCapterraはこの度、国内企業の動画マーケティングの現場で働く200名に調査を⾏い、企業がどのようにSNS動画マーケティングに取り組んでいるのかについて現状をまとめました。

本記事のポイント:

1、日本のマーケターが選ぶ動画マーケティングの主要SNSはYouTube
2、担当マーケターが感じる動画マーケティングの利点と課題
3、「動画マーケティングにかける予算は全体マーケティング予算の2割を上回る」が多数
4、58%が、2023年の動画マーケティングにかける予算は昨年と比較して増加と回答
5、動画マーケティングに役立つソフトウェア、第1位は「ビデオ編集・コンテンツ作成」

日本国内だけでも2027年には2兆円に迫ると予想されている「ソーシャルマーケティング」(SNSを活用したマーケティング)。特に動画コンテンツの市場に注目が集まっており、「SNS動画マーケティング」または「ソーシャル動画マーケティング」のマーケティング戦略をしっかり立てることが今後のビジネスに大きく影響を与えると予想されています。

このような状況を受けて、キャプテラは動画マーケティングの現場で働く国内企業のマーケターやマネージャー200名を対象に独自調査を行いました。その結果を2弾にわたってご紹介します。

1、日本のマーケターが選ぶ動画マーケティングの主要SNSはYouTube

海外ではSNSプラットフォームとしてLinkedinが多く活用されていますが、日本では動画マーケティングツールとして使っている企業は17%に留まりました。

従来のYouTubeに加えてInstagramを動画マーケティングツールとして活用している企業が多いことが明らかになりました。

Q.「動画マーケティングの目的で利用しているソーシャルメディア(SNS)は何ですか?」

・YouTube(78%)
・Instagram(77%)
・Twitter(78%)
・Facebook(78%)
・TikTok(78%)
・Linkedin(78%)
・Pinterest(78%)
・Twitch(78%)
・ニコニコ動画(78%)
・Reddit(78%)

2、担当マーケターが感じる動画マーケティングの利点と課題

実際の担当マーケターは動画を使ったマーケティング手法に対してどのような利点や課題を感じているのでしょうか。

Q.「マーケティング・広告において、動画コンテンツ活用の最大の利点(または課題)は何ですか?」

利点

・ブランドの評判の向上(59%)
・消費者が情報を記憶しやすくなること(52%)
・自社サイトへのトラフィック増加(51%)

課題

・クオリティの高いコンテンツを作成すること(60%)
・投稿したコンテンツや広告の再生数を獲得すること(50%)
・コンスタントに投稿すること(46%)

以上から、現場のマーケターは動画コンテンツをブランド価値の向上や情報の有効な伝達、若年層への影響力において特に有効と感じていることが明らかになりました。また上にあがった課題に対応するために戦略的な視点で動画マーケティングを展開する必要があると言えます。

3、「動画マーケティングにかける予算は全体マーケティング予算の2割を上回る」が多数

どれだけの予算を費やすかは、どれだけそのコンテンツのマーケティング効果に期待しているかを示すバロメーターと言えます。企業が動画マーケティングにどれほど予算を確保しているのか質問しました。

Q.「現在、マーケティング予算全体のどのぐらいの割合が動画マーケティングに割り当てられていますか?推測で結構です。」

・2割以上(40%)
・2割〜4割(28%)
・4割〜6割(16%)
・6割〜8割(5%)
・8割以上(6%)
・わからない(6%)

回答者の55%が、マーケティング全体予算の2割以上が動画マーケティングに充てられていると答え、動画マーケティングの価値が業界内で広く認識されつつあることが窺えます。

4、58%が、2023年の動画マーケティングにかける予算は昨年と比較して増加と回答

また、2023年における動画マーケティングへの予算の増減について、58%が前年よりも支出を増やすとの回答がありました。

Q.「2023年の動画マーケティングへの支出は前年比でどのように変化すると考えていますか?」

・支出を増やす(58%)
・支出はほぼ変わらない(33%)
・支出を減らす(4%)
・わからない(6%)

5、動画マーケティングに役立つソフトウェア、第1位は「ビデオ編集・コンテンツ作成」

効果的な動画マーケティングを行うためにソフトウェアを活用しているマーケターが多いようです。実際にどのようなソフトウェアを動画マーケティングで利用しているのか質問したところ、回答が多かったのはこちらです。

・ビデオ編集・コンテンツ作成(73%)
・SNSのコンテンツスケジューリング(46%)
・SNSのパフォーマンス分析(43%)
・SEO(34%)
・ソーシャルリスニング/エンゲージメント (28%)
・SNSのモニタリング (28%)

まとめ

SNSの拡大とともにマーケティングチャネルも変化していていますが、日本のマーケティングにおいて動画コンテンツが重要であることが今回の調査で明らかになりました。AIによる作成などコンテンツの数を容易に増やせるからこそ、その品質を保つ作成戦略が課題と言えます。

動画マーケティングへの投資は増加しており、今後さらなる成長が見込めるでしょう。次回は、オーガニックな動画投稿や広告動画の活用法など、動画マーケティングの実践的な側面にフォーカスして解説します。

本記事シリーズは、キャプテラが行った「SNS動画マーケティングの実態調査」の結果をまとめたものです。調査は2023年6月9日から10日までの間に実施され、全国の企業でマーケティング戦略を担当する200名から有効な回答を得ました。以下の条件を満たす方を対象としました。

・日本に居住していること
・企業のマーケティング・広告部門、または経営陣に所属していること
・広告、デジタルマーケティング、またはコンテンツ作成のいずれかの業務を担当していること
・所属する会社が動画コンテンツの制作に取り組んでいること
・主要なSNSプラットフォームでコンテンツの投稿や動画広告の実施を行っていること

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