食料品の消費税に関する意識調査、6割が軽減税率引き下げを支持「脱・税理士スガワラくん」調べ

政府・与党による「食料品の消費税1%」方針が報じられるなど、消費税減税をめぐる議論が活発化している状況を受けて、YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』を運営する税理士の菅原由一氏が、食料品の消費税に関する意識調査を実施しました。全国の20歳以上80歳未満の男女600名を対象とした調査結果が公表されています。

今回のリリースでは、調査結果に加えて、現在議論されている「食料品の消費税0%・1%・実質ゼロ案」について、税理士・菅原由一氏による解説が提供されています。

調査の概要について

本調査は2026年7月24日にインターネット調査形式で実施され、全国の20歳以上80歳未満の男女を対象としています。サンプル数は600名で、5歳刻みに男女各25名の均等割付が行われました。調査機関はFreeasyが担当しています。

調査結果のポイント

今回の調査から明らかになった主なポイントは以下の通りです。

  • 「8%維持」が最多となったものの、「負担軽減」を求める声は6割に達しています
  • 4割超の回答者が「制度よりスピード」を重視しています
  • 7割弱が「減税しても価格はあまり下がらない」と予想しています
  • 物価高対策として「社会保険料の負担軽減」がトップ、「食料品減税」が続く結果となりました

食料品の消費税に関する望ましい案

全国の20代から70代の男女600名に対し、「政府では、食料品の消費税について『0%』『1%』『実質0%』などの案が議論されているが、最も望ましいと思う案は何か?」という質問が行われました。

その結果、最も多かったのは「現在の8%のままでよい」で23.2%でした。しかしながら、「できるだけ早く1%に引き下げる」が22.2%、「時間がかかっても0%にする」が15.5%、「まず1%に引き下げ、その後0%にする」が13.3%、「1%+給付金による『実質0%』にする」が9.7%となり、これらを合計すると6割(60.7%)が何らかの方法による食料品の消費税引き下げを支持していることが判明しました。

食料品の消費税に関する調査結果グラフ

現状維持を希望する人が最多である一方、多くの消費者は減税自体には肯定的であり、「いつ・どのような形態で実施するか」が判断の分岐点になっていることが窺えます。さらに、「消費税を一律5%(単一税率)にする」という回答も16.2%存在しており、食料品に限らず制度全体の見直しを希望する意見も一定数見られました。

物価高対策として重視すること

続いて、「物価高対策として最も重視することは何か?」という質問では、「少しでも早く家計負担が軽くなること」が43.7%で最多となりました。一方で、「公約どおり食料品の消費税0%を実現すること」は15.5%に留まっています。

この結果から、日常生活に直接関わる負担軽減を早期に実感できることが優先されている実態が浮き彫りになりました。

物価高対策で重視することの調査結果

減税による価格への影響予測

「食料品の消費税が引き下げられた場合、その分だけ販売価格も下がると思うか?」という質問に対しては、「ほとんど変わらないと思う」が34.5%で最多となり、次点の「あまり下がらないと思う」の33.7%と合わせると、約7割(68.2%)が減税効果は価格面では限定的であると見ていることが明らかになりました。

減税による価格変化の予測調査結果

政府に優先して取り組んでほしい施策

最後に、「物価高対策として政府に優先して取り組んでほしい施策は何か?」と尋ねたところ、最も多かったのは「社会保険料の負担を軽減する」で43.8%、「食料品の消費税を引き下げる」が40.5%で僅差で続く結果となりました。また、「所得税・住民税を減税する」が34.2%、「電気・ガスなど光熱費への支援を拡充する」が31.0%と、いずれも3割を超えています。

一方、「現金給付を行う」は26.5%、「賃上げを後押しする政策を進める」は16.8%と比較的低い結果となりました。

優先してほしい施策の調査結果

食料品消費税0%・1%・実質ゼロ、今何が議論されているのか

物価高対策として、食料品の消費税をめぐる議論は大きな転換期を迎えています。政府・与党は食料品の消費税を「1%」に引き下げる方針を固めたと報道される一方で、「0%」や「実質ゼロ」といった案も引き続き検討されており、制度の詳細や実施方法に関心が集まっています。

今回の調査においても、「現在の8%のままでよい」が最多となった一方で、約6割が何らかの方法による食料品の消費税引き下げを支持する結果が出ています。また、「1%でも早く実施してほしい」という考え方が、「時間がかかっても0%を実現してほしい」という考え方を上回るなど、生活者の意識に変化が見られます。

しかしながら、「0%」「1%」「実質ゼロ」は名称が似ていても、制度の仕組みや家計への影響、事業者のシステム対応など、それぞれ内容は大きく異なっています。そこで調査結果を踏まえながら、それぞれの制度の違いや現在議論されているポイントについて解説が提供されています。

「0%」と「実質ゼロ」の違い

「消費税0%」は、税率そのものを0%に引き下げる制度です。これに対して、「実質ゼロ」は税率を1%に維持したまま、中低所得者などに給付金を支給することで、実際の負担を0%相当に近づける仕組みとなっています。

つまり、買い物をした時点では1%の消費税を支払い、その後の給付によって負担を軽減するという考え方です。家計への支援という目的は共通していますが、「税率を下げる」のか、「給付で補う」のかという制度設計には大きな相違があります。

0%と実質ゼロの違いの説明図

0%ではなく1%案が検討される理由

背景にあるのは、レジやPOSシステムの改修対応です。

関係者へのヒアリングによれば、「0%への対応には約1年かかる一方、1%であれば5~6か月程度で対応できる」という見方が示されたことから、「少しでも早く減税を実施するためには1%の方が現実的ではないか」という議論が広がっています。

一方で、クラウド型POSレジなどでは比較的短期間での対応が可能というメーカーも存在しており、必要な改修期間はレジの種類やシステムによって異なると考えられます。

1%案が検討される理由の説明図

消費者だけでなく事業者にも影響する制度

消費税の税率変更は、レジの表示を書き換えるだけでは対応できません。

現在のPOSレジは、売上管理のみならず、在庫管理やポイントシステム、会計システムなどと連携しているため、税率変更に伴って広範囲なシステム改修が必要になるケースがあります。

また、「0%課税」と「非課税」は税務上まったく異なる仕組みであり、企業の消費税計算にも影響を及ぼします。そのため、制度変更は事業者にとっても慎重な対応が求められています。

事業者への影響の説明図

減税で物価は本当に下がるのか

食料品の消費税を引き下げる最大の目的は、物価高騰による家計負担を軽減することです。

ただし、実際の販売価格は税率だけで決定されるものではありません。原材料費や物流費、人件費などの上昇が続く中では、税率が下がっても、その分がすべて販売価格に反映されるとは限りません。

商品や店舗によっては価格据え置きや値上げが実施される可能性もあり、消費者が実感する効果には差が生じることも考えられます。

減税と物価の関係説明図

短期的な支援と長期的な制度設計の両立が重要

現在議論されている案はいずれも、物価高への緊急対応という側面が強く、期間限定の措置が前提となっています。

一方で、制度が開始されれば、終了時には再び税率変更やシステム改修が必要になる可能性もあります。また、家計を安定的に支えるためには、一時的な減税だけでなく、賃上げや所得向上、社会保障制度とのバランスを含めた中長期的な政策も欠かせません。

短期・長期政策の説明図

まとめ

今回の調査では、「時間がかかっても0%を実現してほしい」という意見よりも、「1%でもいいから早く実施してほしい」という回答が多く、生活者が制度の"理想形"よりも"支援のスピード"を重視している実態が明らかになりました。

一方で、「0%」「1%」「実質ゼロ」は、それぞれ制度の仕組みや事業者への影響が異なっています。減税は家計支援として一定の効果が期待されますが、価格への反映やシステム対応、2年間限定措置の運用など課題も少なくありません。

今後は、「どの案が最も実現しやすいか」だけでなく、「生活者にとって分かりやすく、公平で、持続可能な制度であるか」という視点から議論を深めていくことが重要ではないでしょうかと述べられています。

菅原由一氏のプロフィール

1975年、三重県生まれで、東京都在住です。顧客を黒字に導く節税と資金繰りの専門家です。

2022年12月に開設したYouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は、登録者数173万人を突破しています。ブログ『脱!税理士 菅原のお金を増やす経営術!』は全国税理士ブログランキング第1位を獲得し、アメブロ【公式】トップブロガーに選任されています。

講演実績は、Google、アパホテル、リコージャパン、ロバートキヨサキなど上場企業、外資系企業も含め1,000回を超えており、各メディアからの取材も多数受けています。

書籍『究極の資金繰り』『激レア資金繰りテクニック50』(共に幻冬舎)は、累計3.7万部のベストセラーとなっています。2024年2月22日には『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』を発売し、刊行から1年で累計発行部数12万部を突破しています。

菅原由一氏

出典元: PR TIMES

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